ブラック企業が悪用する「みなし残業」とは?!
ブラック企業が悪用する「みなし残業」とは?!
固定残業代制度(みなし残業)は、現在では多くの企業が採用しているシステムです。
社員は労働時間内に効率的に成果を上げ、定時に業務を終える事が出来れば予め設定されている残業代の分は有り難い余禄となります。
しかしその反面、運用する際には気を付けないと見落として労働基準法に抵触してしまいかねない注意点も存在します。
制度自体は「悪」ではないのですが、悪い企業に利用されやすい制度であることは間違いありません。
固定残業代制度とは、
法定の時間外労働に対する割増賃金を、「あらかじめ定額」で支給する制度です。みなし割増賃金制度と言われています。
時間外労働に対する割増賃金については、労基法で定められています。労基法で定めている基準よりも高い金額を支払う分には、まったく問題ありません。
法定の時間外労働に対する割増賃金を、「あらかじめ定額」で支給する制度です。みなし割増賃金制度と言われています。
ルールを明確にし、そのルールに基づいた運用が行われていないと違法であると判断されかねないことになります。
固定残業代制度が合法と認められるためには以下の要件を満たさなければなりません。
・残業代に相当する部分が、他の賃金と明確に区分されている
・何時間分の残業代に相当するのか定められている
・実際の残業時間で計算された残業代が定額残業代を超えた場合には、その差額が支払われている
適用する際は以下に注意しましょう。
1.最低賃金に接触しないようにすること
2.必ず就業規則や雇用契約書に定めること
3.みなし残業時間を極端に長くすると会社の安全配慮義務の責任を問われること
固定残業代制度(みなし残業)のメリットとして、以下が挙げられます。
1.会社は決められた時間までは残業代の計算が不要になる
2.みなし残業代は割増賃金の対象外のため、決められた時間を超えて残業した際の時間単価が抑えられる
3.社員は残業をしなくても残業代をもらえる
下記東京労働局のパンフレットは大変参考になります。
事業場外労働に関するみなし労働時間制 - 東京労働局
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/jigyoujougai.pdf
拡大するブラック企業が悪用される“みなし労働”
会社は労働者の健康に配慮する義務があり、またみなし労働時間を採用していても深夜残業や休日出勤に関しては割増賃金の支払義務があるため、労働時間の管理は必須です。
これらの義務を放棄するためにみなし労働時間のフリをしている会社も多数存在するので注意しましょう。
皆さんの企業は大丈夫ですか!!