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毎日コラム 2015年07月17日
死亡率が低くなる!? 普通のパンと全粒粉パンの違い
茶色いパンとは、チョコパンではありません。全粒粉パンのことです。
全粒粉とは小麦粉の一種です。普通の小麦粉は胚乳だけを粉にしていますが、全粒粉は小麦の表皮や胚芽、胚乳をすべて粉にしたものです。普通の小麦粉と比べて、食物繊維や鉄分、ビタミンなどを豊富に含んでいるそうです。 小麦粉と比較して(あくまで小麦粉との比較であり糖質は含まれる)血糖値をゆるやかに上昇させる食品で、グリセミックインデックス指数(GI値)が比較して低い食品。血糖値を急激に上昇させないため、脂肪が蓄積しにくい食品と言える。さらに、小麦粉よりも1割程度カロリーが低いため、ダイエットや生活習慣病予防などに取り入れられています。

全粒粉パンを食べれば死亡率が低くなる!?
全粒粉を多く摂取している人は心臓病による死亡率が低くなるという報告がありました。2015年1月5日、米ハーバード大学の公衆衛生学、ウー・ホンユ氏らの研究グループが、米国医師会雑誌であるジャマ(JAMA)誌に研究成果を発表しました。

これまで、全粒粉を含む食品を多く食べることは、2型糖尿病や心臓病といった生活習慣病などのリスクを下げることが報告されています。しかし、全粒粉と死亡率を結びつけたデータはほとんどありませんでした。



大規模な調査で見えてきたものは、心臓病予防
研究グループは米国の看護師健康調査(1984年から2010年)で女性7万4341人、医療従事者疫学研究(1986年から2010年)で男性4万3744人、合計12万人程度の人を対象として、全粒粉の摂取量と死亡リスクの関連を検証しました。彼らは年齢、喫煙、BMI、身体活動、食事の内容をそれぞれ点数付けし、全粒粉と健康の関連を詳細に分析しました。

この10年以上にわたる追跡期間中に死亡したのは2万6920人でした。結果として、生活スタイルや食事などに関係なく、全粒粉を摂取する量が多ければ心臓病による死亡リスクが低いことが分かったのです。

1人分の全粒粉量(1日当たり28グラム)をとると、全死因による死亡が5%低く、心臓病による死亡は9%も低いことが分かりました。しかし、がんによる死亡リスクとは関連性が見られなかったようです。



小麦の表皮に予防効果あり
彼らはさらに、全粒粉に含まれる各成分ごとの健康効果を比較しました。すると、ふすま(ブラン、小麦の表皮)を摂取した人では心臓病の死亡は2割減少していたものの、胚芽と死亡率低下には関連がみられませんでした。

全粒粉で作ったパンが美容や健康に良いとは知られていましたが、死亡率まで減らすことが分かってきたのは画期的です。全粒粉にはこれからも注目です。

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