2015年11月20日
「爆買い」だけではない。中国人にウケる居酒屋
訪日外国人旅行者1631万人 去年上回る
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、訪日外国人の数が順調に増えていることが分かった。10月までに日本を訪れた外国人の数は1631万6900人で、昨年同時期(1100万8967人)を48%上回っている。
1月(前年同月比+29.1%)以外は、前年同月比で軒並み40%を超えるペースが続いている。昨年の訪日外国人数を振り返ると、11月は約116万人、12月は123万人だった。
このままのペース(前年比4割増)が続けば1900万人。いくらか上乗せされれば、2000万人を超える可能性もある。
中国が初の400万人超え
国や地域別の訪問者は、中国(10月:44万5600人、10月までの累計:428万3700人)、韓国(同37万800人、3226万6600人)、台湾(同34万3600人、311万4800人)が圧倒的で、この3か国で全体の約65%を占めている。
特に中国の伸びが大きく、前年(10月まで累計で201万1723人)から倍以上に増えた。さらに中国の400万人超えは、国別累計で初めてとのこと。残り2か月次第では、500万人超えもありそうだ。
外国人観光客の76%が楽しみにしている日本食
外国人観光客のお目当ては「食」
旅行の大きな楽しみといえば「食」。旅行先の特産品や名物をあらかじめ調べておき、現地の料理を楽しむのは旅行の醍醐味です。
日本を訪れる外国人観光客も同じく、「日本食」に高い関心をもち、日本食を食べることを楽しみにしているようです。
出所:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
中国人観光客に、「ニッポン」の居酒屋が人気だ。
東京・銀座や秋葉原などの百貨店や家電量販店、免税店には「爆買い」と呼ばれる中国人の買い物ツアーのバスが並んでいる。JR線や地下鉄の中でも多くの中国人らしき観光客を目にする。
そんな中国人観光客に、秘かに人気なのが「居酒屋」だという。
居酒屋といえば、リーズナブルな価格で仕事帰りに気軽に立ち寄れる。個人経営の小さな店からチェーン店まで、繁華街はもちろん、駅近くには必ずといっていいほど見かける。日本人にとってはなんの変哲もない場所に、わざわざやって来るらしい。
中国人の利用について、ある居酒屋企業は「1年前と比べて1.5倍くらい増えた」とみている。「日中関係が落ち着いたので、最近は訪日外国人数の増加とともに中国人観光客も増えてきました」と話す。
中国人が増えてきた理由について、『IZAKAYA』が日本の食文化や交流の場としてガイドブックなどで紹介されていることをあげる。
ガイドブックには、「非常にリーズナブルで、ものすごい数のメニューがある。刺し身や海苔巻き、焼き鳥、餃子などを提供している」などと紹介されている。様々な日本食が一度に楽しめることも人気になっているようだ。
さらには、居酒屋で楽しく過ごした中国人観光客らが帰国してから、自身のブログなどに綴っているケースがあるようで、そういったインターネットによる「口コミ」効果もあるようだ。
訪日客殺到で驚異的売上増
「ブラック企業」と批判され、2期連続赤字、債務超過寸前まで追い込まれたワタミが、介護事業を損保ジャパンに売却、3期連続赤字は免れ、16年3月期では130億円程度の黒字に転換する見通し。介護事業の売却資金があるうちに外食事業と宅食(食事宅配)事業の抜本的な立て直しを図り、大復活を遂げようとしている。
ワタミが外食事業の立て直しで最大の狙いにしているのが、訪日外国人(インバウンド)である。ワタミは今年11月、訪日外国人獲得の戦略店舗、銀政を開店した。完全予約による訪日外国人専門の和食店で、昨年開店した「炉ばたや 銀政」を業態転換した。ワタミはこの銀政を復活の起爆剤にしようとしている。
日本の外食企業で訪日客にいち早く着目し、その集客に最も成功しているのが「がんこフードサービス」(大阪市)と「コロワイドグループ」(横浜市)である。
コロワイドは訪日外国人の取り込みに力を入れだした。「北海道」を受け皿にして、関東、関西などへと対象店舗を広げていった。こうしてコロワイドは、09年度には訪日外国人客を5万9000人獲得した。(参照:ビジネスジャーナルより)
■中国人に接客される中国人
繁華街で一見奇妙な現象が起きています。
チェーン飲食店では中国人観光客の方が働かれていることが少なくない。吉野家や日高屋など大手の飲食店で中国人のアルバイトは多いと。いま、これらの店に多くの中国人観光客が押し寄せる。その結果、店員も中国人、客も中国人、日本人客は自分だけ、のような現象が起きています。彼らの会話は当然中国語です。
―それは珍しくない?
繁華街では特に珍しい光景ではないと言えるだろう。観光客の方は、大人数で動くことが多いので、店内で日本人が珍しい存在になるケースはかなり多い。日本発の店が、日本で、日本人以外に好んで消費されている。市場の拡大を感じる瞬間と言えるだろう。
訪日外国人数が急増していることに伴い、インバウンド消費の拡大が期待されている。
【インバウンドの飲食店銘柄】
[7616] コロワイド
[3198] SFPダイニング
[3133] 海帆
[3193] 鳥貴族
[3397] トリドール
[7918] ヴィア・ホールディングス
[3196] ホットランド
[2708] 久世
[7596] 魚力
[1301] 御洋
[3178] チムニー
[7522] ワタミ
など
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、訪日外国人の数が順調に増えていることが分かった。10月までに日本を訪れた外国人の数は1631万6900人で、昨年同時期(1100万8967人)を48%上回っている。
1月(前年同月比+29.1%)以外は、前年同月比で軒並み40%を超えるペースが続いている。昨年の訪日外国人数を振り返ると、11月は約116万人、12月は123万人だった。
このままのペース(前年比4割増)が続けば1900万人。いくらか上乗せされれば、2000万人を超える可能性もある。
中国が初の400万人超え
国や地域別の訪問者は、中国(10月:44万5600人、10月までの累計:428万3700人)、韓国(同37万800人、3226万6600人)、台湾(同34万3600人、311万4800人)が圧倒的で、この3か国で全体の約65%を占めている。
特に中国の伸びが大きく、前年(10月まで累計で201万1723人)から倍以上に増えた。さらに中国の400万人超えは、国別累計で初めてとのこと。残り2か月次第では、500万人超えもありそうだ。
外国人観光客の76%が楽しみにしている日本食
外国人観光客のお目当ては「食」
旅行の大きな楽しみといえば「食」。旅行先の特産品や名物をあらかじめ調べておき、現地の料理を楽しむのは旅行の醍醐味です。
日本を訪れる外国人観光客も同じく、「日本食」に高い関心をもち、日本食を食べることを楽しみにしているようです。
期待していたこと | 選択率(%) |
日本食を食べること | 76.2 |
ショッピング | 56.6 |
自然・景勝地観光 | 46.8 |
繁華街の街歩き | 40.0 |
温泉入浴 | 33.4 |
旅館に宿泊 | 25.2 |
日本の酒を飲むこと(日本酒・焼酎など) | 24.4 |
日本の歴史・伝統文化体験 | 22.8 |
テーマパーク | 15.6 |
四季の体感(花見・紅葉・雪など) | 13.7 |
中国人観光客に、「ニッポン」の居酒屋が人気だ。
東京・銀座や秋葉原などの百貨店や家電量販店、免税店には「爆買い」と呼ばれる中国人の買い物ツアーのバスが並んでいる。JR線や地下鉄の中でも多くの中国人らしき観光客を目にする。
居酒屋といえば、リーズナブルな価格で仕事帰りに気軽に立ち寄れる。個人経営の小さな店からチェーン店まで、繁華街はもちろん、駅近くには必ずといっていいほど見かける。日本人にとってはなんの変哲もない場所に、わざわざやって来るらしい。
中国人の利用について、ある居酒屋企業は「1年前と比べて1.5倍くらい増えた」とみている。「日中関係が落ち着いたので、最近は訪日外国人数の増加とともに中国人観光客も増えてきました」と話す。
中国人が増えてきた理由について、『IZAKAYA』が日本の食文化や交流の場としてガイドブックなどで紹介されていることをあげる。
ガイドブックには、「非常にリーズナブルで、ものすごい数のメニューがある。刺し身や海苔巻き、焼き鳥、餃子などを提供している」などと紹介されている。様々な日本食が一度に楽しめることも人気になっているようだ。
さらには、居酒屋で楽しく過ごした中国人観光客らが帰国してから、自身のブログなどに綴っているケースがあるようで、そういったインターネットによる「口コミ」効果もあるようだ。
訪日客殺到で驚異的売上増
「ブラック企業」と批判され、2期連続赤字、債務超過寸前まで追い込まれたワタミが、介護事業を損保ジャパンに売却、3期連続赤字は免れ、16年3月期では130億円程度の黒字に転換する見通し。介護事業の売却資金があるうちに外食事業と宅食(食事宅配)事業の抜本的な立て直しを図り、大復活を遂げようとしている。
ワタミが外食事業の立て直しで最大の狙いにしているのが、訪日外国人(インバウンド)である。ワタミは今年11月、訪日外国人獲得の戦略店舗、銀政を開店した。完全予約による訪日外国人専門の和食店で、昨年開店した「炉ばたや 銀政」を業態転換した。ワタミはこの銀政を復活の起爆剤にしようとしている。
日本の外食企業で訪日客にいち早く着目し、その集客に最も成功しているのが「がんこフードサービス」(大阪市)と「コロワイドグループ」(横浜市)である。
コロワイドは訪日外国人の取り込みに力を入れだした。「北海道」を受け皿にして、関東、関西などへと対象店舗を広げていった。こうしてコロワイドは、09年度には訪日外国人客を5万9000人獲得した。(参照:ビジネスジャーナルより)
■中国人に接客される中国人
繁華街で一見奇妙な現象が起きています。
チェーン飲食店では中国人観光客の方が働かれていることが少なくない。吉野家や日高屋など大手の飲食店で中国人のアルバイトは多いと。いま、これらの店に多くの中国人観光客が押し寄せる。その結果、店員も中国人、客も中国人、日本人客は自分だけ、のような現象が起きています。彼らの会話は当然中国語です。
―それは珍しくない?
繁華街では特に珍しい光景ではないと言えるだろう。観光客の方は、大人数で動くことが多いので、店内で日本人が珍しい存在になるケースはかなり多い。日本発の店が、日本で、日本人以外に好んで消費されている。市場の拡大を感じる瞬間と言えるだろう。
訪日外国人数が急増していることに伴い、インバウンド消費の拡大が期待されている。
【インバウンドの飲食店銘柄】
[7616] コロワイド
[3198] SFPダイニング
[3133] 海帆
[3193] 鳥貴族
[3397] トリドール
[7918] ヴィア・ホールディングス
[3196] ホットランド
[2708] 久世
[7596] 魚力
[1301] 御洋
[3178] チムニー
[7522] ワタミ
など