2015年12月01日
「中国爆買い団」が減らない。
「中国爆買い団」が減らない。
今年7月から9月までの3カ月間に日本を訪れた外国人旅行者の数は、前年同期に比べ、50%以上増加し535万人に達し、訪日外国人全体の旅行消費額が初めて1兆円を突破したと観光庁が発表した。
観光庁によると、今年7月〜9月までの3カ月間に、日本を訪れた外国人旅行者1人あたりの旅行支出は平均18万7165円に達し、前年同期に比べ18%以上増加している。
国・地域別に見ると、1人あたりの支出額が最も高いのは、「爆買い」で一躍有名になった中国人旅行客で、全体の47%近くを占める。
中国からの旅行者数も前年同期比112.4%と大幅に増加しており、外国人旅行客全体の消費額を底上げする原因につながった。
訪日外国人旅行者数は7月〜9月までの3カ月で535万人にのぼり、前年同期に比べて53.7%増加。これによって全体の旅行消費額は1兆9億円に達し、前年同期の5505億円に比べて82%近く増えたことになった。
提供:図は観光庁:訪日外国人消費動向調査より
その結果、大手デパート5社の10月の売り上げは、中国の建国記念の日にあたる「国慶節」の連休があり、日本を訪れた外国人旅行者向けの販売が伸びたことなどから、各社とも去年の同じ月を上回り、好調が続いているとの報道もあった。
新宿は中国人の爆買いスポット
株価下落が続き、「バブル崩壊」「八方塞がり」ともいわれる中国経済。しかし、そんな経済状況なぞどこ吹く風とも言わんばかりに、今日も東京の繁華街には買い物目的で日本を訪れた中国人観光客があふれている。
中国人観光客が“爆買い”する代表的な場所は、秋葉原の家電量販店で「炊飯器」や「ウォシュレット」、「おむつ」などの爆買いが取り上げられているが、はたして観光客が買うのはそれだけなのだろうか?
それはほんの一部の富裕層の話らしい。
今、中国人観光客が最も買い物目的で訪れる街のひとつ、新宿。
最も“アツい”爆買いスポットは、ドラッグストアである。
中国のネットユーザーたちが使うSNSを覗くと、「日本に行ったら買うべきもの」として紹介されているのは、化粧品・医薬品・健康食品・ヘアケア製品など、8割以上がドラッグストアで買えるもの。各人気ストアの店内には、スマホの画面を熱心に見ながら目的の商品を探す中国人観光客が殺到している。
中国人旅行客の乗る観光バスが多くとまる歌舞伎町・靖国通り付近のドラッグストアはもちろん、その光景は新宿西口の繁華街のストアにまで広がっており、多くの店で「中国語話せます」を意味する腕章をつけたスタッフがあちこちに忙しく動く姿が見られた。
購入商品内容は、薬類、消炎鎮痛剤、液体絆創膏、のど飴、高機能マスク、栄養ドリンク、サプリメント、化粧品(化粧水、乳液)、シャンプー、トリートメント、紙オムツ、粉ミルク、白髪染め剤、歯磨き粉、離乳食、携帯カイロ、生理用品、ストッキング、アイマスク、温泉の素など。
新宿歌舞伎町などではじまっている“中国化”は、観光地としては当然なすべきことなのかもしれない。
家電、日用品に次ぐ「爆買い品」とは
ギリシャの債務危機をきっかけにした世界同時株安の余波で、上海など中国の株式市場は6月からの1カ月で株価が3割も急落。さらに、中国は8月11日から3日連続で人民元の為替レートの基準値を引き下げた。
この人民元ショックの影響で、東京の株式市場では、輸出が減ると懸念された自動車や機械、資源関連株のほか、化粧品や百貨店、家電量販店など“爆買い銘柄”も一瞬値を下げた。
しかし、上記で述べたように、中国爆買いは変わっていないように思える。
「中国の株価はいままでが上がり過ぎで、それが正常に戻っただけ。日本に影響はない」と語っている株式専門家もいる。
東京の不動産市場への影響はどうか?
爆買いとまではいかないものの、中国人富裕層の都心の不動産購入はいまも続いている。
東京は今も不動産購入を希望する中国人の新たな選択肢になりつつある。
ある中国の富豪が今年8月、東京の超高級住宅を購入したことで話題になった。富豪が買ったのは赤坂の住宅2軒。合わせて13億7000万円だった。東京では04年以来最高額で、中国人の「爆買い」が春節(旧正月)以降続いていることを証明する形となった。
なぜ中国人は日本の不動産を所有するのか?
円安が進む日本は、投資先としてまだまだ魅力があるからだ。シンガポールなどと比べても格安に見えるのだ。また、中国では土地は国有で、使用権が認められているだけ。そのため、所有権を手に入れられる日本の不動産はおいしく見える。
自分の国の政治や経済をまったく信用していない中国富裕層は、資産を海外に持ち出したくて仕方ない。
ついでに、本人や家族も国外に出たいと思っている。ということで、日本の土地を売却しても、カネを中国に持って帰るわけにもいかない。 日本の不動産を購入する中国人は富裕層が中心だったが、現在では中流層が増えている。ある上海の投資家は、移民、留学、投資の3つが海外不動産投資の主な目的だと指摘している。
背景にある要因の一つ、5年後の東京五輪だ。オリンピック会場としての開発が予定される東京湾岸沿いには、中国を含むアジアからキャピタルゲイン狙いの熱い期待が注がれている。
上海など中国の不動産の割高感から、中国・台湾の富裕層を中心として投資が増加しつつある。
富裕層の訪日は今後も確実に増え続けるだろう。焦点は中間層の動向で、為替次第の面もあります。ただし、いまぐらいの為替相場が続くのなら、日本に来る中国人観光客は高水準を維持すると考える。
【インバウンド消費】「爆買い銘柄」
訪日外国人数が過去最高を記録し、外国人客の消費で盛り上がる「インバウンド銘柄」に注目。中国人観光客を多く取り込み、インバウンド消費の割合が大きい企業、爆買いによって恩恵を受ける銘柄群は以下の通りです。
【注目銘柄】
参天製薬(4536)東証1部
株価1,965円(12月01日現在) 「神薬」として紹介されている。参天製薬の目薬「サンテ ボーティエ」 中国にはパッケージに力を入れている目薬はあまりないので珍しいらしい。 中国で普及途上の医薬品。中国人からのリピート買い商品として注目。
小林製薬(4967)東証1部
株価9,980円(12月01日現在) 「神薬」として紹介されている。中国人観光客らの「爆買い」などで、2015年4〜6月期の売り上げが前年同期と比べて5倍超に膨らんだことを明らかにした。 液体絆創膏の「サカムケア」の売り上げが5.43倍に増えたほか、「ニノキュア」は52%増、「熱さまシート」は37%増となった。
消費財関連
TOTO(5332)
温水洗浄便座ウォシュレットを爆買いする中国人が急増。これからも売れて行く勢い。
百貨店各社
春節の爆買いぶりはテレビニュースでもおなじみ。どの百貨店が伸びているかもう数字は出ている。
家電量販店
ラオックス(8202)、ヨドバシカメラやビックカメラ(3048)
ツアーで来る中国人観光客が必ずと言っていいほど立ち寄る場所。中国語サービスが整っています。
ドラッグストアや日用雑貨
ドンキホーテ(7532)、マツモトキヨシ(3088)など
もはや観光地と言っていいほどの買物スポット。圧倒的な品揃えの豊富さに外国人観光客の爆買いが止まりません。
化粧品メーカー
資生堂(4911)やコーセー(4922)、ファンケル(4921)など。口コミで人気のある化粧品メーカー。
貸切バスを運営している会社
バスを日本で最も多く保有しているのは、神奈川中央交通(9081)と西日本鉄道(9031)です。
ホテルやデパートなどの事業を併営する鉄道関連会社にも注目
ホテルチェーン店 中国人たちは日本のどこかに宿泊しています。富裕層は高級なホテルに泊まっています。
東日本旅客鉄道 (9020) 、西日本旅客鉄道 (9021) 、東海旅客鉄道 (9022) などをはじめ、鉄道関連会社の多くはホテルやデパートなど、本業以外にも幅広く事業展開。
浅草や東京スカイツリーなどの観光地周辺に事業を展開する東武鉄道 (9001) 、全国展開の「サンルートホテル」を子会社化した相鉄HD (9003) 、ホテルや小売業など幅広く事業運営する東京急行電鉄 (9005) 、京浜急行電鉄 (9006) 、富士急行 (9010) 、西日本鉄道 (9031) 、近鉄グループHD (9041) 、南海電気鉄道 (9044) 、京阪電気鉄道 (9045) 、名古屋鉄道 (9048)など。
日本の不動産を購入する外国人の増加を背景に中古不動産を買い取り、リノベーションを加え再販売するビジネスモデル企業。
ムゲンエステート(3299)、スターマイカ(3230)、インテリックス(8940)、フジ住宅(8860)等
旅館を中心に投資する星野リゾート・リート投資法人 (3287) や、ホテル特化型のジャパン・ホテル・リート投資法人 (8985) といったJ-REITにも注視が必要だ。
今年7月から9月までの3カ月間に日本を訪れた外国人旅行者の数は、前年同期に比べ、50%以上増加し535万人に達し、訪日外国人全体の旅行消費額が初めて1兆円を突破したと観光庁が発表した。
観光庁によると、今年7月〜9月までの3カ月間に、日本を訪れた外国人旅行者1人あたりの旅行支出は平均18万7165円に達し、前年同期に比べ18%以上増加している。
国・地域別に見ると、1人あたりの支出額が最も高いのは、「爆買い」で一躍有名になった中国人旅行客で、全体の47%近くを占める。
中国からの旅行者数も前年同期比112.4%と大幅に増加しており、外国人旅行客全体の消費額を底上げする原因につながった。
訪日外国人旅行者数は7月〜9月までの3カ月で535万人にのぼり、前年同期に比べて53.7%増加。これによって全体の旅行消費額は1兆9億円に達し、前年同期の5505億円に比べて82%近く増えたことになった。
その結果、大手デパート5社の10月の売り上げは、中国の建国記念の日にあたる「国慶節」の連休があり、日本を訪れた外国人旅行者向けの販売が伸びたことなどから、各社とも去年の同じ月を上回り、好調が続いているとの報道もあった。
新宿は中国人の爆買いスポット
中国人観光客が“爆買い”する代表的な場所は、秋葉原の家電量販店で「炊飯器」や「ウォシュレット」、「おむつ」などの爆買いが取り上げられているが、はたして観光客が買うのはそれだけなのだろうか?
それはほんの一部の富裕層の話らしい。
今、中国人観光客が最も買い物目的で訪れる街のひとつ、新宿。
最も“アツい”爆買いスポットは、ドラッグストアである。
中国のネットユーザーたちが使うSNSを覗くと、「日本に行ったら買うべきもの」として紹介されているのは、化粧品・医薬品・健康食品・ヘアケア製品など、8割以上がドラッグストアで買えるもの。各人気ストアの店内には、スマホの画面を熱心に見ながら目的の商品を探す中国人観光客が殺到している。
中国人旅行客の乗る観光バスが多くとまる歌舞伎町・靖国通り付近のドラッグストアはもちろん、その光景は新宿西口の繁華街のストアにまで広がっており、多くの店で「中国語話せます」を意味する腕章をつけたスタッフがあちこちに忙しく動く姿が見られた。
購入商品内容は、薬類、消炎鎮痛剤、液体絆創膏、のど飴、高機能マスク、栄養ドリンク、サプリメント、化粧品(化粧水、乳液)、シャンプー、トリートメント、紙オムツ、粉ミルク、白髪染め剤、歯磨き粉、離乳食、携帯カイロ、生理用品、ストッキング、アイマスク、温泉の素など。
新宿歌舞伎町などではじまっている“中国化”は、観光地としては当然なすべきことなのかもしれない。
家電、日用品に次ぐ「爆買い品」とは
ギリシャの債務危機をきっかけにした世界同時株安の余波で、上海など中国の株式市場は6月からの1カ月で株価が3割も急落。さらに、中国は8月11日から3日連続で人民元の為替レートの基準値を引き下げた。
この人民元ショックの影響で、東京の株式市場では、輸出が減ると懸念された自動車や機械、資源関連株のほか、化粧品や百貨店、家電量販店など“爆買い銘柄”も一瞬値を下げた。
しかし、上記で述べたように、中国爆買いは変わっていないように思える。
「中国の株価はいままでが上がり過ぎで、それが正常に戻っただけ。日本に影響はない」と語っている株式専門家もいる。
東京の不動産市場への影響はどうか?
爆買いとまではいかないものの、中国人富裕層の都心の不動産購入はいまも続いている。
東京は今も不動産購入を希望する中国人の新たな選択肢になりつつある。
ある中国の富豪が今年8月、東京の超高級住宅を購入したことで話題になった。富豪が買ったのは赤坂の住宅2軒。合わせて13億7000万円だった。東京では04年以来最高額で、中国人の「爆買い」が春節(旧正月)以降続いていることを証明する形となった。
なぜ中国人は日本の不動産を所有するのか?
自分の国の政治や経済をまったく信用していない中国富裕層は、資産を海外に持ち出したくて仕方ない。
ついでに、本人や家族も国外に出たいと思っている。ということで、日本の土地を売却しても、カネを中国に持って帰るわけにもいかない。 日本の不動産を購入する中国人は富裕層が中心だったが、現在では中流層が増えている。ある上海の投資家は、移民、留学、投資の3つが海外不動産投資の主な目的だと指摘している。
背景にある要因の一つ、5年後の東京五輪だ。オリンピック会場としての開発が予定される東京湾岸沿いには、中国を含むアジアからキャピタルゲイン狙いの熱い期待が注がれている。
上海など中国の不動産の割高感から、中国・台湾の富裕層を中心として投資が増加しつつある。
富裕層の訪日は今後も確実に増え続けるだろう。焦点は中間層の動向で、為替次第の面もあります。ただし、いまぐらいの為替相場が続くのなら、日本に来る中国人観光客は高水準を維持すると考える。
【インバウンド消費】「爆買い銘柄」
【注目銘柄】
参天製薬(4536)東証1部
株価1,965円(12月01日現在) 「神薬」として紹介されている。参天製薬の目薬「サンテ ボーティエ」 中国にはパッケージに力を入れている目薬はあまりないので珍しいらしい。 中国で普及途上の医薬品。中国人からのリピート買い商品として注目。
小林製薬(4967)東証1部
株価9,980円(12月01日現在) 「神薬」として紹介されている。中国人観光客らの「爆買い」などで、2015年4〜6月期の売り上げが前年同期と比べて5倍超に膨らんだことを明らかにした。 液体絆創膏の「サカムケア」の売り上げが5.43倍に増えたほか、「ニノキュア」は52%増、「熱さまシート」は37%増となった。
消費財関連
TOTO(5332)
温水洗浄便座ウォシュレットを爆買いする中国人が急増。これからも売れて行く勢い。
百貨店各社
春節の爆買いぶりはテレビニュースでもおなじみ。どの百貨店が伸びているかもう数字は出ている。
家電量販店
ラオックス(8202)、ヨドバシカメラやビックカメラ(3048)
ツアーで来る中国人観光客が必ずと言っていいほど立ち寄る場所。中国語サービスが整っています。
ドラッグストアや日用雑貨
ドンキホーテ(7532)、マツモトキヨシ(3088)など
もはや観光地と言っていいほどの買物スポット。圧倒的な品揃えの豊富さに外国人観光客の爆買いが止まりません。
化粧品メーカー
資生堂(4911)やコーセー(4922)、ファンケル(4921)など。口コミで人気のある化粧品メーカー。
貸切バスを運営している会社
バスを日本で最も多く保有しているのは、神奈川中央交通(9081)と西日本鉄道(9031)です。
ホテルやデパートなどの事業を併営する鉄道関連会社にも注目
ホテルチェーン店 中国人たちは日本のどこかに宿泊しています。富裕層は高級なホテルに泊まっています。
東日本旅客鉄道 (9020) 、西日本旅客鉄道 (9021) 、東海旅客鉄道 (9022) などをはじめ、鉄道関連会社の多くはホテルやデパートなど、本業以外にも幅広く事業展開。
浅草や東京スカイツリーなどの観光地周辺に事業を展開する東武鉄道 (9001) 、全国展開の「サンルートホテル」を子会社化した相鉄HD (9003) 、ホテルや小売業など幅広く事業運営する東京急行電鉄 (9005) 、京浜急行電鉄 (9006) 、富士急行 (9010) 、西日本鉄道 (9031) 、近鉄グループHD (9041) 、南海電気鉄道 (9044) 、京阪電気鉄道 (9045) 、名古屋鉄道 (9048)など。
日本の不動産を購入する外国人の増加を背景に中古不動産を買い取り、リノベーションを加え再販売するビジネスモデル企業。
ムゲンエステート(3299)、スターマイカ(3230)、インテリックス(8940)、フジ住宅(8860)等
旅館を中心に投資する星野リゾート・リート投資法人 (3287) や、ホテル特化型のジャパン・ホテル・リート投資法人 (8985) といったJ-REITにも注視が必要だ。