企業選びの重要指標「離職率」共通する特徴
企業選びの重要指標「離職率」共通する特徴
良い企業を見極めるための重要ポイントの一つに離職率があります。
今回のテーマは、離職率の共通する特徴についてみていきたい。
離職率の高い会社はブラック企業だけかと思われるかもしれない。
しかし、そうともかぎらない。
ブラック企業じゃなくても注意すべき、離職率が高い会社に共通する特徴を紹介しよう。
新入社員の平均離職率は3年以内に全体の「3割」
また、中卒新卒者の3年以内の平均離職率は7割。高卒新卒者の3年以内の平均離職率は5割とさらに高くなっており、新入社員の平均離職率の総称を『七五三』と呼んだりもする。
離職率(りしょくりつ)は、ある時点で仕事に就いていた労働者のうち、一定の期間(たとえば、ひと月、ないし、1年なり3年)のうちに、どれくらいがその仕事を離れたかを比率として表わす指標。この値が極端に高ければ、労働者がその仕事に定着しにくく、入れ替わっていくことが常態化していることが含意され、逆に極端に低ければ、労働者がその仕事に定着し、転職や産業間の労働力移動が行なわれにくくなっていることが示唆される。
(引用: Wikipedia)
(引用: Wikipedia)
どうして新入社員の離職率は高い?その退職理由とは
これを知っておけば離職率を下げる対策が取れるかもしれない。
ある企業が、3年以内に離職した新卒社員の退職理由の調査を行い、その結果以下のような理由がベスト3となった。
1位:給与に不満
新入社員において1番多い退職理由
給与については知っていてもいざ働きだすと、仕事内容に給与が見合っていないと感じる人が多いようだ。
2位:仕事上のストレスが大きい。
新入社員は理想でいっぱい。やりたい仕事に就けても、いざ働きだしてみると好きだけでは上手くいかないと感じて、仕事に対してのギャップを感じる人が多くいる。
3位:会社の安定性や将来性に期待がもてない。
新入社員だと将来への不安もありますよね。仕事を始めると、世界が広がったことにより視野が広がるため見たくないところまで見えていくる。
ランキング参照:キャリアパーク
上記の理由を見ていくと、思い描いていた会社像とのギャップに悩む新卒が多くいることがわかる。
新入社員の離職率が高い業界・低い業界はあるのか
厚生労働省では、昨年10月に平成27年「就労条件総合調査」の結果公表した。
多くの項目で「宿泊業、飲食サービス業」がワースト1位となっているのだ。
労働時間の長さも休みの少なさも「ワースト1位」
まず目に付くのは「週所定労働時間」の長さ。
全企業の平均は39時間26分だが、「宿泊業、飲食サービス業」は40時間17分と最も長く、唯一の40時間超えとなっている。
労働時間が長いにもかかわらず、勤務日数も多い。年間休日総数の平均が107.5日のところ、95.3日とここでもワーストに。平均よりも12日少なく、休日が120日超えの「情報通信業」や「金融業、保険業」と比べると25日近い差が開く。
有給休暇の取得率もワースト1位。
平均が47.6%のところ32.2%しか消化できていない。さらには所定内賃金が「生活関連サービス業・娯楽業」の25万6077円に次ぐ25万7528円でワースト2位。最下位との差は、1500円足らずでしかない。
こういった労働環境のせいか、2014年の1年間の離職率の中で「宿泊業、飲食サービス業」は31.4%と最も高い。新卒学生の離職率はさらに深刻で、2011年3月に卒業した学生のうち3年以内に離職してしまった人の割合は52.3%にのぼったという。
低かった「金融業・保険業」や「情報通信業」など。専門性が高い業界の方が、辞める人は少ないということなのだろうか。
エアラインのキャビンアテンダント。もちろん、今も変わらず、競争率が数十倍〜100倍以上の人気職種であるので、苦労して勝ち抜いて入社した会社を簡単に離れる事は無い。
また、飲食店ではコロコロと人が変わる印象が強いが、これは事実のようだ。
ちょっとした風評で顧客の数が激しく増減する世界は、精神的な負担が大きいためか、離職率が高いということなのかもしれない。
※2:平成25年度3月卒については就業2年後、平成26年度3月卒については就業1年後の離職率を記載している。
業種別 3年離職率(平成23年)
業種 | 離職率 |
宿泊・飲食サービス | 52.3% |
生活関連ササービス・娯楽 | 48.6% |
教育・学習支援 | 48.5% |
鉱業、採石業 | 7.0% |
建設業 | 29.2% |
製造業 | 18.7% |
電気・ガス・水道 | 10.6% |
情報通信 | 24.8% |
運輸・郵便 | 24.3% |
卸売 | 28.9% |
小売業 | 39.4% |
金融・保険 | 20.9% |
不動産 | 38.2% |
専門・技術サービス | 33.5% |
医療・福祉 | 38.8% |
複合サービス | 19.5% |
その他サービス業 | 71.1% |
飲食業界は、ブラック企業が多いと言われる
複数の飲食企業で、社員の過労自殺や理不尽な退職勧奨など、労働環境の劣悪な会社(ブラック企業)として話題を集めている。
厳しい口調での罵倒や長時間の残業、休日出勤、それでいて残業代や休出手当がつかないなど、 飲食企業は違法行為のデパートとなっている。
すべての飲食企業がブラック企業とは限らないが、ブラック率は高い。
まず、共通する特徴は、長時間労働、低賃金、大量採用がある。
労働集約的な会社が多く、人手を多く必要している。だから、入社は比較的容易なのだ。
社員は、入社後に厳しいノルマ、長時間労働、サービス残業、低賃金に苦しめられる。
理不尽で、不可解な人事がおこなわれ、社員を傷つける暴言を吐かれることもあり、うつ病になったり、肉体・精神ともに疲弊してしまうのだ。
最終的に、社員は自主退社に追い込まれてしまって離職率が高くなっている。
ブラック企業ではない場合
企業の良し悪しは、企業や周りの人が決めるのではなく、あくまで自らがその企業のやり方に納得いくのか、いかないのかで決めるべきだろう。会社の目利きになったつもりでしっかりと見極めてほしい。