年収格差で見えてくる「ブラックな実態」
年収格差で見えてくる「ブラックな実態」
今の自分の年収が世の中では多い方なのか少ない方なのか、どれくらいのレベルなのか気になるところですよね。
平均年収を調べてみたら、年収に大きな差が出ていたなどという経験はありますよね?
「自分の年収は平均より多い」ときは、やたらと安心したり、逆に「自分の年収は平均より少ない」ことがわかり、落ち込んだりしていませんか。
今回は、「年収格差」という観点から、見えてくることをとりあげたいと思います。
下記のランキングを見ると最も平均年収が良かった業種は保険業です。平均年収は約840万円です。
その他、上位には証券、銀行など金融業や医薬品業などが入っています。
下位は小売業やサービス業などがランクインし対象企業数も多いです。最下位は小売業で約477万円でした。
■上場企業 業種別 年収ランキング
上位の金融系の業種では、デスクワークの職種が多いようです。
逆に小売業やサービス業は、実際の店舗などで働く職種が多いです。
ちなみに、金融系の業種の職種の中でも、投資銀行業務は平均年収が600万円〜800万円とトップクラスでした。
業界や会社を選ぶのに収入の高さのみで判断されることはあまりおすすめできません。
その業界の構造的な仕組みを十分に理解しておく必要があります。
従業員の仕事量やスキルに差がなくても収入に差があるのは事実です。
年収の差が、発奮材料になって「もっと仕事をがんばろう」と思えればいいのですが・・・
中にはその平均年収が気になって、仕事に対するモチベーションがダウンしたり、もっと稼げる業種に移ろうと思って、無理な転職をして後悔してしまう方もいます。
仕事先を探すのに、年収とか給与は非常に大事なことですが、それにとらわれすぎてしまってもいけませんね。
女性では、情報通信業(313.7千円)が最も高く、宿泊業,飲食サービス業(196.2千円)が最も低くなっています。
賃金カーブをみると、男性では、金融業,保険業は50〜54歳で賃金がピークとなり、その
後大きく下降しています。
また、宿泊業,飲食サービス業及びサービス業(他に分類されないもの)は賃金カーブが緩やかとなっていることがわかります。
女性では、教育,学習支援業及び金融業,保険業は、年齢階級が高くなるとともにおおむね賃金も上昇していますが、製造業、宿泊業,飲食サービス業、医療,福祉及びサービス業(他に分類されないもの)は賃金カーブが緩やかとなっていると調査概要に書かれています。
サービス業(生活関連)などピーク時でも平均年収が約300万円と高収入が見込めないのが現状です。
この年代(40歳〜44歳)は、子育てにお金がかかる時期です。収入のピーク時と出費のかさむ時期が重なることで、貯蓄が大変なります。
この業種は、離職率が高い業種として上位に入っています。離職率が高いことも、収入が増えない要因の一つです。
ある大学教授は「社会に出て最初の3−5年で、適職観、自己肯定感が形成されるか否かで、その後の職歴や職業人生への満足度、生涯の収入に及ぼす影響は大きく、実態として若者の新卒早期離職が多いということは、長期的に見てそのような企業は社会に負の効果を排出している」と言っています。
「せっかく苦しい思いをして内定をもらい、就職した企業を何故3年以内に辞めてしまうのか?」という疑問もあるでしょう。
働き初めてすぐに「その仕事・会社が自分に向いていない」ことを気づいたからでしょう。
「我慢が足りない」、「知識が足りない」 など実力が一定のラインに達していない理由も挙げられます。
一番の理由は、「仕事がきつい」、「仕事が面白くない」
それによって、「仕事を続けられるかどうかの不安」になるからです。
この理由で辞めてしまう人はかなりいます。
飲食業などのサービス業は、新入社員から現場の第一線に駆り出されることが多く、ストレス負荷も高いといわれています。
基本的に、仕事にやりがいがあれば、厳しい労働条件にも耐えられるでしょう。
しかし、そういったサービス業界は、単純作業であるがゆえ 「誰でもいい」、「君の代わりはいくらでもいるんだよ」 といった状況になり、雇用者の扱いや解雇にもあまり躊躇がありません。
企業側からすれば、できない人をやめさせて、新しくできる人を雇えばいい、という選択肢が手に入る訳です。
採用しては教育し、すぐ退職。また採用する。
こんな事を繰り返しでは、何年経ってもベテラン社員はでてきません。
その結果、ノウハウの無い経験の浅い人材ばかりで構成されてしまうのです。
そのやり方がいつしかブラック企業と呼ばれるようになっているのでしょう。
投資経験のある方は、「流動性」が資産価値に直結していることをよく理解されています。
資産の「流動性」とは、その資産がいつでも市場で換金しやすいかの度合いです。
いつでも手放せるからこそ、その資産を買い、安心して持つことが出来ます。
社員を資産と見ると、「流動性」が低いから、社員の価値が低い、ということがわかります。
社員を安く調達し、安い給料や悪い待遇で働かせつづけることができるし、またそうしないと割に合わない面があります。
価格が決まるということは、そのものを深く知ろうとしなくなり、育てなくなる、ということにも繋がります。
企業側は、いつでも解雇できる代わりに、より良い雇用条件でなければ、社員を働かせ続けることができなくなるでしょう。
働く側から見て、職を選ぶ余地が大きく増すのだから、これは当然のことです。
「お前の代わりは他にいないよ!」という人材に育てることが、企業側の務めなのではないでしょうか?
有能な人材を採用するだけではなく、有能な人材に「育てる」企業こそが生き残るのではないでしょうか。
人材は大事に育てましょう。
現状は労働時間や労働規制などのハードルも高く、そのシナリオは進捗していない状況です。こうした事情もあって、有効求人倍率は今後もバブル期並みの高値推移が予想されています。
高水準の求人需要を背景に、人材関連ビジネスを手掛ける企業への追い風が強まっていることはいうまでもありません。
技術者に特化したノウハウを持つ企業のビジネスチャンスを広げているのです。
[2154] トラスト・テック
株価 :1,757円(2月23日終値)
市場 :東証1部
単元株数:100株
会社概要:製造業向けの技術者派遣会社。自動車関連や電機メーカー向けに強み。上流の開発・設計から下流の製造・流通まで、一気通貫の人材サービスを提供している。
[2427] アウトソーシング
株価 :3,705円(2月23日終値)
市場 :東証1部
単元株数:100株
会社概要:工場製造ラインへの人材派遣・請負。研究開発受託も。拠点を全国展開。メーカーの期間工を派遣社員として採用するPEO(習熟者派遣組織)が好調。
[3918] PCIホールディングス
株価 :2,851円(2月23日終値)
市場 :東証マザーズ
単元株数:100株
会社概要:自動車や重機・建機などに組み込むソフト開発を手掛ける。熊本大分地震で影響を受けた地域の移動支援のため、Amanekスタジオモニターの一部機能を閲覧できるサイトを試験的に立ち上げた。
平均年収を調べてみたら、年収に大きな差が出ていたなどという経験はありますよね?
「自分の年収は平均より多い」ときは、やたらと安心したり、逆に「自分の年収は平均より少ない」ことがわかり、落ち込んだりしていませんか。
今回は、「年収格差」という観点から、見えてくることをとりあげたいと思います。
平均年収が高い業種は?
その他、上位には証券、銀行など金融業や医薬品業などが入っています。
下位は小売業やサービス業などがランクインし対象企業数も多いです。最下位は小売業で約477万円でした。
■上場企業 業種別 年収ランキング
順位 | 業種 | 会社数 | 平均年収 |
1位 | 保険業 | 11社 | 840万2335円 |
2位 | 石油・石炭製品 | 13社 | 788万3698円 |
3位 | 鉱業 | 6社 | 782万8949円 |
4位 | 海運業 | 15社 | 754万2364円 |
5位 | 医薬品 | 60社 | 711万9377円 |
6位 | 電気・ガス業 | 23社 | 694万2381円 |
7位 | 証券、商品先物取引業 | 39社 | 678万5953円 |
8位 | 銀行業 | 92社 | 655万4869円 |
9位 | その他金融業 | 32社 | 640万5190円 |
10位 | 建設業 | 173社 | 620万1839円 |
25位 | 陸運業 | 62社 | 561万6420円 |
26位 | パルプ・紙 | 26社 | 552万4263円 |
27位 | ガラス・土石製品 | 61社 | 549万0197円 |
28位 | 金属製品 | 92社 | 546万1101円 |
29位 | 繊維製品 | 56社 | 535万6583円 |
30位 | その他製品 | 108社 | 528万1368円 |
31位 | サービス業 | 345社 | 524万4254円 |
32位 | 水産・農林業 | 11社 | 503万6737円 |
33位 | 小売業 | 343社 | 477万8774円 |
平成25年度有価証券報告書より上場企業の年収データ算出
上位の金融系の業種では、デスクワークの職種が多いようです。
逆に小売業やサービス業は、実際の店舗などで働く職種が多いです。
ちなみに、金融系の業種の職種の中でも、投資銀行業務は平均年収が600万円〜800万円とトップクラスでした。
業界や会社を選ぶのに収入の高さのみで判断されることはあまりおすすめできません。
その業界の構造的な仕組みを十分に理解しておく必要があります。
従業員の仕事量やスキルに差がなくても収入に差があるのは事実です。
中にはその平均年収が気になって、仕事に対するモチベーションがダウンしたり、もっと稼げる業種に移ろうと思って、無理な転職をして後悔してしまう方もいます。
仕事先を探すのに、年収とか給与は非常に大事なことですが、それにとらわれすぎてしまってもいけませんね。
産業別に見る賃金構造データ
厚生労働省が発表した平成 27 年産業別に見る賃金構造データを見ると、
厚生労働省:平成 27 年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省:平成 27 年賃金構造基本統計調査の概況
男性では、金融業,保険業(482.3千円)が最も高く、次いで教育,学習支援業(442.2千円)となり、宿泊業,飲食サービス業(270.0千円)が最も低くなっています。女性では、情報通信業(313.7千円)が最も高く、宿泊業,飲食サービス業(196.2千円)が最も低くなっています。
賃金カーブをみると、男性では、金融業,保険業は50〜54歳で賃金がピークとなり、その
後大きく下降しています。
また、宿泊業,飲食サービス業及びサービス業(他に分類されないもの)は賃金カーブが緩やかとなっていることがわかります。
女性では、教育,学習支援業及び金融業,保険業は、年齢階級が高くなるとともにおおむね賃金も上昇していますが、製造業、宿泊業,飲食サービス業、医療,福祉及びサービス業(他に分類されないもの)は賃金カーブが緩やかとなっていると調査概要に書かれています。
サービス業(生活関連)などピーク時でも平均年収が約300万円と高収入が見込めないのが現状です。
この年代(40歳〜44歳)は、子育てにお金がかかる時期です。収入のピーク時と出費のかさむ時期が重なることで、貯蓄が大変なります。
この業種は、離職率が高い業種として上位に入っています。離職率が高いことも、収入が増えない要因の一つです。
離職率が高い業種
早期離職率が高いということは、いわゆる「ブラック企業」問題にも結びついているのでしょう。
厚生労働省:平成26年 産業別の入職と離職
厚生労働省が公開している、産業分類別卒業3年後の離職率の推移のデータを見れば、その大きな格差は明らかなのです。ある大学教授は「社会に出て最初の3−5年で、適職観、自己肯定感が形成されるか否かで、その後の職歴や職業人生への満足度、生涯の収入に及ぼす影響は大きく、実態として若者の新卒早期離職が多いということは、長期的に見てそのような企業は社会に負の効果を排出している」と言っています。
厚生労働省:平成 27 年賃金構造基本統計調査の概況
働き初めてすぐに「その仕事・会社が自分に向いていない」ことを気づいたからでしょう。
「我慢が足りない」、「知識が足りない」 など実力が一定のラインに達していない理由も挙げられます。
一番の理由は、「仕事がきつい」、「仕事が面白くない」
それによって、「仕事を続けられるかどうかの不安」になるからです。
この理由で辞めてしまう人はかなりいます。
飲食業などのサービス業は、新入社員から現場の第一線に駆り出されることが多く、ストレス負荷も高いといわれています。
基本的に、仕事にやりがいがあれば、厳しい労働条件にも耐えられるでしょう。
企業側からすれば、できない人をやめさせて、新しくできる人を雇えばいい、という選択肢が手に入る訳です。
採用しては教育し、すぐ退職。また採用する。
こんな事を繰り返しでは、何年経ってもベテラン社員はでてきません。
その結果、ノウハウの無い経験の浅い人材ばかりで構成されてしまうのです。
そのやり方がいつしかブラック企業と呼ばれるようになっているのでしょう。
育てる企業が生き残る。
労働力も人的資本と呼ばれるように資本の一つということはご存知だと思います。
投資経験のある方は、「流動性」が資産価値に直結していることをよく理解されています。
資産の「流動性」とは、その資産がいつでも市場で換金しやすいかの度合いです。
いつでも手放せるからこそ、その資産を買い、安心して持つことが出来ます。
社員を資産と見ると、「流動性」が低いから、社員の価値が低い、ということがわかります。
社員を安く調達し、安い給料や悪い待遇で働かせつづけることができるし、またそうしないと割に合わない面があります。
価格が決まるということは、そのものを深く知ろうとしなくなり、育てなくなる、ということにも繋がります。
企業側は、いつでも解雇できる代わりに、より良い雇用条件でなければ、社員を働かせ続けることができなくなるでしょう。
働く側から見て、職を選ぶ余地が大きく増すのだから、これは当然のことです。
「お前の代わりは他にいないよ!」という人材に育てることが、企業側の務めなのではないでしょうか?
有能な人材を採用するだけではなく、有能な人材に「育てる」企業こそが生き残るのではないでしょうか。
人材は大事に育てましょう。
人材関連ビジネス銘柄
安倍政権は「一億総活躍社会」を掲げ、慢性的な人材不足に対応しています。
現状は労働時間や労働規制などのハードルも高く、そのシナリオは進捗していない状況です。こうした事情もあって、有効求人倍率は今後もバブル期並みの高値推移が予想されています。
高水準の求人需要を背景に、人材関連ビジネスを手掛ける企業への追い風が強まっていることはいうまでもありません。
技術者に特化したノウハウを持つ企業のビジネスチャンスを広げているのです。
[2154] トラスト・テック
株価 :1,757円(2月23日終値)
市場 :東証1部
単元株数:100株
会社概要:製造業向けの技術者派遣会社。自動車関連や電機メーカー向けに強み。上流の開発・設計から下流の製造・流通まで、一気通貫の人材サービスを提供している。
[2427] アウトソーシング
株価 :3,705円(2月23日終値)
市場 :東証1部
単元株数:100株
会社概要:工場製造ラインへの人材派遣・請負。研究開発受託も。拠点を全国展開。メーカーの期間工を派遣社員として採用するPEO(習熟者派遣組織)が好調。
[3918] PCIホールディングス
株価 :2,851円(2月23日終値)
市場 :東証マザーズ
単元株数:100株
会社概要:自動車や重機・建機などに組み込むソフト開発を手掛ける。熊本大分地震で影響を受けた地域の移動支援のため、Amanekスタジオモニターの一部機能を閲覧できるサイトを試験的に立ち上げた。