日本人の死亡原因の1位はガン（悪性新生物）、2位が心臓病（心疾患）、3位が肺炎、そして4位は脳卒中（脳血管疾患）です。このうち心臓病と脳卒中は、いずれも血管に障害の起こる病気で、高血圧がもっとも重要な危険因子といわれています。

国民の約２人に1人が高血圧症で、まさに国民病といってもよいかもしれません。この病気は、自覚症状もなく進行し、ある日突然、病気を引き起こします。

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血圧の基準として広く採用されているのが、WHO（世界保健機関）/ISH（国際高血圧学会）、米国高血圧合同委員会による分類です。日本では、2014年4月に改訂された日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン2014」が基準となっています。ガイドラインによると、診察室で測定した血圧（病院・診療所等で医師・看護師により測定された血圧）が140/90mmHg以上、家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上を、「高血圧」としています。

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」より

そんな身近で怖い高血圧症を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
日頃から自分の血圧が高いと感じている方は食生活を見直すことは重要です。
血圧を下げるために食べ物を選ぶことも大切と言えるでしょう。
健康診断などで高血圧に引っからないためにも、血圧を下げる食べ物を今回は、前編・後編で紹介します。
まずは前編での食べ物を紹介しましょう！

■緑茶 緑茶には、他をよせつけないほどの強力な化合物と抗酸化物質が非常に豊富に含まれています。
お茶（特に緑茶）が有益なのは、ポリフェノールを含むからです。緑茶に含まれるカテキンというポリフェノールは、血流と血圧を改善することがわかっています。
日常的に緑茶を飲む人が心臓血管の病気に最大３１％かかりにくいそうです。

■グリーンコーヒー コーヒー豆は普通緑色ですが、煎ることで茶色くなります。本当は、グリーンコーヒーとは未焙煎のコーヒーにすぎないのです。
クロロゲン酸は、グリーンコーヒーに一層の健康的利点を与えてくれる成分です。
いつものコーヒーをグリーンコーヒーに変え、一ヶ月後に血圧の変化がないか調べてみると良いでしょう

■にんにく にんにくの最たる成分は、特有のにおいの元であるアリシンが有効成分です。
アリシンには抗酸化作用があり、血中のコレステロールを分解し、血液をさらさらにする効果があります。また、血管を拡張して血圧を調整し、血管壁の老化を防いで動脈硬化を予防します。
にんにくを摂ることで高まった血圧が顕著に下がることは、いくつもの研究で証明されています。

■ビタミンK2 ビタミンK2はカルシウムが体内で使い尽くされるように調整してくれます。カルシウムが骨に入るよう助け、血管から取り除いてくれます。カルシウムが血管に入ると、動脈壁硬化や石灰沈着などの問題が起こり得るからです。

乳製品は、ビタミンK2の王様的存在です。バター、チーズ、脂肪分無調整ヨーグルトがそこには含まれます。
納豆、味噌といった発酵食品もビタミンK2の良い摂取源となります。
その中で納豆は世界中で最も多くのビタミンK2が含まれている食品です。

■ケール 「スーパーフード」である数少ない食べ物の一つです。
ほうれん草同様、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、病気の予防に繋がる他の化合物が豊富に含まれています。
ケールはマグネシウム、カリウム、ビタミンCを豊富に含みます。カリウムが多い食べ物は、血圧を下げるのに非常に効果的です。

■ビーツの根 ビーツの根は日本ではあまり馴染みがないと思うので、他の食品でいうと、ゴマ、玄米、落花生、イクラ、タラコ、海藻などにも体内で一酸化窒素の産生を高める、アルギニンというアミノ酸が入っています。

この続きは、後編で紹介いたします。
食べるだけで血圧が下がるのであれば、是非普段の食生活に取り入れたいと思いますよね。
また、高血圧を予防するには、定期的な運動を心掛けたり、十分な睡眠も必要です。ストレスを溜め込まないなどといった生活習慣の改善をすることも重要です。