ヤマト運輸が値上げで、宅配便業界の「救世主」
ヤマト運輸が値上げで、宅配便業界の「救世主」
宅配便最大手のヤマト運輸が、宅配便の基本運賃を27年ぶりに引き上げる報道があった。
ヤマトは宅配便で約5割のシェアを握る最大手。
対象は個人を含む全顧客で、アマゾンジャパンなどの大口顧客との交渉にも入ったとのことだ。2013年までは物流2位の佐川急便がアマゾンの宅配を担ってきたわけだが、佐川急便が2013年にアマゾンから撤退し、その後ヤマト運輸がほぼ一手に引き受けてきた。
料金交渉は、法人の大口顧客とは毎年交渉しており、一度合意したものを変更することは容易ではないそうだ。特にアマゾンジャパンは厳しい交渉相手になる。
料金改定は、早くて今年の夏か秋といったところに落ち着くのではないかとのことだ。
サービスの維持のためには料金改定そのものは不可避の状態。
その理由は、インターネット通販の普及による荷物量の増加や人手不足問題など、宅配便業界を取り巻く環境は激変しているからだ。
そのなかで最大の問題は、再配達の増加にあると言う。
配達日に受取人が不在でも文句は言えない。当日の再配達依頼が多くなると、その日の荷物量が確定できず配達の見通しも立てにくい。
ドライバーは宅配時に受取人が不在でそして受取人はだいたい夜に帰宅してから再配達の電話をかけてくるから「夜の仕事がいつまでたっても終わらない」というドライバーの声もある。
荷物量における再配達の割合は年々増え続けており、現在約2割だそうだ。年間9万人が再配達のために稼働しているという。
配達員の長時間労働の一因でもあり、人手不足問題とともに働き方改革の観点から見直しが迫られており、ビジネスモデル自体を考え直すべき時期に突入しているのだろう。
ここで驚いたのが株式市場では、物流関連銘柄、アマゾン関連銘柄に投資家の関心が向かった。
まったく株価に動きがなかった、遠州トラック(9057)である。
会社四季報オンラインには、アマゾン向け注力と書いてある。
さらに、ファイズ<9325>だ。
3月16日に新規上場で公開価格1,250円に対し3.2倍となる4,010円で初値をつけた。
主要顧客がアマゾンジャパンで、EC(電子商取引)運営企業の物流センターの管理・こん包等から配送まで業務を請け負う事業を展開している。売上の7割弱を占めるとみられているもよう。
ヤマト運輸と足並みをそろえて値上げに踏み切るだろう。
再配達では、4月24日から再配達受付の締切時刻を20時から19時に早めることが決まっている。
配達時間帯の指定枠も従業員の昼食休憩を取りやすくするため「正午から14時」を廃止。「20時から21時」は1時間しかなく配送が集中するため、「19時から21時」へと枠を拡大するらしい。従業員の働き方改革だろう。
ここで注目されるのが、宅配サービスの効率化を急ぐため、消費者の利便性を確保するために宅配ロッカーの設置を加速すると言う。
宅配業者が配達先を訪問したが不在だった時に、荷物を預けておけるロッカー型設備のこと。近年建てられたマンションなどには標準設備としているところが多いが、最近では、駅やコンビニエンスストア、ショッピングセンター、スーパーなどに設置されるケースが増えている。
4月から国による補助金制度もスタート、補助金の活用により、宅配ロッカーの設置は今後ますます加速していくことが予想される。
株式市場でも、宅配便業界が疲弊すると消費者の利便性低下にもつながるとされ宅配ロッカー(宅配ボックス)関連株が人気化している。
宅配ボックス関連銘柄とは、その名の通り宅配ボックスの製造・サービスを手掛ける銘柄の総称だ。
アルファコーポレーション<3434>だ、7日間株価が連続高したりしている。グループ会社が小田急電鉄 <9007> 新宿駅に設置してあるICカード対応コインロッカーを商品受け取りサービスに対応させており、両社とも注目されている。
配達員が荷物や台車を何度も放り投げる様子を捉えた動画がさまざまなメディアで取り上げられ、問題の深刻化が浮き彫りにされた。
この事態を解決する救世主として注目されているのが、宅配ロッカー(宅配ボックス)関連となっているようだ。
料金値上げでサービス低下、深刻な社会インフラ問題を株価に反映させた格好となっている。
宅配サービス(宅配ボックス)を使う側も便利だが、結果的に宅配業界全体の助けにもなるかもしれない。今後も注目されるテーマなのだろう。
ヤマトは宅配便で約5割のシェアを握る最大手。
対象は個人を含む全顧客で、アマゾンジャパンなどの大口顧客との交渉にも入ったとのことだ。2013年までは物流2位の佐川急便がアマゾンの宅配を担ってきたわけだが、佐川急便が2013年にアマゾンから撤退し、その後ヤマト運輸がほぼ一手に引き受けてきた。
料金交渉は、法人の大口顧客とは毎年交渉しており、一度合意したものを変更することは容易ではないそうだ。特にアマゾンジャパンは厳しい交渉相手になる。
サービスの維持のためには料金改定そのものは不可避の状態。
その理由は、インターネット通販の普及による荷物量の増加や人手不足問題など、宅配便業界を取り巻く環境は激変しているからだ。
そのなかで最大の問題は、再配達の増加にあると言う。
ドライバーは宅配時に受取人が不在でそして受取人はだいたい夜に帰宅してから再配達の電話をかけてくるから「夜の仕事がいつまでたっても終わらない」というドライバーの声もある。
荷物量における再配達の割合は年々増え続けており、現在約2割だそうだ。年間9万人が再配達のために稼働しているという。
配達員の長時間労働の一因でもあり、人手不足問題とともに働き方改革の観点から見直しが迫られており、ビジネスモデル自体を考え直すべき時期に突入しているのだろう。
会社四季報オンラインには、アマゾン向け注力と書いてある。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
東海地方を中心に全国展開する総合物流会社だが、アマゾンを取引先としていることから、ヤマトの撤退による受注増への期待が高まっているようだ。さらに、ファイズ<9325>だ。
3月16日に新規上場で公開価格1,250円に対し3.2倍となる4,010円で初値をつけた。
主要顧客がアマゾンジャパンで、EC(電子商取引)運営企業の物流センターの管理・こん包等から配送まで業務を請け負う事業を展開している。売上の7割弱を占めるとみられているもよう。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
アマゾン側は、日本郵政<6178>傘下の日本郵便などへの委託量を増やすことで対応するもよう。日本郵便も「宅配料金値上げ要請を検討」と報道もあった。アマゾンジャパンなどのインターネット通販大手に対し運賃引き上げ要求なども行っており、採算性の向上に期待した買いも入った。チャート出典:ストックウェザー株式会社
再配達の負担増や人手不足といった課題は、佐川急便などの同業他社も同様だ。ヤマト運輸と足並みをそろえて値上げに踏み切るだろう。
再配達では、4月24日から再配達受付の締切時刻を20時から19時に早めることが決まっている。
ここで注目されるのが、宅配サービスの効率化を急ぐため、消費者の利便性を確保するために宅配ロッカーの設置を加速すると言う。
画像出典:クロネコヤマト 報道発表資料より
ネット通販の需要が大きい首都圏の1都3県に集中して設置を進める。22年に全国で5000カ所としていた目標の前倒し達成を目指すそうだ。宅配業者が配達先を訪問したが不在だった時に、荷物を預けておけるロッカー型設備のこと。近年建てられたマンションなどには標準設備としているところが多いが、最近では、駅やコンビニエンスストア、ショッピングセンター、スーパーなどに設置されるケースが増えている。
4月から国による補助金制度もスタート、補助金の活用により、宅配ロッカーの設置は今後ますます加速していくことが予想される。
宅配ボックス関連銘柄とは、その名の通り宅配ボックスの製造・サービスを手掛ける銘柄の総称だ。
アルファコーポレーション<3434>だ、7日間株価が連続高したりしている。グループ会社が小田急電鉄 <9007> 新宿駅に設置してあるICカード対応コインロッカーを商品受け取りサービスに対応させており、両社とも注目されている。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
ダイケン<5900>も宅配ボックスの製造、販売を行っている。また、日本アイ・エス・ケイ<7986>も金庫だけでなくロッカーを手がけるため連想買いされている。この事態を解決する救世主として注目されているのが、宅配ロッカー(宅配ボックス)関連となっているようだ。
料金値上げでサービス低下、深刻な社会インフラ問題を株価に反映させた格好となっている。
宅配サービス(宅配ボックス)を使う側も便利だが、結果的に宅配業界全体の助けにもなるかもしれない。今後も注目されるテーマなのだろう。
宅配サービス(ボックス)関連銘柄
ミサワホーム | 1722 | 業界初「玄関一体型宅配ボックス」を開発 |
大和ハウス工業 | 1925 | 日本郵便などと共同開発した宅配ボックス付きの戸建て住宅 |
神栄 | 3004 | マンション向け宅配ボックスを製造 |
白鳩 | 3192 | SHIROHATOから購入者が宅配ボックス「はこぼす」に対応 |
アルファCO | 3434 | 宅配ボックスIEBシリーズをマンション向けに販売 |
LINE | 3938 | ヤマト運輸と共同でLINEで再配達や不在通知を開始 |
ヤフー | 4689 | 国内最大のECサイト運営、配送料値上げの影響を懸念 |
楽天 | 4755 | 宅配ロッカー楽天BOX首都圏の駅を中心に全国23カ所に設置 |
富士機械製造 | 6134 | 岡崎市の花園工業団地で宅配ロッカーシステム活用 |
日本郵便 | 6178 | 郵便受け製造のナスタと大和ハウスの3社で戸建て向け宅配ボックス開発 |
グローリー | 6457 | 宅配受け取り専用ボックスを製造 |
パナソニック | 6752 | 宅配ボックスで戸建て用とアパート用を拡充 |
杉田エース | 7635 | 集合住宅向け宅配ボックス |
大京 | 8840 | 新築物件の80%に宅配受け取り専用ボックスを設置 |
東武鉄道 | 9001 | 駅に宅配便受け取り専用ボックスを設置 |
小田急電鉄 | 9007 | 駅に宅配便受け取り専用ボックスを設置 |
京浜急行電鉄 | 9006 | 駅に宅配便受け取り専用ボックスを設置 |
JR東日本 | 9020 | 東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅に宅配ボックスの設置を始めた |
JR東海 | 9022 | 名古屋駅や金山駅などターミナル駅を中心に宅配ボックスを設置 |
ヤマトHD | 9064 | ヤマト運輸と日本郵便が協力して各駅に宅配ボックス設置へ |
セゾン情報 | 9640 | GMOと本人だけ受け取れる宅配ボックスの実証実験 |
アークス | 9948 | 店舗内に日本郵便と協力して荷物受取ボックスを設置 |