緊迫する国際テロ情勢、注目される監視カメラ
緊迫する国際テロ情勢、注目される監視カメラ
シリアと北朝鮮など国際情勢が緊迫する中、衝撃的なニュースが飛び込んできた。
香川真司選手が所属する独1部リーグ、ドルトムントの選手らを乗せたバス付近での爆発事件が起きた。
欧州各地では、大小複数のテロ行為が行われている。ロシア第2の都市サンクトペテルブルクの走行する地下鉄車両内で自爆テロが発生、多くの死傷者がでている。
地下鉄車両内で自爆テロは無防備ともいえる走行車両内の事件だけに、日本においても監視体制の強化は急務といえるだろう。
韓国に比べれば、まだまだの日本ではあるが、監視カメラ市場は着実に拡大している。
ある調査期間では、監視カメラシステムの市場規模は、19年には944億円規模になると予想している。そのうち監視カメラは14年には383億円だった市場が、17年には424億円、19年には496億円まで拡大すると予測している。
近所のコンビニ、銀行、スーパーなど日常生活において監視カメラを見かけない日はないだろう。一昔前でしたら考えられない状況だ。
都市のセキュリティー需要が高まり、警察、交通、道路などで多くの製品が使われる。
監視カメラは、監視目的で映像を録画することがこれまでの主要用途だったが、ここ最近はネット環境の発達や、人工知能の開発の進展、さらにビッグデータへの注目の高まりを背景に、高性能カメラが次々に登場している。
屋外型のパン(左右の動き)・チルト(上下の動き)・ズーム機能を持つカメラや、夜間でも明るく見える機能を搭載した屋外カメラなども需要が高まっている。
2018年度以降順次、全車両に展開するそうだ。各車両の乗降ドアの上部にカメラを配置し、車内全体が見渡せるようにするという。
吊り革の盗難や座席シートのいたずら、迷惑行為がたびたび発生しているという、さらなるセキュリティー向上やテロ防止の必要性から、カメラの設置を決めたとしている。
設置費用は総額で約70億円ということもあり、監視カメラメーカーの動向など気にかかるところだ。
これを皮切りに、ほかの電鉄各社の車両内にもカメラ設置が波及する可能性も大きく、マーケットの拡大期待にもつながり、今後関連メーカーには受注思惑が高まりそうだ。
株式市場でも、監視カメラのニーズはますます高まることが想定される。
2020年東京オリンピックに向けて公共施設や交通機関でのテロ対策が必須と考えられている。また、日本の高性能な監視カメラ技術は東南アジアの政府機関からも注目されている。
フィリピンやタイ、インドネシアでは爆弾テロが起きており、監視カメラのニーズは高まることが想定される。
キヤノン(7751)は、2015年に街角や工場の監視などに使うネットワークカメラの世界最大手、スウェーデンのアクシスコミュニケーションズを約3300億円で買収している。
キヤノンは、主力のカメラ事業などが苦戦するなか、豊富な手元資金を使って成長市場で一気に首位に立つと気合の入りようがうかがえる。自社のカメラをアクシスに供給して、販売増につなげていくそうだ。
世界市場は、現在約4600億円。周辺機器も加えると約1兆6千億円、18年には3兆円近くになるという。
ネットワークカメラを強化する日本勢はキヤノンだけではない。国内首位、世界4位
のパナソニック(6752)もシェア拡大を狙っている。
フランスの情報システム大手のアトスと東京五輪・パラリンピック向けの防犯など最先端システムの共同開発で合意している。
パナソニックは、強い監視カメラなどの映像技術と、アトスのネットワーク構築技術を融合させて大型受注を目指す。アトスとの提携を弾みに五輪で技術力をアピールし五輪以降も都市インフラ関連の事業拡大につなげる見込みだ。
あいホールディングス (3076) だ。監視カメラやレコーダーなどのセキュリティーシステム機器を扱うが、特に既設マンション向けの「安心パック」によるサービス一体型の商品が好調という。
「監視社会」という批判もあるが、もちろんプライバシー保護という大きな課題も忘れてはならない。ただ、凶悪犯罪の増加に加え、テロの横行、緊迫化する世界情勢という背景がある。
政府も東京五輪に向けたテロ対策の必要性を前面に出し、今国会での法案成立を目指している。東京五輪を迎える日本にとっては、安心・安全は最重要課題である。セキュリティー関連、とりわけ監視カメラ銘柄に目が離せないだろう。
香川真司選手が所属する独1部リーグ、ドルトムントの選手らを乗せたバス付近での爆発事件が起きた。
欧州各地では、大小複数のテロ行為が行われている。ロシア第2の都市サンクトペテルブルクの走行する地下鉄車両内で自爆テロが発生、多くの死傷者がでている。
監視カメラ市場は年々拡大
韓国は、監視カメラが世界一多い“監視カメラ共和国”である。
韓国に比べれば、まだまだの日本ではあるが、監視カメラ市場は着実に拡大している。
近所のコンビニ、銀行、スーパーなど日常生活において監視カメラを見かけない日はないだろう。一昔前でしたら考えられない状況だ。
都市のセキュリティー需要が高まり、警察、交通、道路などで多くの製品が使われる。
屋外型のパン(左右の動き)・チルト(上下の動き)・ズーム機能を持つカメラや、夜間でも明るく見える機能を搭載した屋外カメラなども需要が高まっている。
2018年度から東京メトロ全車両に監視カメラ設置
東京メトロは3月14日、全車両内に防犯カメラを設置すると発表している。
2018年度以降順次、全車両に展開するそうだ。各車両の乗降ドアの上部にカメラを配置し、車内全体が見渡せるようにするという。
設置費用は総額で約70億円ということもあり、監視カメラメーカーの動向など気にかかるところだ。
これを皮切りに、ほかの電鉄各社の車両内にもカメラ設置が波及する可能性も大きく、マーケットの拡大期待にもつながり、今後関連メーカーには受注思惑が高まりそうだ。
株式市場でも、監視カメラのニーズはますます高まることが想定される。
2020年東京オリンピックに向けて公共施設や交通機関でのテロ対策が必須と考えられている。また、日本の高性能な監視カメラ技術は東南アジアの政府機関からも注目されている。
キヤノン(7751)は、2015年に街角や工場の監視などに使うネットワークカメラの世界最大手、スウェーデンのアクシスコミュニケーションズを約3300億円で買収している。
キヤノンは、主力のカメラ事業などが苦戦するなか、豊富な手元資金を使って成長市場で一気に首位に立つと気合の入りようがうかがえる。自社のカメラをアクシスに供給して、販売増につなげていくそうだ。
世界市場は、現在約4600億円。周辺機器も加えると約1兆6千億円、18年には3兆円近くになるという。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
国内で監視システム開発を手掛ける技術者は「パナソニックやソニーなど日本の大手と比べても、アクシス製品は使い勝手が良い」と打ち明ける。ネットワークカメラを強化する日本勢はキヤノンだけではない。国内首位、世界4位
のパナソニック(6752)もシェア拡大を狙っている。
フランスの情報システム大手のアトスと東京五輪・パラリンピック向けの防犯など最先端システムの共同開発で合意している。
パナソニックは、強い監視カメラなどの映像技術と、アトスのネットワーク構築技術を融合させて大型受注を目指す。アトスとの提携を弾みに五輪で技術力をアピールし五輪以降も都市インフラ関連の事業拡大につなげる見込みだ。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
他に注目する監視カメラ関連銘柄として、あいホールディングス (3076) だ。監視カメラやレコーダーなどのセキュリティーシステム機器を扱うが、特に既設マンション向けの「安心パック」によるサービス一体型の商品が好調という。
チャート出典:ストックウェザー株式会社
防犯カメラ、防犯センサー、防犯関連の大手のオプテックスグループ(6914)、監視カメラや自動化用FA向けを強化している。チャート出典:ストックウェザー株式会社
業務用・プロ用の音響機器、防犯・監視カメラなどセキュリティー機器などを手掛ける専門メーカーTOA(6809)。空港用旅客案内放送設備や大規模施設などの非常用放送設備などで国内トップシェア。ワイヤレス防犯製品などテクノロジーを駆使した防犯技術がテロ対策に活躍する可能性がある。チャート出典:ストックウェザー株式会社
監視カメラ設置に助成金を出す自治体も増加しており、市場は拡大一途の様相だ。「監視社会」という批判もあるが、もちろんプライバシー保護という大きな課題も忘れてはならない。ただ、凶悪犯罪の増加に加え、テロの横行、緊迫化する世界情勢という背景がある。