【騒動】 話題のVALU(バリュー)とは?
【騒動】 話題のVALU(バリュー)とは?
VALU(バリュー)で、著名なYou Tuberが、不当な取引を行っていたとして騒動となり注目を集めています。
さて、VALU(バリュー)とはどういうサービスでしょうか。
VALUは、運営会社によると「ビットコインを用いたマイクロトレードサービス」とされていますが、簡単にいえば、個人が上場会社の株式のようなものを発行して資金調達することができるサービスです。
アーティストやクリエイター、ミュージシャン、アイドル、YouTuber、ブロガーなどの著名性のある「個人」が、自分自身の活動内容によって価値が上下する「株式のようなもの」(VALUの中では「VA」と呼ばれます)を発行し、それを一般のネットユーザーに買って貰うというサービスです。
VALUを発行した個人は、VALU発行者。
VALUを購入した応援者は、VALUERと呼ばれています。
取引は仮想通貨のビットコインで行われますが、ビットコインは現実の通貨と交換可能ですので、実際にお金を出して売り買いしているのとほぼ変わりません。
ここで重要なのは、あたかも株式のようですが、株では無いという点です。
上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式をいいます。
会社が事業に必要な資金を集めるために発行するものです。
投資家は、株式を購入することで、購入した会社の株主になることができます。
投資家は、証券会社を通じて、東京証券取引所などの金融商品取引所に株式の買い注文、売り注文を出し、金融商品取引所は売買を成立させます。
売却時に会社の業績が向上しており、株価が値上がりしているような場合には、投資家は株式の売却によって利益を得ることができます。逆に会社の業績が低迷して株価が値下がりしているような場合、投資家には損失が生じることになります。
VALU(バリュー)では、個人が「VA」を発行し、その「VA」を購入してもらい資金を得るというシステムになっていることから、株式にとてもよく似ているといえますが、株式ではありません。
上場株式と似て非なるVALUは、上場会社が株式を発行して資金調達する仕組みや、上場株式が市場で流通する仕組みを、個人に当てはめたようなサービスだと言えるでしょう。
株式の場合には、株主が株主総会を通じて会社の経営に直接的な影響を与えることができるのに対し、VAの場合、発行主体である個人の活動に直接的な影響を与えることはできないという違いもあります。
「株式」とは、会社法のルールにより株式会社が発行するものを指しますので、個人が発行するものは「株式」にはなりません。
また、VALUは、証券会社ではありません。
個人投資家の皆さん方は、「証券会社の仕事は何?」と聞かれて一番に思い浮かぶのは、株式売買の取次だろうと思われます。
証券会社の仕事はそれだけではありません。
仲介業務はブローカー業務と呼びますが、他にもディーラー業務やアンダーライティング業務といった仕事があります。
証券会社に払う手数料などの各種費用も、売買に関するものだけではないです。
投資信託を買えば信託報酬がかかりますし、信用取引をすれば金利や貸株料を払います。証券会社が得るお金は、私たち投資家が払う手数料や報酬などになります。
証券会社の主な仕事は、証券の流通に関わるブローカー(委託売買)業務とディーラー(自己売買)業務、証券の発行に関わるアンダーライティング(引受)業務とセリング(募集・売り出し)業務、アセットマネジメント(資産管理)業務になります。
それでは「有価証券」について説明しましょう。
有価証券とは、株式・債券・手形・小切手などを指します。有価証券はそれ自体に財産的価値を有します。
有価証券は譲渡することにより、その有価証券の持っている財産的権利を簡単に移転させることができるのが特徴です。
有価証券は、手形、小切手などの貨幣証券と運送証券、倉荷証券などの物財証券と株式、社債券などの資本証券の3つに分類されますが、一般的に有価証券といえば、資本証券を指していることが多いです。
前述で、「VALUは、株じゃない」ということを説明しました。
VALUは有価証券に該当しないのです。
だからVALUは証券会社ではありません。
有価証券であるなら募集、または売出しの際、届出が必要になります。
なぜなら、その必要がありません。それは、株ではないからです。
このような方法によるVA取引に対しては、何らかの法規制は及ぶのでしょうか。
金融取引には金融商品取引法の厳しいルールが適用されます。
それでは「自分が発行するVAについて、価格を吊り上げて売却する」という行為には、どういう問題があるのでしょうか。
このような取引行為には、何らかの法規制が及ぶのでしょうか。
この問題は、VAの取引に金融商品取引法の適用があるかどうかによって取扱いが大きく異なります。
VAと比較される上場株式の取引の場合には金融商品取引法が厳格なルールを定めています。株式を新たに発行したり、取引所内外で売買したり、あるいは取引を取り次いだりする場合には、いずれも金融商品取引法の定めるルールに従う必要があります。
上場株式の場合には金融商品取引法違反となる可能性があります。
上場株式の場合、会社が新株の発行前に値段を吊り上げるために、架空のM&Aや新製品発売などの噂を市場に流すような行為は、金融商品取引法上の「風説の流布」にあたり、禁止されています。
価格を吊り上げる目的で、「いま購入すると良いことがある。得をする。」などと、上場株式の場合には「風説の流布」にあたる可能性があります。
また、証券会社などの金融商品取引業者等が「かならず得をする」などの発言をして投資家を勧誘した場合、断定的判断等の提供の禁止に抵触する可能性があります。
上場株式の場合、会社の関係者が、大規模な新株発行や自己株式の処分が予定されていることを知り、それらの公表前にその銘柄の取引を行うことは、同様に金融商品取引法が禁止するインサイダー取引にあたります。
金融不正行為の代表的なものとして、
風説の流布等の禁止(158条)
相場操縦行為の禁止(159条)
インサイダー取引の禁止(166条)
などが含まれており、これらに違反した場合には、刑事罰が科される場合もあります。
商品取引法が適用されない「VA」は、「有価証券」にあたらないのであれば、VAの取引に、金融商品取引法の「風説の流布の禁止」や「インサイダー取引の禁止」は適用されません
今回の話題になったケースは、VAという、金融商品取引法が現時点では想定していなかった、新しい金融商品類似のサービスについて起こった問題だといえます。
VAが「相場変動の影響を受けて価値が上下するものを売買する」という投資商品に似た性質を持っている以上、ユーザーが安心して取引することができる仕組みを作ることは必要でしょう。
VAは価値が一定ではありません。
この価格の変動はVALUの発行者自身の価値によって決まります。
発行者が自身の価値を高めて、多くの人がVAを購入したいと思えば上がっていきますし、逆にVAを購入したいと思う人が減ってしまえばVAの価値は下がっていきます
購入したVAの価値は一定ではないということを必ず覚えておきましょう。
今後、VAの取引市場が規模を拡大、あるいはVALU類似のサービスが登場するようになった場合には、いずれは金融商品取引法などの法律によって取引ルールが定められることになるものと推測されます。
問題が顕在化して、それにサービス提供側が適宜対処していくことで、徐々にサービスとしての質が高まり洗練されていくのですから、問題があることをもってそのサービスが全てダメだと決めつけることは建設的でないと考えます。
今後サービスを拡大してゆく過程でユーザーからの信頼を獲得するためには、ユーザー保護のための明確なルールを作りが必須だと思います。
さて、VALU(バリュー)とはどういうサービスでしょうか。
VALUは、運営会社によると「ビットコインを用いたマイクロトレードサービス」とされていますが、簡単にいえば、個人が上場会社の株式のようなものを発行して資金調達することができるサービスです。
アーティストやクリエイター、ミュージシャン、アイドル、YouTuber、ブロガーなどの著名性のある「個人」が、自分自身の活動内容によって価値が上下する「株式のようなもの」(VALUの中では「VA」と呼ばれます)を発行し、それを一般のネットユーザーに買って貰うというサービスです。
VALUを購入した応援者は、VALUERと呼ばれています。
取引は仮想通貨のビットコインで行われますが、ビットコインは現実の通貨と交換可能ですので、実際にお金を出して売り買いしているのとほぼ変わりません。
ここで重要なのは、あたかも株式のようですが、株では無いという点です。
上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式をいいます。
会社が事業に必要な資金を集めるために発行するものです。
投資家は、株式を購入することで、購入した会社の株主になることができます。
投資家は、証券会社を通じて、東京証券取引所などの金融商品取引所に株式の買い注文、売り注文を出し、金融商品取引所は売買を成立させます。
売却時に会社の業績が向上しており、株価が値上がりしているような場合には、投資家は株式の売却によって利益を得ることができます。逆に会社の業績が低迷して株価が値下がりしているような場合、投資家には損失が生じることになります。
上場株式と似て非なるVALUは、上場会社が株式を発行して資金調達する仕組みや、上場株式が市場で流通する仕組みを、個人に当てはめたようなサービスだと言えるでしょう。
株式の場合には、株主が株主総会を通じて会社の経営に直接的な影響を与えることができるのに対し、VAの場合、発行主体である個人の活動に直接的な影響を与えることはできないという違いもあります。
「株式」とは、会社法のルールにより株式会社が発行するものを指しますので、個人が発行するものは「株式」にはなりません。
また、VALUは、証券会社ではありません。
証券会社の仕事はそれだけではありません。
仲介業務はブローカー業務と呼びますが、他にもディーラー業務やアンダーライティング業務といった仕事があります。
証券会社に払う手数料などの各種費用も、売買に関するものだけではないです。
投資信託を買えば信託報酬がかかりますし、信用取引をすれば金利や貸株料を払います。証券会社が得るお金は、私たち投資家が払う手数料や報酬などになります。
証券会社の主な仕事は、証券の流通に関わるブローカー(委託売買)業務とディーラー(自己売買)業務、証券の発行に関わるアンダーライティング(引受)業務とセリング(募集・売り出し)業務、アセットマネジメント(資産管理)業務になります。
有価証券とは、株式・債券・手形・小切手などを指します。有価証券はそれ自体に財産的価値を有します。
有価証券は譲渡することにより、その有価証券の持っている財産的権利を簡単に移転させることができるのが特徴です。
有価証券は、手形、小切手などの貨幣証券と運送証券、倉荷証券などの物財証券と株式、社債券などの資本証券の3つに分類されますが、一般的に有価証券といえば、資本証券を指していることが多いです。
前述で、「VALUは、株じゃない」ということを説明しました。
VALUは有価証券に該当しないのです。
だからVALUは証券会社ではありません。
有価証券であるなら募集、または売出しの際、届出が必要になります。
なぜなら、その必要がありません。それは、株ではないからです。
このような方法によるVA取引に対しては、何らかの法規制は及ぶのでしょうか。
金融取引には金融商品取引法の厳しいルールが適用されます。
それでは「自分が発行するVAについて、価格を吊り上げて売却する」という行為には、どういう問題があるのでしょうか。
このような取引行為には、何らかの法規制が及ぶのでしょうか。
この問題は、VAの取引に金融商品取引法の適用があるかどうかによって取扱いが大きく異なります。
VAと比較される上場株式の取引の場合には金融商品取引法が厳格なルールを定めています。株式を新たに発行したり、取引所内外で売買したり、あるいは取引を取り次いだりする場合には、いずれも金融商品取引法の定めるルールに従う必要があります。
上場株式の場合には金融商品取引法違反となる可能性があります。
上場株式の場合、会社が新株の発行前に値段を吊り上げるために、架空のM&Aや新製品発売などの噂を市場に流すような行為は、金融商品取引法上の「風説の流布」にあたり、禁止されています。
価格を吊り上げる目的で、「いま購入すると良いことがある。得をする。」などと、上場株式の場合には「風説の流布」にあたる可能性があります。
また、証券会社などの金融商品取引業者等が「かならず得をする」などの発言をして投資家を勧誘した場合、断定的判断等の提供の禁止に抵触する可能性があります。
上場株式の場合、会社の関係者が、大規模な新株発行や自己株式の処分が予定されていることを知り、それらの公表前にその銘柄の取引を行うことは、同様に金融商品取引法が禁止するインサイダー取引にあたります。
風説の流布等の禁止(158条)
相場操縦行為の禁止(159条)
インサイダー取引の禁止(166条)
などが含まれており、これらに違反した場合には、刑事罰が科される場合もあります。
商品取引法が適用されない「VA」は、「有価証券」にあたらないのであれば、VAの取引に、金融商品取引法の「風説の流布の禁止」や「インサイダー取引の禁止」は適用されません
今回の話題になったケースは、VAという、金融商品取引法が現時点では想定していなかった、新しい金融商品類似のサービスについて起こった問題だといえます。
VAが「相場変動の影響を受けて価値が上下するものを売買する」という投資商品に似た性質を持っている以上、ユーザーが安心して取引することができる仕組みを作ることは必要でしょう。
VAは価値が一定ではありません。
この価格の変動はVALUの発行者自身の価値によって決まります。
発行者が自身の価値を高めて、多くの人がVAを購入したいと思えば上がっていきますし、逆にVAを購入したいと思う人が減ってしまえばVAの価値は下がっていきます
購入したVAの価値は一定ではないということを必ず覚えておきましょう。
問題が顕在化して、それにサービス提供側が適宜対処していくことで、徐々にサービスとしての質が高まり洗練されていくのですから、問題があることをもってそのサービスが全てダメだと決めつけることは建設的でないと考えます。
今後サービスを拡大してゆく過程でユーザーからの信頼を獲得するためには、ユーザー保護のための明確なルールを作りが必須だと思います。