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2017年05月1週
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05月1週
【推移】

1日(月):
週末のNY株式市場は小幅安。第1四半期のGDP速報値は、年率換算で前期比0.7%増で着地。2014年の第1四半期以来3年ぶりの弱い伸び。市場予想の1.2%増にも届かなかったことを嫌気した。
週間では、NYダウが1.9%、S&Pが1.5%、NASDAQが2.3%上昇。月間ではNYダウが1.3%、S&Pは0.9%、NASDAQは2.3%上昇。NASDAQは6カ月連続上昇で、約4年ぶりの連騰記録。累計の上昇率は16%を超えた。

週末の日経平均株価は続落展開。週間ベースで日経平均株価は3.1%(575円)上昇し2週続伸(累計4.7%上昇)。2連続の週足陽線、月足も2ヶ月ぶりの陽線。TOPIXは2.9%上昇し2週続伸(累計5.0%上昇)。
月間ベースでは、日経平均株価は1.5%、TOPIXは1.3%上昇し2カ月ぶりの反発。東証マザーズ指数は2.2%高、2週続伸(累計6.1%上昇)。日経ジャスダック平均は1.8%高、2週続伸(累計4.8%上昇)。東証2部指数は0.9%高、2週続伸(累計5.7%上昇)。
月間では東証マザーズ指数は3.8%安、5カ月ぶりの反落、日経ジャスダック平均は2.2%安、8カ月ぶり反落。東証2部指数は4.1%安、10か月ぶり反落。
日経平均採用銘柄のPERは15.95倍。採用銘柄のEPSは決算の第一次山場を通過し1203.56円と1200円台回復。決算に一喜一憂する必要はないが増益トレンドに期待したい。

日経平均株価は113円高の19310円と反発。これで月の初日は11カ月連続して上昇となった。米政府予算の暫定合意で不透明感が払拭されたとの解釈でドル高円安トレンドになったことを好感。個別企業の好決算も上昇の原動力となった。
東京エレが16年ぶりの水準まで上昇。富士通が2年ぶりの水準まで上昇した。東証一部の売買代金は2兆2177億円。値上がり1337銘柄で全体の6割。日東電、村田、東芝、キーエンス、ソニーが上昇。JAL、りそな、マツダ、大ガスが下落。

2日(火):
NY株式市場はマチマチの動き。NYダウは直近上場していたボーイングやホームデポなどが売られて小幅続落。2銘柄でNYダウ下落寄与度は30ドルあまり。一方、アップルやファイスブックなどハイテクセクターは上昇。アップルは分割後の最高値を更新した。NASDAQ総合指数は大きく反発し過去最高値を更新。アマゾン、アルファベット、ツイッターなどの上昇が目立った。ISM製造業景況感は54.8と前月から低下し着地。個人消費・所得は予想を下回り、PCEデフレータは前年比プラス1.8%と前月から減速。しかし米議会が9月までの連邦予算案で合意。政府機関の閉鎖は避けられる可能性が高まったことを評価した格好。

感動すべきは日経平均採用銘柄のEPSの増加。
先週末時点1203円→昨日1266.26円。(2015年12月8日1270.70円、2016年5月6日1091.24円)。4月11日以来半月ぶりに1200円台を回復し2015年12月の1270円に肉薄してきた。
PERは15.25倍。全体の16.4%が通過した3月決算。今期売上高は3.8%増(前期4.0%減)。経常利益6.4%増(前期3.8%減)。純利益13.1%増(前期5.7%増)。足元の業績を焦点にすれば闇雲な弱気に雷同する必要もなかろう。ボリンジャーのプラス2σ水準は19407円。

日経平均株価は135円高の19445円と続伸。連休中の海外情勢の変動を警戒して午後は様子見ムードが広がったとはいうものの高値水準をキープした格好。
東証1部の売買代金は2兆2656億円。東証1部の値上がり銘柄数は1487と全体の約7割。ヤマハ、京セラ、東エレク、ローム、オリンパス、TDK、三井不、菱地所、東芝が上昇。日揮、キリンHD、ヤマトHD、KDDI、ホンダ、ソニーが下落。

(2) 欧米動向
「NY株式の5月の最初の営業日は高い」というアノマリーが成立したのかどうかは微妙。
NYダウは過去22年で平均0.54%。
S&P500指数は16.13%上昇していた。
上昇は15回、下落したのは7回で勝率は68%だった。
ラッセル2000が平均0.41%の上昇。
NASDAQは同0.58%の上昇。
「ハイテク株がアウトパフォームする傾向」は今年も続いた。
投資誌バロンズ電子版のアンケート。
「年末までの株式相場の見通しについて強気(ブル)は51%。
前回調査の2016年秋の45%から6ポイント上昇。
弱気(ベア)の比率は40%。
前回(39%)から1ポイント上昇」。
10年物国債利回りは2.32%と4日ぶりの反落。
ドル円は一時111円93銭まで円安傾向となり3日続落。
約1ヵ月ぶりの水準まで戻した。

米S&P500の引け値ベースのボラティリティー(4カ月ローリング平均)は4月12日に6.52。
1995年12月初旬以来の低水準を付けた。
28日は6.92。
1995年の水準近くまで低下したのは2007年初め。
その数カ月後に世界金融危機が起きていたという嫌な指摘。
VIX(恐怖)指数も過去の平均を大きく下回って推移。
年初来の平均は12.05。
1〜4月の平均としては2006年以来の低水準。
28日終値は0.46ポイント(4.44%)高の10.82。
嵐の前の静けさ?というより株は上がらなければ下げられないというのが法則だろう。
雇用統計は市場予想を上回って通過。
6月利上げ確率は90%まで上昇した。

(3)アジア・新興国動向
フランス大統領選挙と韓国大統領選挙。
地政学リスクの高まりはアジアに移行してきた印象。
一方で中東の地政学的リスクは表面的に低下。
一つのことしか見ることのできない市場の特長がよく出てきた印象。
これらを通過すれば今度はイランの大統領選挙でも話題にするのだろうか。

土曜の日経1面トップは「中国バブル再び」の見出し。
国内にあふれたマネーが不動産市場やインターネット金融などに集中。
バブル懸念が再び強まっている。
「中国の金融機関を除く民間債務はGDP比200超と日本のバブル末期並み」と指摘されている。
ネタがなければまた中国とでも言いだすのだろうか。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・。
8日(月):消費者態度指数、中国貿易収支、ロシア休場、ロシアと北朝鮮の定期航路開設
9日(火):毎月勤労統計、韓国大統領選挙
10日(水)景気動向指数、日銀金融政策決定会合「主な意見」、米輸出入物価、財政収支、中国消費者物価・生産者物価
11日(木):国際収支、景気ウォッチャー調査、米生産者物価、G7財務相・中央銀行総裁会議(イタリア)
12日(金):オプションSQ、マネーストック、東京ディズニーシーに「ニモ」オープン、米小売売上高、消費者物価、企業在庫、ミシガン大学消費者信頼感、独GDP


【5月】
2日(火)FOMC(〜3日)
3日(水)東京休場、ECB理事会、ユーロ圏GDP速報値、水星順行開始
4日(木)みどりの日で休場、ADB年次総会(〜7日、横浜)
5日(金)こどもの日で休場
9日(火)変化日
10日(水)世界経済フォーラムASEAN会議(プノンペン〜12日)
11日(木)G7財務相・中央銀行総裁会議(イタリア・バリ〜13日)満月
12日(金)SQ
15日(月)変化日
17日(水)ECB理事会、上げの特異日
19日(金)イラン大統領選、変化日
25日(木)OPEC総会(ウィーン)
26日(金)G7首脳会議(イタリア・タオルミーナ〜27日)、変化日
27日(土)ラマダン入り
29日(月)NY休場(メモリアルデー)、ロンドン休場(スプリング・バンク・ホリデー)

11か月連続での上昇となった初日商い。
「4年連続の5月上昇に向けての好スタート」という声も聞かれる。
2010年のギリシャ・ショック。
2011年の欧州債務危機の深刻化で急落した5月。
しかし2014年以降は3年連続で5月は上昇している。

5月は「株式市場にとって重要なイベントがあった月」。
1792年5月17日? NY証券取引所が創設(「すずかけの木協定」)。
1878年5月16日 東京株式取引所創立(6月1日営業開始)
1949年5月16日 東証など3市場で株式取引再開
1987年5月1日  東京市場が時価総額で世界一に
2000年5月9日 「東証アローズ」オープン
時価総額世界一から30年。
昔日の面影。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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