兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

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2017年05月4週
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05月4週
【推移】

22日(月):
週末のNY株式市場は続伸。もっとも高値からはやや押し戻された格好の取引の背景はトランプ大統領のロシア疑惑。もっとも当のトランプ大統領は中東への初の外遊。「トランプ氏がこれからどう対処するのか誰も定かでない」という声がある。週末の東京市場は反発下げ止まり。「反発とはいってもわずか36円だから前日の下落幅に対して14%程度の戻り。
週末らしいポジション調整の買い戻し」との声が聞こえる。寄り→大引けの変化幅はたった65銭。「十字線の連発。とにかく離れ小島の解消を進めてほしいものである」というのが正直な心理だろう。先週前半は欧米主要市場の高値更新を追い風に上値追いの展開。

ただ、日経平均は2万円にあと1円51銭まで迫りながら越えられなかったことから失速。
日経平均2万円は抵抗帯として改めて意識された。週間では約293円の下落。週足では5週ぶりに陰線。「上を追えるかよりも下値を固められるかが課題」という声もある。25日線(19210円)、13週線(19214円)、26週線(19169円)。これらが下でサポートしてはいる。

株式市場は「自分の買い値よりも上の株価を誰かが買ってくれる」というのが大前提。ココが結構忘れられる。換言すれば「買い値よりも高い値段で買ってくれる投資家が賛同できるシナリオかどうかの見極め」。熟練の先達は「みんなが認める株でないとダメです。そのためには時代背景の読みが欠かせません。時代をどう推察するかです」。シナリオが万人の許容と理解と賛同を得られるのかどうか。そういう意味では「感覚的に変なこと」なんていうのも、いずれ「変でなくなる」こともあるに違いない。

上昇続伸はしたものの上値の重い展開だった月曜日。東証1部の売買代金は約1カ月ぶりに2兆円を下回りエネルギーも枯渇してきた格好。「寄り引けの価格差が少ない実体の短いローソク足が継続。目先は外部要因に一喜一憂」という声が聞かれる。

一方で、日経ジャスダック平均は先週まで5週続伸。3100ポイント台と年初来高値を更新。東証マザーズ指数も日足で強い陽線。「主力から新興市場への資金シフトが鮮明」という指摘だ。日経平均株価は87円52銭高の19678円28銭と続伸。NY高、原油高を背景として割安株への物色が高まった。

東証一部の売買代金は1兆9224億円。4月18日以来の2兆円割れ。SMC、クボタ、鉄、JFEが上昇。塩野義、第一三共、東エレ、三菱商が下落。

23日(火):
「市場心理は落ち着きを取り戻した」との解釈。特に買い材料があったわけではない。
市場の解釈は「(1)トランプ大統領の初めての海外訪問で特に大きな問題発言は出ていない。(2)原油先物価格が堅調。(3)月曜恒例のM&Aニュースの3つが背景。シカゴ連銀全米活動指数が予想を上回ったことも好感」。
アマゾンが約1週間ぶりに上場来高値を更新。アップル、アルファベットなど成長期待の高い主力ハイテク関連中心に相場全体を押し上げた。サウジアラビアに1100億ドル(約12兆円)の兵器を売却することで合意したことは防衛関連セクターに追い風となった。
原油先物相場は約1カ月ぶりの高値となり石油セクターが上昇。

NYダウは一時109ドル高まで上昇した場面もあった。「5月17日(水)に372ドルの大幅安となったNYダウは週末2日で約200ドル上昇。押し目買い継続」という見方もある。トランプ政権が初めて発表する予算教書。給付金制度の見直しで1.7兆ドル削減を図る見込みとブルームバーグ。
ワシントンポスト電子版は「低所得者向けのフードスタンプを25%削減する。低所得者向け公的医療保険(メディケイド)の適用を厳格かすることで8000億ドル歳出削減を図る」などと報じられている。オバマ政策の完全なアンワインドといったところだ。お定まりのような火曜日後場の下落。朝方は英マンチェスターでの爆発を懸念。

後場は円高が進行しての株安。売買代金はかろうじて2兆円台を回復したが、上値の重い動きだった。「NY株式は急落後に月曜まで3連騰。上昇一服感も強まりやすいタイミング。NYが上昇してもそれを好感できない東京のもろさ」という声も聞かれる。「投機筋の短期トレードに振り回されているだけなのかもしれない」と言う指摘が妙に納得できようか。「大変だ」の声が聞こえるときに市場が本当に大変なことはめったにないもの。

市場が本当に大変な時は沈黙が市場を支配するものだ。日経平均採用銘柄のPERは14.02倍。EPSは1398.95円と安定してきた。前週の信用買い残は707億円増の2兆3968億円と6週間ぶりに増加。売り残は150億円減少し9527億円と4週ぶりの減少。独メルケル首相の「ユーロは弱すぎる」とのコメントを受けたユーロが上昇しドル円は円安トレンド。ドルベースの日経平均は177ポイントと年初来高値水準。2000年ITバブル絶頂期の196ポイント台以来だ。

日経平均株価は65円00銭安の1万9613円28銭と3日ぶりに反落。英マンチェスターのイベント会場で多数の死傷者を出す爆発があり、投資家心理が悪化。一方、外部要因に左右されにくい内需株に買いが入り、相場を下支えした。
東証1部の売買代金は2兆63億円。東証1部の値下がり銘柄数は904と全体の44.8%。任天堂、JT、OLC、大東建、大ガス、オリックス、武田画上昇。JAL、SOMPO、東エレク、関西電、コンコルディ、JXTG、コマツ、日産自が下落。

24日(水):
米国株式市場は小幅高とはいえ4日続伸。先週の急落幅をほぼ取り戻した。市場では「大統領の外遊が続く中、米国の政治混迷は市場ではほとんど材料視されなかった」という指摘。面白い表現だ。「昨年の米大統領選へのロシアの介入疑惑などを巡る新たな報道がなかったことが相場の支え」という解釈もある。「ロシアゲート」なんて言葉はNYではなく東京の方が良く聞かれるのかも知れない。

注目された予算教書はインフラ投資や国防費を増額する一方で社会保障費を削減。おおむね予想通りの内容を好感し安心感が拡大との解釈。「ドッド・フランク法(金融規制改革法)の見直しによる金融規制緩和。これを通して連邦政府は向こう10年間で350億ドルを節減できる」との見通し。具体案は示されなかったが、市場は曖昧模糊が好きなのかも知れない。

ドイツのIfo景況感指数は好調。ユーロ圏総合購買担当者指数改定値が6年ぶりの高水準。欧州経済に対する信頼感が高まりドルは主要通貨に対して上昇。24日にFOMC議事要旨の公表予定。6月に利上げに踏み切るとの見方からドルが買い戻されたとの解釈。先週の急落からの復活感の高い1日だった印象。
因みに予算教書の事前見通しで報じられたのはフードスタンプとメディケイドの削減。どちらも低所得者向け制度だが、まさにオバマ政策への真っ向からの否定。意外にもNY市場はこれを好感しているのも現実である。

日経平均の過去のPERを見てみるとリーマンショック時の08年10月28日が9.7倍。09年3月にかけて無限大となり、800倍で復活した。そして日銀のETF買い。19日(金)まで3日連続の買いで5月は4回の買い。1月は8回、2〜4月は月7回のペースで買っているからあと3回は買えることになる。因みに19日はTOPIXが前日比マイナス0.07%でもETFを買った。相場観などないのだろうが、なりふり構わぬETF買いに映る。東京市場は反発したものの上値の重い展開。

日経平均の高値は1万9782円。5月17日のザラバ安値1万9764円をヒゲで上抜いたので一応マド埋めの格好となった。ただ日中値幅は92円。後場だけだと52円。方向感のない萎縮感がある。市場関係者の指摘。「月曜の下落と火曜の反発。今の日経平均はドル円との連動が強いことが意識される」。これを背景に材料視されたのがFOMC議事録。結局大きな変化はなく通過しただけという印象だけが残った。「事前に大騒ぎ、事後は無視」みたいな傾向は米雇用統計の際にも見られる。スケジュールには詳しい為替関係者の特性なのかも知れない。

TOPIXは5月17日のマド1572ポイントを実線で埋めた。5月16日の1590ポイントがターゲットになってきた。日経平均株価は129円70銭高の1万9742円98銭と反発。前場に1万9782円まで上昇。急落前の17日の取引時間中の安値1万9764円を上回り、チャート上の空白の価格帯「窓」をヒゲで埋めたが終値べースでは届かなかった。
東証1部の売買代金は2兆2226億円。東証1部の値上がり銘柄数は1427と全体の約7割。東芝、日通、任天堂、富士通、楽天、パナソニックが上昇。NTT、NTTドコモ、OLCやJAL、ユニチャーム、花王が下落。

25日(木):
NY株式市場は続伸。S&P500は終値ベースの史上最高値を更新した。背景はFRBが公表したFOMC議事要旨。「早期利上げの基本路線を再確認。背景として経済の強さがある」と受け止められたこと。「FRBは世界経済の成長拡大を認識しつつ、金利正常化の方針を維持しているようだ」。「FRBは消費がかなりしっかりしていると確信。これは重要な意味がある」などとのコメントが聞かれる。
小型株で構成するラッセル2000も下落から上昇に転じて終了。前回の議事録にあった「一部の参加者は株価に関して、標準的なバリュエーションの指標と比較して非常に高い水準と捉えた」。
このコメントが消えたことを評価したという解釈もある。債券市場は安定的動きで週末からのメモリアルデー休場を迎えそうな気配。

6月利上げの可能性は83%。年内にあと2回利上げがある可能性については前日の約50%→46%へと低下した。追加利上げにやや慎重な姿勢を示したFOMC議事要旨を受けてドルは主要通貨に対して下落。FOMC議事録についていろいろな解釈は聞かれるが所詮材料難の時期の材料。ただ通過したという印象が強い。S&P500が史上最高値を更新したという事実が一番重要だろう。

VIX(恐怖)指数は10.02まで低下。裁定買い残は4週ぶりに減少。前週比419億円減の2兆137億円。売り残は144億円増の2195億円で3週連続の増加。バーナンキ米FRB前議長の「財政拡大論」を好感できるかどうか。

日経朝刊1面では「最高益4.0に挑む」。リードは「日本の上場企業の足腰が強くなっている。2017年3月期は売上高が減ったが、円高を克服。純利益は2年ぶりに過去最高となった。企業は低成長下で稼ぐ力を磨き、高みを目指す『最高益4.0』に挑む」。「最高益4.0」は「インダストリー4.0」からの造語だろう。その意味するところ。「企業業績のヤマを高成長でバブルが極まった1980年代を起点とすると、00年前後のITバブルブームが2度目。世界的な好景気に沸いた00年代半ばが3度目。そして今回が4回目となる」。だから「最高益4.0」となる。損益分岐点は、大企業・製造業で6割程度。80年代以降で最低水準。絞りに絞った雑巾のようなコスト意識のなせる技だ。「日本企業は円高や資源安等の大きな変化の呪縛から抜け出せずにいる」という指摘。この呪縛は姿を換えて株式市場をも縛っているという印象だ。

日経平均株価は78円15銭高の19813円13銭と続伸。「CTA(商品投資顧問)による為替と連動した先物買いでいったん上方に水準訂正したがそこまで。前回2万円まであと約2円と迫ったときは個人の売りが出た。今晩のOPEC総会、週末のG7サミットなどイベントが続く」との声が聞こえる。
一方で「竦みは株価のタネ」との声もある。紙芝居的には十字線の連続寄りは陽線陰線のうねりが出てきたと見るべきだろうか。東証1部の売買代金は2兆2213億円。値上がり銘柄は817銘柄と全体の40%。ソフトバンク、東芝、富士通、ファナック、東エレ、エムアップ、キューブシス、マネパ、さくらが上昇。野村、みずほ、任天堂、JT、TSI、オカタアイヨン、RSTECHが下落。

26日(金):
NY株式市場は続伸。小売のベストバイの好結果などを手掛かり材料にS&P500とNASDAQは過去最高値を更新した。週間新規失業保険申請者数は前週比1000件増の23.4万件。116週連続で30万件を割れており1970年以来のこと。4週移動平均は44年ぶりの低水準だ。OPECやロシアは原油の減産を9ヶ月延長することで合意。フランス総選挙ではマクロン新党が優勢の気配。外部材料は悪くない。債券利回りは小幅に低下。ドルは底堅く推移した。上値の重い展開の続く東京株式市場。それでも2万円を捉えてはいる。跳ねる前の竦みは相場の肥やしという指摘が増えてきた。

外国人投資家は7週連続買い越し。信託は7週ぶりの買い越し。大引の日経平均株価は126円29銭安の19686円84銭と反落。為替の円高傾向とサミット待ちの動きから売り物優勢の展開。東証一部売買代金は2兆1551億円、東証一部値上がり銘柄は379。任天堂、住友鉱、ソフトバンクが上昇。コマツ、ファナックが下落。東証2部株価指数は反落。

(2) 欧米動向
トランプ米大統領は訪問先のサウジアラビアでイスラム圏数十カ国の指導者を前に演説。
「テロリストや過激派の掃討に向けて結束し、それぞれの役割を果たすよう」とコメント。
おまけはボーイングの大型輸送ヘリコプター「CH─47チヌーク」と関連サービス、誘導兵器システム、
哨戒機P─8などの購入の合意。
サウジへの兵器売却12兆円だから結構使い勝手はよかろう。
サウジのカウンターでもあるイラン大統領選では対外融和路線を進める現職のロウハニ大統領が再選。
「イランは暴力行為や過激主義から離れ、国際社会との関係発展の道を選んだ」とコメント。
波乱材料にはならなかった。
余計なのは北朝鮮の中距離弾道ミサイル「北極星2型」の発射実験。
核弾頭の末期誘導性能が確認されたと発表しているから成功なのだろう。
地球儀に惑乱させられないために必要なのは企業業績の確認
S&P500採用企業の2017年第1四半期決算は前年同期比15.2%の増益見通し。
エネルギーセクターを除いた増益率は10.9%の見込み。
利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は75.2%。
長期平均の64%、過去4四半期の平均の71%のいずれも上回った。
売上高がアナリスト予想を上回った企業の割合は62.8%。
長期平均の59%、過去4四半期平均の53%を上回った。
S&P500企業の今後4四半期(17年第2四半期〜18年第1四半期)の予想PERは17.6倍。
日経平均の14.02倍、東証1部全体の15.5倍は少し見劣りしているのが現実。
これは企業の責任ではなく市場の課題だ。
先週水木金と3日連続で727億円のETFを買った日銀はやはりすごい。

5月29(月)はメモリアルデーで休場。
アノマリー的には過去21年メモリアルデー前の1週間にNYダウは平均0.29%下落。
一方S&P500、NASDAQ、ラッセル1000、ラッセル2000は小幅に上昇していた。
特にラッセル2000は上昇確率が7割超。
「中小型株が強い展開が見込まれる」という声も聞かれる。


(3)アジア・新興国動向
先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち19指数が上昇。
上位1位週間騰落率韓国2.92% 、2位トルコ2.51% 、3位ブラジル2.31%
4位インド1.85% 、5位香港1.84%、7位米国1.32%
下位25位イタリア▲1.66%、24位ロシア▲1.35%、 23位インドネシア▲1.30%
22位南アフリカ▲0.89% 、14位日本0.49%

【展望】

スケジュールを見てみると・・・

29日(月):英米休場
30日(火):有効求人倍率、米S&P住宅価格指数、CB消費者信頼感、個人所得
31日(水):鉱工業生産、米シカゴ購買部景気指数、中古住宅販売仮契約、ベージュブック、中国製造業PMI
1日(木):法人企業統計、米ADP雇用レポート、ISM製造業景気指数、新車販売
2日(金):マネタリーベース、米雇用統計、貿易収支


【6月】

1日(木)変化日、はがき62円に値上げ
7日(水)OECD閣僚理事会(パリ〜8日)、変化日
8日(木)ECB理事会 英国下院総選挙
9日(金)メジャーSQ、満月
11日(日)フランス下院選第1回投票、木星準順行開始
13日(火)米FOMC(〜14日)
14日(水)変化日
15日(木)日銀金融政策決定会合(〜16日)
16日(金)米メジャーSQ
18日(日)フランス下院選第2回投票、海王星逆行開始
19日(月)パリ国際航空ショー(〜25日)、変化日
20日(火)ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム・サミット(〜23日ベルリン)変化日
21日(水)ECB理事会、上げの特異日
22日(木)EU首脳会議(ブリュッセル・〜23日)
24日(土)新月
25日(日)ラマダン終了
29日(木)上げの特異日
30日(金)変化日、通常国会会期末

【世界主要国上場企業の業績予想とPER&PER】

○日本
売上高4.5%増、EPS12.1%増、PER13.9倍、PBR1.21倍
○米国
売上高5.4%増、EPS11.4%増、PER17.7倍、PBR2.82倍
○英国
売上高7.2%増、EPS13.5%増、PER14.6倍、PBR1.82倍
○ドイツ
売上高3.9%増、EPS10.3%増、PER13.9倍、PBR1.69倍
○中国
売上高11.3%増、EPS15.0%増、PER12.5倍、PBR1.54倍
○香港
売上高5.8%増、EPS8.3%増、PER15.8倍、PBR1.20倍
●世界
売上高6.1%増、EPS12.6%増、PER15.8倍、PBR2.05倍

TOPIXのPERを見てみると・・・。
2014年10月17日12.6倍→2015年6月24日16.0倍
2016年2月12日11.4倍→2017年1月4日15.2倍→4月20日13.3倍
TOPIXのPBRを見てみると・・・。
2015年10月17日1.20倍→2015年4月23日1.64倍
2016年2月12日1.05倍→2016年1月5日1.42倍→4月14日1.27倍
配当利回りは2016年10月17日1.96%→2015年4月23日1.46%
2016年6月24日2.40%→2017年3月13日1.87%

需給面で信用買い残の推移を見てみると・・・。
2014年11月14日2兆6619億円→2015年8月21日3兆5871億円
2016年11月25日2兆400億円→2017年3月31日2兆6256億円
裁定買い残は・・・。
2014年9月26日3兆6320億円→2015年1月16日2兆3135億円
2015年5月29日3兆6997億円→9月4日1兆7408億円
→11月27日3兆4511億円→2016年9月9日3326億円
2016年12月30日2兆431億円→4月21日1兆3901億円

24日に日銀で講演したバーナンキ元FRB議長。
「物価上昇率と政策金利が2%になれば政府債務のメイもうGDO比率は21%減少」。
「財政出動や減税で生じる政府債務の悪化を相殺するため日銀は物価目標を一時的に引き上げても良い」。
強いインフレは円の価値が大きく下がる。
そうなれば円建ての債務は実質的に目減りする。
数字の操作の魔術に過ぎないが現実のことでもある。
日銀が円の価値を大幅に薄めると約束すれば財政悪化への懸念は払拭できるという。
次の景気後退期への備えとして金融緩和の余地を作ることが重要だともいう。
これは危険な発想であるとともに実に現実的発想に聞こえるのは気のせいではなかろう。
そして、前FRB議長がこう言うからには、円安許容の姿勢がNYにはあるとも読みたいところでもある。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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