2017年09月3週
《マーケットストラテジーメモ》09月3週
【推移】
【推移】
11日(月):
週末のNY株式市場はマチマチの動き。NYダウは反発、NASDAQは反落、S&P500は続落。大型ハリケーン「イルマ」の接近を警戒した市場心理が優勢との解釈。特にエネルギー関連セクターの軟調が目立った。週間では各指数ともに3週間ぶりの反落。10年国債利回りは2.055%と低下。NY連銀のダドリー総裁は「緩やかな利上げが望ましい」とコメント。年内の追加利上げ観測が後退する中でドルは主要6通貨バスケットに対し約2年半ぶりの安値を更新。ユーロも対ドルで2015年1月以来の高値を更新。週間では1.4%上昇、年初からは約14%上昇している。ドル円は一時107.33円と、約10カ月ぶりの円高水準。週間では2.2%下落し約13カ月ぶりの大幅な円高トレンド。アレコレ言われる割には、VIX(恐怖)指数は12.12レベルでしかない。
週末メジャーSQ当日の日経平均株価は反落4月29日以来4カ月半ぶりの安値となった。SQ値19278円は終値ベースで上回れずの結果。北朝鮮情勢への警戒感に加え、メキシコでの地震発生を受け後場一段安の格好だった。「核ミサイル危機に2個目のハリケーン。そしてマグニチュード8のメキシコ沖地震まで織り込んでしまった円高・株安の波。もう、これ以上怖いものはないくらいに警戒感を織り込んでしまった相場」という声が聞こえる。
週間では約416円の下落で週足は陰線。週間ベースで日経平均株価は2.1%安で3週ぶり下落。TOPIXは2.0%安で4週ぶりの下落。東証マザーズ指数は8.5%安で4週ぶり反落。日経ジャスダック平均は2.3%安。東証2部指数は1.3安で5週ぶりの反落。罫線の紙芝居的には期待感が薄い。驚きをこよなく愛する株式市場は「大きなポジティブサプライズ」を欲しているような気もしないでない。イスラムのヒジュラ暦の新年まであと10日。
週末に行われたNNNの世論調査。安倍内閣支持率は42.1%。4か月ぶりに不支持(41.0%)を上回った。一方、民進党で新しい代表に選ばれた前原氏については「期待する」が33.4%。「期待しない」が52.9%。北朝鮮問題が内閣支持率を押上げ、内輪もめが野党の自滅点。北朝鮮に対する態度は「対話を呼びかける」が29.4%。「経済制裁などの外交的圧力」は49.7%。「軍事行動など武力行使」は10.6%。心理的には結構過激な印象が残った。
興味深いのはゴルフ会員権価格の値上がりの報道。8月の関東圏平均売買単価(主要150コース)は173.6万円。2カ月連続で前年上回り、昨年末で9.3%上昇したという。高額コースに法人需要が戻ってきているとの解釈だ。平均単価は2014年3月から今年6月まで前年を下回っていたから結構変化。あちらもこちらも「今週は上値の重い展開を予想する」。
証券会社のレポートも証券マスコミも同様だった。しかし明けてみれば、大幅高の月曜日。市場は「驚き」を求めるし、皆が行って欲しい動きには逆らうものだというのがよく分かる展開。「人の裏」に道がある訳ではなく、大多数の意見が重複するとそれは間違いになりやすいというのが市場。
週明けの日経平均は反発。TOPIXは上昇幅を縮小したが日経平均は高値圏のままだった。「TOPIXは前場に8月7日高値を起点に9月1日高値を通る右下がりの上値抵抗線のフシまでほぼ到達」という声もある。「海外投資家の日本株への買い戻しが月曜1日だけで終わるほど、これまで売り越してきた金額は小さくない」という見方も登場した。「財務省は日本郵政株の一部1.4兆円規模の追加売却を行うと発表。
株価の先行きに自信を持っているのだろう」という声もある。日経平均の日足は陽線。200日線(19411円)をクリアし25日線(19554円)で頭を押さえられたが「形は悪くない」とも。日経平均株価は270円高の19545円と反発。上昇率は6月2日(1.59%高)以来およそ3カ月ぶりの大きさ。
TOPIXも反発し1600ポイント台を回復した。朝方は一方的な買い優勢の展開だったが後場はドル円が円高傾向となったことからプラスながら上値の重い展開。「25日線(19554円)に頭を押さえられた」という声も聞こえる。
もっとも200日線(19441円)、9月メジャーSQ値19278円はクリアしており久々の「幻のSQ値脱却」の状態。東証1部の売買代金は1兆9899億円と4営業日ぶりに2兆円を下回った。値上がり銘柄数は1617で全体の79%。新高値銘柄は144。新安値銘柄数は20。日電産、ソニー、村田、エーザイ、キーエンス、OLC、安永、WSCOPEが上昇。日本郵政、ヤマト、キリン、住友鉱、ユニチャームが下落。
12日(火):
週明けのNY株式は大幅続伸。NYダウの上昇幅は3月1日以来ほぼ半年ぶりの大きさ。8月7日に付けた過去最高値まであと60ドルの水準まで回復した。北朝鮮が建国記念日にミサイル発射などの挑発行為を行わなかったことを好感しての買い物優勢。「リスクオフの巻き戻しの動き」という解釈だ。
週末に米フロリダ州を直撃したハリケーン・イルマは熱帯低気圧化。停電被害は大きかったものの被害額は警戒されたほど大きくないとの観測も見られた。起こるかも知れないネガティブな可能性が起こらなかったということ。単に買い戻しでも上昇する地合いというのは悪くは無い。
NASDAQ総合株価指数は大幅に反発。VIX(恐怖)指数は10.73まで低下した。一時は1日に付けた最高値を上回る場面もあった。アップルは5日ぶりの反発。フェイスブック、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど主力株が軒並み上昇。S&P500株価指数は3営業日ぶりに反発。8月7日に付けた過去最高値をほぼ1カ月ぶりに更新した。債券と金は下落。原油先物は上昇。12月の利上げ確率は前週末の31.0%から41.9%まで急回復した。
為替は109円台半ばへの急速な円安トレンド。北朝鮮の不作為、ハリケーンの不作為などがもたらしたNY株高を踏襲した格好での続伸期待。通常、市場は何か起こったことに反応するものだが、起こらなかったことにも反応するものだ。
意外高という印象だった日経平均。上昇は予想されたものの終始19700円台をキープというのは強い動きだった。火曜の後場から上昇幅を拡大したのは久しぶり。大幅続伸で8月8日以来約1カ月ぶりの水準を回復した。「買い戻し中心。先物中心」という指摘があるが新高値銘柄は180(前日144)。現物が高値を取っている事実は見逃すべきではないだろう。新安値はわずかに6銘柄だった。
月曜が270円高、火曜が230円高で2日合計500円高。「火曜の上昇幅をもう一回乗せれば8月8日以来の2万円台の大台回復。9月1日の19691円を上抜いてW底形成。月足は陽線に転じた。戻りを試すという言葉が久々に実感を持ってきた」という声も聞こえる。
日経平均株価は230円高の19776円と続伸。8月8日以来、約1カ月ぶりの高値水準。国連安全保障理事会による北朝鮮への制裁決議の採択などにより米朝軍事衝突が回避できるとの見方が強まったことから投資家の運用リスク回避の姿勢が後退し買い戻し優勢の展開。「新規の買いは限定的」との声も聞こえる。
東証1部の売買代金は概算で2兆2254億円。東証1部の値上がり銘柄数は1503と全体の74%。ファストリ、パナソニック、任天堂、日電産、SMC、資生堂、T&D、チタンが上昇。ソニー、ダイキン、大塚HD、コマツ、KDDI、NTT、gumiが下落。
13日(水):
NY株式市場は続伸。S&P500は終値での過去最高値を連日で更新した。「iPhone」の新モデルを発表したアップルは軟調。しかしNASDAQは終値ベースの最高値を更新。背景は警戒感と懸念の後退。安全資産としての債券が売られ国債利回りが上昇したことで金融セクターが上昇した。
10年債入札は、最高落札利回りが2.18%と昨年11月以来の低水準。応札倍率は2.28倍と、前月(2.23倍)をやや上回ったが平均(2.42倍)を下回った。30年債利回りは2.775%と前営業日の2.739%から上昇。一時2.788%と3週間ぶり高水準をつける場面があった。債券利回りの上昇を受けドル円はドル高円安トレンド継続。
14日発表予定の8月の米消費者物価指数が注目されている。「ショートポジションが膨らんでいることを踏まえると、インフレ率が予想を上回ればドルは一段と上昇する可能性がある」と言う声も聞こる。8月のインフレ率が5年超ぶりの高水準となったことを受け英ポンドが対ドルと対ユーロで上昇。「安全資産買いを巻き戻す動き=リスクオン」という格好。
9月8日現在の信用買い残は2兆6858億円と前週比231億円減少。2週連続の減少となった。「個人投資家が信用買いの持ち高を処分する売りが出て買い残が減少」との解釈。信用売り残は前週比236億円少ない9138億円だった。減少は2週連続。4月17日の安値期日到来での踏みはまだある可能性があろうか。
9月SQ値19278円に対しては2勝1敗。
日経平均株価は3日続伸。「三空に買いなし」が格言だが株価は下押すことなく75日線(19863円)をキープした底堅い展開。TOPIXは8月7日の年初来高値(1639.27ポイント)を上回る場面もあった。「25日線(19537円)が右肩下がりの下落トレンドから再び上昇に転換する可能性が高い」。そんな声が聞こえる。
東証1部の売買代金は2兆円台をキープしておりエネルギーは問題ないところ。新高値が202となったことは決して先物ばかりの空中戦ではないことを物語っていよう。日経平均株価は89円高の19865円と3日続伸。8月8日以来、約1カ月ぶりの高値水準。12日の米株式市場で主要3指数がそろって過去最高値を更新し、投資家心理が改善。債権利回りの上昇を背景に金融セクターの上昇が目立った。証券商品先物や銀行など金融株の上昇が指数を押し上げた。1ドル110円台前半まで下落したことから機械や電気機器など幅広い業種に買いが拡大。もっとも急ピッチな上昇を警戒して大引けにかけては上値の重い展開。
東証1部の売買代金は概算で2兆498億円。東証1部の値上がり銘柄数は1314と全体の約6割。パナソニック、日電産、日立、野村、第一生命HD、三井住友FG、菱地所、三井不が上昇。 九州電、住友鉱、OLC、村田製作が下落。
14日(木):
NY株式市場は小幅続伸。主要3指数はそろって終値での最高値を更新した。S&P500の年初来上昇率は11.6%。予想株価収益率は17.6倍で過去10年平均の14.3倍を上回った。年末商戦に向け、前年を43%上回る約10万人を採用すると発表した小売のターゲットが上昇。国際エネルギー機関(IEA)が世界の過剰原油在庫は縮小し始めていると指摘。エネルギー関連も堅調だった。
一方新型スマホ「iPhoneX」の発売を発表したアップルは続落。「価格が高過ぎる。発売日が予想より遅い」というのが理由。とはいえアップル株は年初から前日までに38.9%上昇している。ライアン下院議長のコメント。「9月25日の週に歳入および財政委員会や政府のコンセンサスを反映する概要が公表される」。一応好材料視された。9月8日時点の裁定買い残は前週比1203億円減少し1兆3742億円。2週ぶりに減少。1.3兆円では悪さのしようもない水準。裁定売り残は前週比101億円減少し5422億円。7週ぶり減少の減少となった。
メジャーSQを挟んでの減少で相場観は関係ないと見たほうが良いだろう。15日には「会社四季報」発売で物色動向の拡大期待。しかしその先には19日〜20日のFOMC。日経平均は前場高後場安の展開で4日ぶりの反落となった。4日続伸までリズムを守れなかったところが弱さでもあろうか。3日で600円あまり上昇したことからの高値警戒感が聞こえるが志が低すぎるだろう。
「75日線(19865円)を抜けきれなかったことが敗因。今年の累積売買代金が最も積み上がっているのは19900円〜20100円レベル(推計78兆円)。ココが重い」という声も聞こえる。加えればボリンジャーのプラス2σ(19876円)で頭を抑えられた格好でもある。もっとも25日線(19540円)、5日線(19654円)は下値をサポートした形。
日経平均株価は58円安の19807円と4日ぶりの反落。50円高から71円安までのレンジだった。北朝鮮制裁決議案への反対声明があったが影響は限定的。東証一部の売買代金は2兆2501億円。値上がり683銘柄、値下がり1231銘柄。鳥貴族、東レ、パナ、旭化成が上昇。ソニー、コンコルディ、コマツ、キリンが下落。
15日(金):
NY株式市場はNYダウが過去最高値を更新。S&P500種とNASDAQは反落。ダウ上昇の背景はドイツ銀による目標株価引き上げを好感したボーイングの上昇。
軟調の背景は8月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで利上げ観測が高まったこと。CPIは前月比0.4%上昇し、市場予想の0.3%上昇を上回っての着地。7カ月ぶりの大幅な伸びとなった。
来週のFOMCまでに発表される主要経済指標はこれが最後。12月の利上げの確率は41.3%から、7月以来となる50%超の水準に上昇した。またアップルの続落も重荷となった。国債利回りは上昇。2年債利回りは7週間ぶりの高水準。10年債利回りは一時3週間ぶりの水準となる2.225%まで上昇した。強いCPIの影響は限定的でドルは下落。ムニューシン米財務長官は「トランプ政権による税制改革は富裕層の所得税引き下げを目指すものではない」とコメント。
また「再来週に発表予定の税制改革の枠組みには、具体的な法人税率や企業の利益控除などに関する提案が含まれる」とした。これを好感するかどうかが課題。NYは週末にリーマンショック9周年を迎える。9月第1週の海外投資家は7週連続で売り越し。売越額は2948億円だった。
日経朝刊「大機小機」は「投資家とは誰のことか」。株価の中長期的低迷の原因をコーポレート・ガバナンスコードと結びつけている。結論は「国民が株価上昇の必要性」に「気がついていない」からこうなってきた。投資家とは誰のことか→投資家とは国民と言い換えられる命題となった。いたずらに「リスク回避・抑制や不祥事の防止を過度に強調するのではない」。「持続的且つ中長期的企業価値の向上を図ることが主眼」。
この点では賛成だ。ただコーポレート・ガバナンスコードへの誤解は結構多い。表面ではなく、本質を見ることが必要。日経平均株価は102円高の19909円と反発。8月8日の19996円以来の水準を回復した。北朝鮮のミサイル発射の影響は限定的。後場に上昇幅を拡大したことは3連休控えとしては珍しい、との声もある。
週間では634円の上昇となったが、これは4月24日の週の575円を上回り今年最大。2016年8月の665円以来となる。FTSEの指数組み入れ銘柄の入れ替えもあり東証一部の売買代金は2兆8921億円と増加。値上がり銘柄は1363で全体の67パーセント。アステラス、塩野義、東エレ、野村、マツダが上昇。資生堂、JR東海、大ガスが下落。
(2) 欧米動向
S&P500採用企業のうち499社第2四半期決算を通過したが前年同期比12.4%の増益の見通し。
売上高がアナリスト予想を上回った企業の割合は69.3%。
長期平均の59%、過去4四半期平均の56%を上回った。
第3四半期の1株利益について、悪化もしくは市場見通しを下回ると予測している企業は68社。
改善もしくは市場見通しを上回ると予測した企業は46社。
S&P500企業の今後4四半期の予想株価収益率(PER)は17.9倍とされている。
米国勢調査局が12日公表した2016年の家計所得の中央値は5万9000ドル。
15年の5万7200万ドルから3.2%増加。
1999年に記録した5万8665ドルを上回って過去最高となった。
貧困率は13.5%から12.7%に下がって07年の12.5%に近づいた、
米経済が07〜─09年の間に失った富をほぼ取り戻したことになる。
賃金が停滞しているにもかかわらず所得が増加した背景は労働時間が長くなった人の増加。
米国内で貧困状態にあるのは約4060万人。
2015年に比べて250万人減少。
14年よりは600万人減少。
代別ではシニア層以外のすべてで貧困者が減ったという。
(3)アジア・新興国動向
地政学リスクの目下の代表は北朝鮮。
週末もミサイルを発射した。
前回の発射は8月21日から実施された米韓合同軍事演習への反応。
今回は国連制裁決議案への反応といえよう。
9月19日から開催される国連総会では日米韓などの演説が予定されている。
これもイベント視するべきなのかも知れない。
もっとも市場は慣れてきたという印象は拭えない。
【展望】
スケジュールを見てみると・・・
19日(火):米FOMC(〜20日)、住宅着工件数、経常収支、独ZEW景況感
20日(水):日銀金融政策決定会合(〜21日)、貿易統計、訪日外客数、米イエレン議長会見
21日(木):黒田日銀総裁会見、全産業活動指数、ツーリズムEXPO(〜24日)、東京ゲームショウ(〜24日)、米CB景気先行指数、フォラデルフィア連銀製造業景況感
22日(金):マレーシア休場
2011年以降のメジャーSQ翌週の動きは13勝13敗。
アベノミクススタート以降では9勝9敗。
ほとんど変わりはない。
ところが、2015年6月以降では1勝8敗。
この2年、メジャーSQ明けは分が悪いということになる。
「もしも今週プラスならば2015年後半からの株価の停滞からの脱却の可能性」と大和のレポート。
もう一つは「信用期日」。
制度信用取引での6ヵ月の期日は常に株式相場に影響してきた。
株価の高値形成の約6ヵ月後の安値。
または安値形成の約6ヵ月後の高値。
TOPIXで見てみると・・・。
2012年11月14日722P→2013年5月22日1276P。
2013年6月13日1044P→2014年1月8日1306P。
2014年11月17日1177P→2015年3月23日1592P。
2014年12月17日1352P→2015年6月24日1679P。
2015年8月10日1691P→2016年2月12日1196P。
2015年11月24日1605P→2016年6月24日1204P。
2016年6月24日1204P→2016年12月30日1552P。
2016年11月9日1301P→2017年5月11日1536P。
2016年3月13日1577P→高値期日から半年で9月13日。
2017年4月14日1459P→安値期日から半年で10月14日。
これらの期日は来週までには明けてくる。
足もとの処分売りが一巡することで上値の需給が軽くなり、株価が反発に転じることに期待。
面白いのは安値期日の到来。
4月頃に安値を形成した銘柄群の期日は「買い戻し」期待。
トランプショックの安値期日の今年のGWの動きが記憶に新しいところ。
直近のEV関連相場はフランクフルト自動車ショーが背景だろう。
相場ってそんなに頭の良いものではなく目の前にあるイベントなどが動機になるもの。
というか、それより先を見るほどの余裕も能力もない場所。
これは海外も日本も一緒だろう。
極一握りのスーパーリッチで賢い人だけが自らシナリオを創造する。
表面に出ているフツーのリッチな群れは他人のシナリオに乗ろうとするもの。
そして・・・。
本当に欲しいものがあるときにはその対象にイチャモンをつけるもの。
言い換えれば子供は好きな子にはチョッカイを出すもの。
これが、意外と相場の本質かも知れない。
そこに気がつくと、多少は視界が変わるかも知れない。
イベント的には総理がインドに行くことだって一つのイベント。
数日はインド関連が話題になると読んでも悪くはない。
日本の新幹線方式導入した高速鉄道の建設支援などに約1900億円の円借款供与表明。
原発輸出に向けた枠組みの新設や航空自由化協定の締結でも合意の方向だ。
興味深いのはビットコインに対する見解。
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者は「詐欺だ」。
「ビットコインの存在感が大きくなるにつれ、軋轢も強まりやすくなっている」との指摘。
ダイモン氏は「本物ではない。いつか終わる。
チューリップバブルよりひどい。
最終的には暴落する」などと酷評。
中国は仮想通貨取引所を閉鎖するなどマイナス材料が相次いでいるとの報道だ。
国家の骨格の一つは通貨の発行権。
これを脅かされれば抵抗するのは自明の理。
本物を怖れる既得権益勢力と見たほうが良いのかも知れない。
(兜町カタリスト 櫻井英明)