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Eimei みちしるべ 2016年08月29日
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《Eimei「みちしるべ」》

(8月29日から9月2日の週)

「まんじゅう怖い」ならぬ「ジャクソンホール怖い」で固まった展開。
解きほぐすにはそれなりの好材料が必要になるのだろう。
ただ利上げ=株安という安易な図式は実は時間軸を数か月眺めにすれば過去該当していないのも事実。
今回だってQE3の終了で米国の株価は上昇。
そして昨年の利上げ以降、半年ほどで3指数揃って史上最高値を更新した。
マーケットの常識は世間の非常識みたいなもの。
蟷螂の斧みたいな観測に見えてくるのも致しかたなかろう。
何かを待って閑散かつ動意に乏しい展開はいつもの事と割り切った方が良い。
シカゴ225先物終値は大証日中比変わらずの16540円。
大証夜間取引終値は20円高の16560円。
NYが下げても東京市場は歯牙にもかけていない様相。
空売り比率はまだ42%台。
しかし先週の裁定買い残はわずか611億円とはいえ3週ぶりに増加し5345億円。
日経朝刊では「TOPIX先物の残高が2013年1月以来の低水準。
中長期投資家による日本株先高感の後退」との解釈。
むしろマイナス金利の影響での残高減少と見たい。
減ったものはいつかは増えるのがゼロサム世界のマーケットの定理でもある。

「東証1部企業の4社に1社。公的マネー、筆頭株主に」の日経1面トップ記事。
GPIFと日銀を合わせた公的マネーが東証1部上場企業の4社の1社で実質的筆頭株主。
運用金額130兆円のGPIF。
日本株運用比率は25%。
日銀は年間6兆円の日本株を買う方針。
TDKが17%、アドバンテストが16.5%、トレンドマイクロが15%。
横河14.2%、日東電工14.2%、コムシス13.1%、
クレセゾン12.9%、ファナック12.6%、コナミ12.3%、テルモ12.2%、
日水12.1%、セコム12%、住友重機11.9%。
「市場機能低下も」という懸念も小賢しげに登場しているが、需給はかなり良くなる。
一言でいえばストックショートの時代。
20年前にこの事態を予言した先輩がいた。
何のことやら理解できなかった今にしてみれば公的機関化現象とも言える。
機関化現象とは・・・。
証券市場において、個人投資家が市場への直接参加の度合いが低下。
生命保険会社や投資信託会社などの機関投資家の比率が高まる現象のこと。
個人投資家の比率低下は悩ましいところだが、国内投資家の比率の上昇は悪くない。
全体の7割の売買を海外投資家が行っているのが現実。
だから、為替に注意し、株価材料は海外要因ばかりがクローズアップされる。
国内投資家比率が高まれば年に一度ジャクソンホールで踊ったり、月に一度の雇用統計祭りもなくなろう。
経済指標とイベントスケジュールしか材料のないFXの世界の呪縛からも解き放たれよう。
その時に初めて日本株の主役はこの国に戻ってくるに違いない。

もうひとつ日経1面の内閣支持率にあった小賢しげな解釈。
日銀マイナス金利を「評価する」は33%。
「評価しない」は47%。
物価が「上がると思う」は60%。
「思わない」は33%。
これはこれで健全な数値。
違っているのはその解釈。
「マイナス金利は投資や消費を活発にすることで物価の上昇を促す」。
本当にそうなのだろうか。
マイナス金利で投資が拡大しただろうか。
むしろ導入以来株価は下落基調。
消費も同様だろう。
物価は決して上がっていない。
そもそも・・・。
明日の方が今日より物が高くないのがマイナス金利。
それで物価が上がると思うのが間違っているのは子供でも分かるだろう。
立派な経歴の大人が「マイナス金利は物価上昇の杖」なんて考えているとしたら少し変だろう。
明日の方がモノの値段が高いから人は物を買う。
これが増えれば仮儒の増大につながる。
今はこの仮儒は全くない。
しかも買い控え。
インフレを恐れるばかりにオッカナびっくりのハンドリングでは見間違えようか。


日経平均想定レンジ

下限16635円(8月月足陽線基準)〜上限17109円(200日線)



【9月】11勝15敗(9位)

1日(木) 4〜6月期の法人企業統計、金環日食(日本不可視)、変化日
4日(日) G20首脳会議(中国、杭州〜5日)
5日(月) レイバーデーでNY休場
8日(木) ECB理事会・記者会見
9日(金) メジャーSQ、ポイントの日
11日(日)G7保険相会議(神戸〜12日)
15日(木)ゲーム見本市東京ゲームショー(幕張〜18日)、上げの特異日
16日(金)変化日
17日(土)満月
18日(日)上げの特異日
19日(月)敬老の日で休場
20日(火)米FOMC(記者会見あり〜21日)、世界最大の鉄道技術見本市イノトランス(ベルリン〜23日)、世界最大の写真・映像機器見本市フォトキナ(ケルン〜25日)
21日(水)日銀金融政策決定会合(〜22日)
22日(木)秋分の日で休場、ハノーバー国際自動車ショー(〜29日)、水星順行開始
24日(土)G7交通相会合(軽井沢〜25日)
26日(月)米大統領選第1回テレビ討論会
28日(水)変化日
29日(木)パリ国際自動車ショー(〜10月16日)

【10月】

上旬ノーベル賞の発表

1日(土) 中国・国慶節(〜7日)、新月
3日(月) 日銀短観、変化日、ヒジュラ暦の新年
4日(火) 投資の日、上げの特異日、米大統領選副大統領候補テレビ討論会
7日(金) IMF・世銀総会(ワシントン、〜9日)
10日(月)体育の日で休場、コロンブスデーでNY為替休場
11日(火)ポイントの日、大幅高の特異日
14日(金)大幅高の特異日
16日(日)満月、上げの特異日
17日(月)IAEA核融合エネルギー会議(京都〜22日)
19日(水)文部科学省が「スポーツ・文化・ワールドフォーラム」開催、米大統領選テレビ会議
20日(木)ECB理事会・記者会見、EU首脳会議(〜21日)、上げの特異日
21日(金)変化日
27日(木)変化日
28日(金)大幅高の特異日
30日(日)EUがサマータイム終了
31日(月)日銀金融政策決定会合(〜1日)、展望リポート、新月
30日(日)EUがサマータイム終了
31日(月)日銀金融政策決定会合(〜1日)、展望リポート、新月

因みに昨年のヒジュラ暦の新年は10月14日が正月。
昨年までその後10日は7連勝だった。
昨年の10月14日。
日経平均17891円→10月27日18777円。
NYダウ16924ドル→10月27日17581ドル。
これで7連勝となった。
新年度はムラッサムというがまさにムラッサムアノマリー成立だった。
毎年買い戻し中心という解釈だがどうなのだろうか。
というか、ヒジュラの新年で上がるなら9月は買い場という解釈もできようか。


(兜町カタリスト 櫻井英明)


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