Eimei みちしるべ 2015年10月05日

(10月5日から10月9日の週)
ネガティブな雇用統計でNY市場は右往左往の末に金融緩和延長好感というポジティブ解釈。
一方で7~9月の米企業業績は4%減益と6期ぶりの減益予想。
金融相場から業績相場への移行がまだ叶わぬ以上、低金利の継続は好感する。
奇妙なのは米低金利継続ならば、本来円高に向かわなければいけないのにそうでもないこと。
今週の日銀に何らかの動きを想定しているのとすれば結構な読みとなる。
例年魔物が棲むと言われる10月。
昨年も10月17日が底値だった。
今年も相変わらずの展開ならば格好の押し目ということになる。
因みに、大和のテクニカルレポートは「投資の日」。
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10月4日は「投資の日」。
語呂合わせで決められた日付だが、実は投資を始めるタイミングとしても侮れない。
「投資の日」から6ヵ月後までの日経平均のパフォーマンス。
過去10年では8勝2敗で、平均騰落率もプラス10.3%と高い。
2014年23.7%、13年7.4%、12年43.2%、11年16.1%。
10年3.6%、09年16.0%と6年連続での上昇。
リーマンショックの08年マイナス20%、07年マイナス22.2%。
しかし06年9.1%、05年25.9%。
8割の確率のアノマリーに賭けても良いのかも知れない。
土曜のストボフォーラムで武者さんが紹介してくれた本が面白そうだ。
日経から出た「ザ・セカンド・マシン・エイジ」(エリック・ブリニョルフソン著)。
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前著『機械との競争』で衝撃を与えたマサチューセッツ工科大学のコンビ。
膨大な調査・研究に基づいたテクノロジーと未来を描いた全米ベストセラー
蒸気機関の発明によるファースト・マシン・エイジは18世紀後半に始まった。
いま、コンピュータを中心としたセカンド・マシン・エイジに突入した。
人工知能の急速な進歩によるデジタル・イノベーションは、グーグルの自動運転車やチェスやクイズで
人間のチャンピオンを圧倒する人工頭脳ワトソンなどに象徴されている。
しかし、まだまだ序の口に過ぎない。
人類は蒸気機関によってもたらされたと同様の、
それまでとグラフの向きが変わり始める点である「変曲点」にさしかかったと著者たちは見る。
人工知能の進化によって、これまでは不可能と見られていた仕事がロボットに置き換わっていく。
その結果、消えていく職業は多い。
人間は機械と共存できるのだろうか。
ビジネスマン、経営者だけでなく、子供の将来を真剣に考える親たちの必読書でもある。
さあ、マシン(人工知能)と分業する時代をどう生きる?
「機械との競争」コンビが贈る近未来経済学。
結局株式市場も翻訳の世界。
そう考えれば周回遅れの影響は出てくるのだろうと考える。
日経平均想定レンジ
下限17699円(PER14倍)~上限19108円(200日線)
月曜日経では「TPP大筋合意へ」の大きな見出し。
アジア太平洋地域に世界全体の約4割を占める巨大な経済圏が誕生する。
地球規模での経済圏誕生と考えれば良い方向。
我を張りとおしたアメリカも我慢とか辛抱と言うことを知ったような気配。
相場も結構面白くなってこようか。
そしてノーベル賞の時期。
5日は生理学・医学賞の発表が予定されている。
免疫とかがんというのが期待の星。
日本人が受賞すればバイオベンチャー相場復活ののろしとなるのだが・・・。
7日の夕刻発表予定の化学賞ではリチウムイオン二次電池に期待感。
これも相場テーマとなりえようか。
(兜町カタリスト 櫻井英明)