Eimei みちしるべ 2015年11月08日
《Eimei「みちしるべ」》
(11月9日から11月13日の週)
株価動向の上下の因果関係というのは得てして逆に考えられることが多いような気がする。
例え米雇用統計。
市場は雇用統計が原因となってその後の株価が推移すると見がちなもの。
しかし雇用統計の結果がどうであろうと、その後の結果はその前の相場の展開によるのではなかろうか。
あるいは雇用統計発表前の相場動向によって雇用統計の結果への解釈が左右されるのではなかろうか。
こういった視点の逆転現象が相場を見えにくくしているような気がする。
株式市場は複雑思考のできない単細胞な場所。
だから二つ以上のことを材料にして未来を考えることはなかなかできない。
いつも 一つの材料を強調してその後の展開を考える。
その最たるものが雇用統計だろう。
NY市場で株価が上昇マインドにあるのであれば雇用統計が悪ければ「低金利継続期待」で株価は上昇する。
逆に雇用統計が良ければ「好調な景気状態」を背景にやはり上昇する。
雇用統計の結果の如何にかかわらず株価は雇用統計を通過し好解釈を背景に上昇するのだ。
逆も同様でNY市場で株価が下落下落マインドにあるときに好調な雇用統計であれば「金利上昇懸念」で株価は下落。
あるいは、雇用統計が悪化すれば「景気後退懸念」で株価は下落。
雇用統計通過後のシナリオは既に出来ていると言っても過言ではなかろう。
これは米FRBによる「は金利引き上げ」についても同様だろう。
あるいは 日銀の金融政策やECBの動向、中国の景気対策についても同様と思える。
結果は、通過の前の相場動向に示されており、その解釈は結果にかかわらず既定路線。
サプライズなどよほどのことがない限り起こらないものだ。
ところが市場は「雇用統計祭り」や「日銀金融政策決定会合祭り」をいつも迎えて一喜一憂。
イベントスケジュールだけが喧伝される。
しかしスケジュールだけにはやけに詳しいが中身については結論のない事前予想ばかり。
この愚かさに付き合っていると相場はますます見えにくくなる。
シナリオは自分でつくるものだし、経済スケジュールに詳しいからといって相場で儲かる訳ではない。
そういえば・・・。
郵政の上場が起爆剤となって株価が上昇した訳ではなか ろう。
株価が復調だったからこそ郵政上場が成功した。
逆に考えれば郵政が見事な上昇を果たすためには株価の復調は確かに必要だったことは間違いない。
そして、問題は上場以降の展開。
まだ政府持ち株の放出を控えている以上、セレモニーはこれで終わりではない。
イベントの第2弾、第3弾を成功裡に導くためには第1弾を長い時間をかけて成功したという演出は必要だろう。
10年以上にわたる長い時間をかけてきた最後の大型放出だけにそのぐらいのプランはあるだろう。
そう考えれば、今日や明日の株価動向など小さいこと。
壮大な時間軸で物事を考えたい。
そしてできれば命題はひっくり返して考えたいもの。
市場が唱える「AだからB」ではなく「BのためのA」あるい は「BだからA」。
そう考えることで相場解釈でつじつまが合わないことは結構減ってくる筈である。
相場は素直に見ることはが必要だが、解釈は少し「ひねくれて」いた方が良い。
だから相場巧者は「偏屈」なのかも知れない。
日経平均想定レンジ
下限19195円(75日移動平均)〜上限20033円(8月20日窓開け水準)
日経平均日足の一目均衡の雲の上限(18967円)を抜けてきた。
週足の雲は既に10月第2週から抜けている。
ということは目先だけでなく中期的上昇基調復活と読みたいところ。
週末はオプションSQ。
2日新甫は必ず13日の金曜日がSQになる。
10月SQ値は18137円ではるか下。
9月も18119円で同様 。
8月の20540円は今年の最高値だがこれはまだ背伸びだろうか。
まずは7月の19849円奪還と考えたいところ。
そして6月の20473円。
酉の市ごとに復活してくれれば理想なのだが・・・。
日銀が今年買ったETFは2兆5577億円。
REITは802億円。
13年以降累計でETFが6兆4059億円、REITが2584億円。
これも実は結構な数字ではある。
今後は手かせ足かせが外れてゆうちょ銀やかんぽ生命が結構フリーな運用ができるようになる。
そう考えると、外資の欲望も露出してこようし、国内からの運用期待も高まろう。
これが郵政株売り出しの裏側の背景でもあろうか。
大和のレポートは「上期の株価マイナスのアノマリー」。今年4〜6月の日経平均は10%近くの下落だった。
1975年→2014年の40年間で日経平均が上期に下落したのは18回。
そのうち下期に上昇したのは12回で上昇確率66.7%(平均騰落率4.7%)。
そして下落した18回のうち10月に上昇したのが10回。
そのうち下期上昇となったのは9回で上昇確率90%(平均騰落率15.9%)。
因みに10月が下落したのは8回。
そのうち下期上昇となったのは3回で上昇確率37.5%(平均騰落率マイナス9.3%)。
結論は上期下落→10月上昇→下期上昇の確率90%となろうか。
(兜町カタリスト 櫻井英明)
(11月9日から11月13日の週)
株価動向の上下の因果関係というのは得てして逆に考えられることが多いような気がする。
例え米雇用統計。
市場は雇用統計が原因となってその後の株価が推移すると見がちなもの。
しかし雇用統計の結果がどうであろうと、その後の結果はその前の相場の展開によるのではなかろうか。
あるいは雇用統計発表前の相場動向によって雇用統計の結果への解釈が左右されるのではなかろうか。
こういった視点の逆転現象が相場を見えにくくしているような気がする。
株式市場は複雑思考のできない単細胞な場所。
だから二つ以上のことを材料にして未来を考えることはなかなかできない。
いつも 一つの材料を強調してその後の展開を考える。
その最たるものが雇用統計だろう。
NY市場で株価が上昇マインドにあるのであれば雇用統計が悪ければ「低金利継続期待」で株価は上昇する。
逆に雇用統計が良ければ「好調な景気状態」を背景にやはり上昇する。
雇用統計の結果の如何にかかわらず株価は雇用統計を通過し好解釈を背景に上昇するのだ。
逆も同様でNY市場で株価が下落下落マインドにあるときに好調な雇用統計であれば「金利上昇懸念」で株価は下落。
あるいは、雇用統計が悪化すれば「景気後退懸念」で株価は下落。
雇用統計通過後のシナリオは既に出来ていると言っても過言ではなかろう。
これは米FRBによる「は金利引き上げ」についても同様だろう。
あるいは 日銀の金融政策やECBの動向、中国の景気対策についても同様と思える。
結果は、通過の前の相場動向に示されており、その解釈は結果にかかわらず既定路線。
サプライズなどよほどのことがない限り起こらないものだ。
ところが市場は「雇用統計祭り」や「日銀金融政策決定会合祭り」をいつも迎えて一喜一憂。
イベントスケジュールだけが喧伝される。
しかしスケジュールだけにはやけに詳しいが中身については結論のない事前予想ばかり。
この愚かさに付き合っていると相場はますます見えにくくなる。
シナリオは自分でつくるものだし、経済スケジュールに詳しいからといって相場で儲かる訳ではない。
そういえば・・・。
郵政の上場が起爆剤となって株価が上昇した訳ではなか ろう。
株価が復調だったからこそ郵政上場が成功した。
逆に考えれば郵政が見事な上昇を果たすためには株価の復調は確かに必要だったことは間違いない。
そして、問題は上場以降の展開。
まだ政府持ち株の放出を控えている以上、セレモニーはこれで終わりではない。
イベントの第2弾、第3弾を成功裡に導くためには第1弾を長い時間をかけて成功したという演出は必要だろう。
10年以上にわたる長い時間をかけてきた最後の大型放出だけにそのぐらいのプランはあるだろう。
そう考えれば、今日や明日の株価動向など小さいこと。
壮大な時間軸で物事を考えたい。
そしてできれば命題はひっくり返して考えたいもの。
市場が唱える「AだからB」ではなく「BのためのA」あるい は「BだからA」。
そう考えることで相場解釈でつじつまが合わないことは結構減ってくる筈である。
相場は素直に見ることはが必要だが、解釈は少し「ひねくれて」いた方が良い。
だから相場巧者は「偏屈」なのかも知れない。
日経平均想定レンジ
下限19195円(75日移動平均)〜上限20033円(8月20日窓開け水準)
日経平均日足の一目均衡の雲の上限(18967円)を抜けてきた。
週足の雲は既に10月第2週から抜けている。
ということは目先だけでなく中期的上昇基調復活と読みたいところ。
週末はオプションSQ。
2日新甫は必ず13日の金曜日がSQになる。
10月SQ値は18137円ではるか下。
9月も18119円で同様 。
8月の20540円は今年の最高値だがこれはまだ背伸びだろうか。
まずは7月の19849円奪還と考えたいところ。
そして6月の20473円。
酉の市ごとに復活してくれれば理想なのだが・・・。
日銀が今年買ったETFは2兆5577億円。
REITは802億円。
13年以降累計でETFが6兆4059億円、REITが2584億円。
これも実は結構な数字ではある。
今後は手かせ足かせが外れてゆうちょ銀やかんぽ生命が結構フリーな運用ができるようになる。
そう考えると、外資の欲望も露出してこようし、国内からの運用期待も高まろう。
これが郵政株売り出しの裏側の背景でもあろうか。
大和のレポートは「上期の株価マイナスのアノマリー」。今年4〜6月の日経平均は10%近くの下落だった。
1975年→2014年の40年間で日経平均が上期に下落したのは18回。
そのうち下期に上昇したのは12回で上昇確率66.7%(平均騰落率4.7%)。
そして下落した18回のうち10月に上昇したのが10回。
そのうち下期上昇となったのは9回で上昇確率90%(平均騰落率15.9%)。
因みに10月が下落したのは8回。
そのうち下期上昇となったのは3回で上昇確率37.5%(平均騰落率マイナス9.3%)。
結論は上期下落→10月上昇→下期上昇の確率90%となろうか。
(兜町カタリスト 櫻井英明)