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【株式・為替相場展望】米国株睨みで不安定

■日経平均2万円目指す流れに変化なし、為替は117円〜119円のレンジ相場から抜け出しドル高へ

 3月9日〜13日の株式・為替相場は、米国株睨みでやや不安定な展開が想定される。

 大勢として為替はドル高・円安方向、日経平均株価は2万円を目指す流れに変化はないが、米2月雇用統計で米FRB(連邦準備制度理事会)による利上げが意識されて大幅下落した米国株が、17日〜18日の米FOMC(連邦公開市場委員会)に向けて調整色を強める可能性があり、週末13日のメジャーSQ(先物・オプション特別清算指数)算出を控えて波乱含みの可能性もあるだろう。

 6日発表の米2月雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比29.5万人増加となり、市場予想の24万人増加を大幅に上回った。増加数が20万人を超えるのは12ヶ月連続で、94年以来で最長となった。失業率は同0.2ポイント低下の5.5%で08年5月以来の低水準となった。時間当たり賃金は前月比で0.03ドル増加し、前年比では2.0%の上昇となった。

 米FRB(連邦準備制度理事会)による6月利上げ開始観測を後押しする結果となり、米国市場は債権安、ドル高、株安で反応した。米10年債利回りは2.2%台後半まで上昇し、為替は1ドル=121円20銭台までドル高・円安方向に傾いた。一方で米国株はダウ工業株30種平均株価が前日比278ドル94セント安と大幅に下落した。

 そして17日〜18日の米FOMC(連邦公開市場委員会)に向けて、目先的には米FRB(連邦準備制度理事会)による6月利上げ開始を意識する動きが広がり、米国市場では債権安、ドル買い、株安の動きを強める可能性があるだろう。また9日のECB(欧州中央銀行)の量的緩和策による国債買い取り開始もユーロ売り・ドル買いに繋がりそうだ。

 このため為替のドル・円相場は、1ドル=117円〜119円のレンジ相場から抜け出して、ドル高・円安方向に傾く可能性が高いだろう。

 ただし日本株に関しては、テクニカル面での目先的な過熱感が警戒されていることに加えて、米国株が調整色を強める可能性があるだけに、米国株を睨みながらやや不安定な動きとなりそうだ。

 また週末13日のメジャーSQ(先物・オプションの特別清算指数)算出を控えて、2月に先物を大幅に買い越した海外投資家の一部が買いポジションを解消するのではないかとの観測もあり、波乱含みの可能性もあるだろう。

 物色面では、3月期末に向けて高配当利回り・株主優待関連銘柄を物色する流れは継続しそうだが、高値水準にある主力大型株には一旦は利益確定売りが優勢となる可能性がありそうだ。一方で、出遅れ感の強いマザーズ市場を中心とする中小型株や材料株に資金がシフトする可能性があるだろう。

 ただし大勢としては、国内要因でアベノミクス成長戦略の具体化、4月の統一地方選に向けた地方創生戦略、日銀の追加金融緩和第3弾に対する期待感、さらに原油価格下落メリットの本格化、インバウンド消費の増加、株価上昇に伴う高額消費の活発化、賃金上昇による消費マインド改善、製品価格改定(値上げ)の浸透などで、16年3月期の企業業績拡大基調が日本株押し上げ要因であることに変化はない。

 また需給面では、日銀によるETF買い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株買いが下支え要因であることにも変化はない。

 その他の注目スケジュールとしては、9日の日本10〜12月期GDP2次速報、日本1月国際収支、日本2月景気ウォッチャー調査、10日の中国2月PPI・CPI、11日の日本1月機械受注、中国2月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、12日の日本1〜3月期法人企業景気予測調査、日本2月消費動向調査、米2月小売売上高、米2月輸出入物価指数、13日の米3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。

 その後は、3月16日〜17日の日銀金融政策決定会合、17日〜18日の米FOMC(連邦公開市場委員会)などが予定されている。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)