話題レポート
【株式・為替相場展望】
重要イベントやGW連休を控えてやや慎重ムード |
4月27日〜5月1日の株式・為替相場は、重要イベントや日本のGW連休を控えてやや慎重ムードとなりそうだ。
今週は重要イベントとして、4月28日の日米首脳会談、28日〜29日の米FOMC(連邦公開市場委員会)および29日のイエレン米FRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見、30日の日銀金融政策決定会合・展望レポートおよび黒田日銀総裁の記者会見があり、日本の主要企業の3月期決算発表も本格化する。そして日本市場では5月2日〜6日のGW連休を控えている。
28日〜29日の米FOMCおよび30日の日銀金融政策決定会合では、いずれも金融政策の現状維持が予想されている。特に米FOMCに関しては「4月に利上げを開始しない」ことが明言されている。
30日の日銀金融政策決定会合に関しては、追加金融緩和第3弾「黒田バズーカ3」を期待する見方が一部にあり、日経平均株価を4月23日の取引時間中の高値2万252円12銭まで押し上げる一因となったようだ。ただし日本市場では5月2日〜6日のGW連休を控えているだけに、市場の期待に反して現状維持だった場合の反動に注意が必要となる。
そして今週は日本の主要企業の3月期決算発表が本格化する。好業績銘柄に対する個別物色の動きが強まりそうだ。ただし16年3月期業績に対する期待感のハードル(市場コンセンサス)が高くなっている。それを上回る会社見通しを公表した場合には素直に好感されそうだが、会社側が慎重な見通しを公表した場合には失望感と称する目先的な売りが優勢となる可能性が高いだけに波乱要因となる。
また常識的には日経平均株価が上値を追うには循環物色が欠かせないが、引き続き指数寄与度の高い銘柄を中心に買われて物色が広がらず、市場・セクター・銘柄間での二極化が進むのかも注目点だ。4月24日時点の東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は97.11%まで低下した。二極化が一段と進めば、日経平均株価やTOPIXといった主要株価指数は過熱感のない上昇トレンドが継続することになりそうだ。
為替のドル・円相場に関しては日米欧の金融政策の方向性の違いを背景に、大勢としてドル高・円安方向の流れに変化はないが、当面は米国の主要経済指標や企業業績を睨みながら米FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ開始時期を巡る思惑が交錯する。米10年債利回りが本格的に上昇してこないだけに当面は膠着感を強めそうだ。ギリシア問題に対する警戒感でユーロ売りの動きが強まれば、ドル・相場でもリスク回避の円買いが強まる可能性があるだろう。
ただし全体として特段の日本株売りや円買い要因は見当たらない。日銀によるETF買い、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株買いや外国債券買いも引き続き安心感に繋がる。生損保の外国債券買いの動きも円安要因だ。一時的な調整も必要だが、日本経済の再生や企業業績の拡大をテーマとして株高・円安基調に大きな変化はないだろう。
その他の注目スケジュールとしては、28日の米2月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米4月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、29日の米1〜3月期GDP速報値、米3月中古住宅仮契約指数、安倍首相の米上下両院合同会議演説、30日の日本3月鉱工業生産、ユーロ圏4月消費者物価指数、米3月個人所得・消費支出、米4月シカゴ購買部協会景気指数、5月1日の日本3月失業率・有効求人倍率、日本3月家計調査、日本3月毎月勤労統計、日本3月全国・4月東京都区部消費者物価指数、中国4月製造業PMI、米4月ISM製造業景況指数、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数などがあるだろう。
その後は5月8日の米4月雇用統計などが予定されている。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR アナリスト水田雅展より)