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【どう見るこの相場】個人投資家の買い出動の条件は?
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<個人投資家の買い出動の条件は?>

■今年1〜4月は個人3.7兆円売越す、日経平均3万円のシナリオが打ち出せるか

<Q>最近、個人投資家は株を売り越していると聞くが。

<A>今年1月から4月末までの主体別売買動向によると個人投資家の現物株売り越し額が約3兆7000億円に達している。

<Q>背景は何か。

<A>個人は2013年に買った株を日経平均が2万円台に乗せる相場上昇の過程で利食いを先行させてきたとみられる。ただ、3月の第3週と第4週は大きく買い越しているが、これは配当を取る狙いだったと思われる。

<Q>個人の売り越しに対し誰が買い越しているのか。

<A>外国人投資家の一手買いといえる状況だ。年金等の金融機関や投信等はほぼトントンといった状況だ。

<Q>外国人投資家の買いの背景は何か。

<A>明確には分からないが、欧州の量的金融緩和で資金が日本に向かった可能性がある。また、アメリカの利上げ接近などNY市場の先行き不透明感からも日本市場にグローバルマネーが向かった可能性がある。外国人投資家の買い越しと歩調を合わせるように日経平均はNYダウに対し上ザヤ拡大が続いた。

<Q>今後、日本の個人はどう動くだろうか。

<A>今後も好利回り銘柄の下値には買いが予想される。ただ、値上がり益狙いという視点では、日経平均が2万円台に乗せたことで個人の間には達成感が強いようだ。この2万円水準で買うためには、少なくとも日経平均3万円、できれば最高値の3万8915円(1989年12月)更新という説得あるシナリオが必要だろう。安倍政権が日経平均の2万円達成で満足しているのではないかと受け取られるなら個人は引き続き売り越しの姿勢を変えないだろう。足元で安保などに軸足が移っている政策がどの時点で経済・景気に戻り、成長シナリオを打ち出せるかがポイントとなりそうだ。


(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)