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【株式展望】日経平均12日連騰で短期的には買い疲れ感台頭

日経平均は2万円台乗せが2度目となった去る5月19日以降、2万円台の滞留期間がほぼ1カ月近くとなる。過去のケースでは、長い滞留期間の後は調整入りしているケースが多く、ここからの上値は重いのではないかとみられる。

 とくに、短期的にみれば、日経平均が6月1日まで12日間の連騰となったことが買い疲れ感と警戒感につながっている。この間、かなりの円安に振れのだが、日経平均が12日間連騰とは言うものの、期待したほど上値を伸ばせなかった。

 個別銘柄でみても空売りの多い日産自動車は年初来高値を更新しているが、信用買残の多いトヨタ自動車は3月24日につけた年初来高値8783円を抜くことができないでいる。全体相場でも個別銘柄でも上値に対する警戒感は根強いといえる。

 NYダウも底堅いものの高値圏でモミ合っている。今夕発表の雇用統計は悪くなさそうだから、今夕のNYダウは反発に転じるだろう。しかし、利上げの時期と利上後の米国景気と企業々績を見極めようとする雰囲気は引き続き強い。NYダウが一気に上値を追うことも難しいのではなかろうか。

 需給面では、個人の売り、外国人投資家の買いという流れが続いている。ただ、買い一貫だった外国人投資家に買い疲れ感があるとの報道もされており、外国人買いが縮小するようだと日経平均はストンと下げる可能性はありそうだ。下げれば年金等の買いや下げを待っている個人投資家の買いも予想されるため大きい下げもなさそである。

 仮に、外国人買いが一服になるとすれば、物色銘柄に変化が出そうだ。これまでの高ROE優良銘柄から徐々に出遅れ優良銘柄や内需系の材料含み銘柄に物色の矛先が向かう可能性は高まりそうだ。実際、ひと頃に比べるとマザーズ、ジャスダックなどの新興系銘柄に新高値が増えるなど元気の好い動きがみられる。

 ここからは、夏枯れを控えていることからも輸出関連から出遅れの内需関連に芽を向けるところだろう。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR=犬丸正寛の相場展望)