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306円高と反発、円下落で輸出関連株に買い
東京株式(前引け)=306円高と反発、円下落で輸出関連株に買い

 
15日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比306円43銭(0.80%)高の3万8842円13銭だった。指数の上げ幅は一時500円を超え、心理的節目の3万9000円を上回った。
 
前日の米株式市場では、利下げ観測が後退したことを受けNYダウが207ドル安と下落した。ただ、日経平均株価は前日まで3日続落し1000円近く下落していたことから東京市場には値頃感からの買いが流入した。また、為替は一時1ドル=156円70銭台まで円安が進行したことも好感され、半導体や自動車、機械など輸出関連株が買われた。好決算を発表したメガバンクも人気を集めた。
 
外国為替市場では日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが広がり、一時156円台後半とおよそ4カ月ぶりの安値をつけた。自動車や機械といった輸出関連が買われ、相場を押し上げた。国内金利の上昇(債券価格の下落)で、利ざや改善期待から銀行や保険など金融セクターの上昇も目立った。円安進行に歩調を合わせて日経平均も上げ足を速める場面があったが、その後は利益確定売りや戻り待ちの売りが出て、伸び悩んだ。
 
足元の米株式市場では大規模な減税などトランプ氏の政策による米経済の活性化を先取りした「トランプトレード」が続いてきたが、14日はダウ工業株30種平均など主要3指数が下落した。
市場では「米国株の上値が重くなるなか、アンワインド(巻き戻し)の動きで日本株が買われてはいるものの、トランプ氏が打ち出す政策を見極める必要もあり、積極的にポジションは取りづらい」との声が聞かれた。
 
トランプ次期政権に対する思惑から、ドルインデックスが106.6水準まで上昇しておりドル独歩高の展開が続いている。トランプ次期政権の財務長官が決まっていない微妙な時期もあり、政府・日本銀行による為替介入の実施が難しいとの見方もある。ただ、株式市場では「円安=株買い」という見方はされておらず、輸出関連銘柄への追い風とはなっていない。足元の日経平均は後場伸び悩むケースが多いことから、本日も上値の重い後場となりそうだ。
 
 
 
東証株価指数(TOPIX)も反発した。前引けは23.13ポイント(0.86%)高の2724.35だった。JPXプライム150指数は反発し、10.93ポイント(0.91%)高の1212.41で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆4071億円、売買高は11億6601万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1040。値下がりは531、横ばいは70だった。
 
業種別では、電力・ガス、海運、輸送用機器、鉱業、保険などが上昇した一方、サービス、その他金融、証券・商品先物取引の3セクターのみ下落した。
 
個別銘柄では、ディスコやレーザーテック、東京エレクトロンが高く、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダが上昇。キーエンスやSMCも堅調だった。好業績や株主還元策などが材料視されてみずほフィナンシャルグループが年初来高値を更新したほか三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、コンコルディア、ふくおか、りそなHDなど銀行株が買われた。
このほか、日本製鋼所、ディスコ、スクリーンHD、日揮HD、キーエンスなどが上昇したほか、昨日急落した関西電力が反発した。
 
一方、通期業績見通しの下方修正などが影響して電通グループがストップ安となったほか、ネクソン、楽天グループが続落。クレディセゾンは純利益見通しを上方修正したものの下落。アサヒグループホールディングスも決算が嫌気されて売られた。このほか、荏原製作所、パナHD、フジクラ、リクルートホールディングス、クボタなどが下落した。