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続落、半導体株下落で一時38000円を割れ
東京株式(前引け)=続落、半導体株下落で一時38000円を割れ
21日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比319円12銭(0.83%)安の3万8033円22銭だった。
 
朝方は売り買い拮抗で日経平均は前日終値近辺でスタートしたが、その後は利食い急ぎの動きが表面化し値を崩した。前日の欧州株市場ではウクライナ情勢を巡る地政学リスクが改めて意識され主要国の株価が揃って下落したが、米国株市場ではNYダウが取引終盤に上昇に転じるなど強さを発揮した。
しかし、引け後発表の米エヌビディアの決算は予想を上回る好内容だったにもかかわらず、時間外取引で値を下げたことから、東京株式市場でも半導体関連の上値が重い展開となり、全体相場の軟調な地合いを助長した。
 
外国為替相場で円高・ドル安が進んだことも重荷となり、心理的節目の3万8000円を下回る場面があった。
 
取引時間中の3万8000円割れは11月1日以来となる。朝方は散発的な先物買いに支えられて小幅高で始まったが、次第に米ハイテク株安を受けた売りが優勢になった。米エヌビディアが20日発表した2024年8〜10月期決算は人工知能(AI)関連の需要が引き続き収益を押し上げ大幅増収となり、市場予想も上回った。もっとも株価は出尽くし感から時間外取引で下落し、東京市場でも半導体のほか電気機器、精密機器、機械など幅広い銘柄に売りが出た。
 
オースティン米国防長官が20日、ウクライナへの対人地雷の供与を許可したと伝わり、地政学リスクの高まりも投資意欲をしぼませた。市場関係者は「企業業績の先行きや日米の政局の不透明感が強い状況に、地政学リスクの高まりが加わることは投資家にとってネガティブだ」とみていた。
 
 
 
足元、為替動向を材料とした株の売買は観測されていないことで、円高ドル安の影響は限定的と考える。午後もエヌビディア決算の影響を受けた半導体株のさえない動向が、日経平均の重しとなろう。3万8000円水準での静かな攻防を想定する。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落し、前引けは9.22ポイント(0.34%)安の2689.07だった。JPXプライム150指数も続落し、7.24ポイント(0.61%)安の1187.83で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8208億円、売買高は8億3376万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は699。値上がりは876、横ばいは69だった。
 
業種別では、鉱業、精密機器、機械、小売、パルプ・紙などが下落した一方、非鉄金属、銀行、繊維、水産・農林、その他金融などが上昇。
 
個別では売買代金トップとなったアドバンテスト、売買代金2位のディスコがいずれも売られる展開となったほか、ソシオネクスト、スクリーンHD、ソフトバンクグループ(SBG)も下落した。三菱重工業も冴えない。ファーストリテイリングが下値を探り、KADOKAWAも利食われた。フォスター電機は急落した。
IHI、三菱重工業など防衛関連の一角も下落。このほか、住友不動産、HOYA、三越伊勢丹、ソニーグループなどが売られた。
 
 半面、住友電工、フジクラ、古河電工の電線御三家がそろって買われたほか、証券会社のポジティブなレポートが影響して太平洋セメントも上昇。日銀による追加の利上げ観測を材料に三井住友トラストグループ、みずほフィナンシャルグループなどメガバンクも強い。ふくおか、しずおかFGなど銀行株も買われた。
東京ガスが大幅高に買われた。広済堂ホールディングス、JCRファーマが急騰、LIFULLも値を飛ばした。