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【市況】続伸、2週ぶり最高値 政府機関再開へ前進を好感 |
11日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、終値は前日比559ドル33セント高の4万7927ドル96セントだった。10月28日以来2週間ぶりに最高値を更新した。米政府機関の再開に向け前進しており、主力株に買いが広がった。
米上院は10日、つなぎ予算案の修正案を可決し、下院に送付。下院での再可決を経て、トランプ米大統領の署名により成立する見通しだ。政府機関の再開へ大きく前進したとの見方が広がり、相場を下支えした。
過去最長となる政府機関の閉鎖は政府職員の給与支払いの停滞や主要空港での運航削減などを引き起こしていた。
政府閉鎖が終了すれば、米国の経済活動が正常化に向かい、下振れリスクが軽減されるとの見方が強まった。市場では「米雇用統計などの経済指標の発表が再開されれば、投資判断がしやすくなる」との指摘があった。
この日は値ごろ感からヘルスケア関連株などが買われた。ダウ平均の構成銘柄では製薬大手のメルクは4.8%高、アムジェンは4.6%高と上昇率上位。生活必需品株も堅調だった。マクドナルドは2.6%高、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は2.1%高だった。
一方でこの日はハイテク株に対する高値警戒感が強かった。エヌビディアは3%近く下落。ソフトバンクグループ(SBG)が11日、保有していたエヌビディアの株式全てを10月に売却したと発表したことが嫌気された。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、人工知能(AI)向けインフラのコアウィーブは大幅安だった。前日に2025年12月期通期の売上高見通しを引き下げ、売りが膨らんだ。
11日はベテランズデーで債券・外為市場が休場だった。株式市場の取引量も普段より少なく、相場の値動きが大きくなりやすかった。ハイテク株に売りが出るなかで、相対的に出遅れ感がある銘柄やセクターに買いが入り、ダウ平均を押し上げた面があった。
ナスダック総合株価指数は反落した。終値は前日比58.873ポイント(0.25%)安の2万3468.301(速報値)だった。マイクロン・テクノロジーなど半導体株の下げが目立った。主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%あまり下落した。
【シカゴ日本株先物概況】シカゴ日経225先物 (円建て)
51120 ( -40 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
51185 ( +25 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
11日の英FTSE100種総合株価指数は続伸し、最高値を再び更新した。終値は前日比112.45ポイント(1.14%)高の9899.60だった。
11日発表された英労働統計で、失業率が上昇した一方で週賃金の上昇率は鈍化した。英イングランド銀行(中央銀行)が年内に再利下げに動きやすくなるとの期待につながり、株式には買いが優勢となった。
英マークス・アンド・スペンサーなど小売り関連の一角や、航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングス、防衛大手の英BAEシステムズが売られた。公益株に売りが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、通信大手ボーダフォンが8.32%高と急伸、11日公表した半期決算で売上高が市場予想を上回った。通期の収益にも明るい見通しを示し、支援材料となった。広告大手WPPが5.61%高、住宅大手バークリー・グループが3.42%高で続いた。一方、流通大手マークス&スペンサーは4.56%安、流通大手テスコと中古車販売サイトのオートトレーダー・グループは2.88%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
11日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比128.07ポイント(0.53%)高の2万4088.06で終えた。
10日、米連邦議会上院でつなぎ予算案が可決された。米国で10月初めから続く連邦政府機関の一部閉鎖が解除に近づきつつあるとの見方から、11日の米株式市場でダウ工業株30種平均が上げ幅を広げる場面があり、欧州でも株式に買いが入った。
個別では、製薬大手バイエルが3.51%高、スポーツ用品大手アディダスが2.98%高、医薬大手メルクが2.87%高と買われた半面、自動車部品大手コンチネンタルは3.39%安、防衛大手ラインメタルは2.91%安、電力大手RWEは1.43%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比1.25%高で終えた。欧州主要600社の株価指数であるストックス600も続伸し、終値は580.13と最高値を更新した。










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