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金のたまご
「金のたまご」
2週間で1000ドル上げたNYダウ。
買い場も飼葉も必要だろう。

「債券市場の下落による損切りが、株式市場との合わせ切りにつながる」という見方もある。
これも間違った観測ではないだろう。
もっとも、上げても下げても原因探しの市場というのは拡大解釈横行の場。
「注意しましょう、警戒しましょう」で結論のない免罪符も横行するようになる。

たとえば、3.5兆円が目前の裁定買い残の推移。
2015年11月下旬の3.5兆円。
2015年6月の3.7兆円がピーク。
2013年5月は4.3兆円だった。
2014年以降は「3.5兆円が買い残の天井」という声が聞こえる。

かつて、リーマンショック前には6兆円がピークだったことは忘却の彼方。
「3兆円台の滞空時間は短い」と警戒論。
弾みがついて6兆円になったときにはどう解説するのだろうか。
 
終値は昨日の26年ぶりの戻り高値についての解釈。
小動きで始まった相場つきが一変したのが10時過ぎ。
立会外で153銘柄合計1643億円の売買が成立。
資生堂やJXTG、トレンド、コマツといった銘柄が含まれていた。

「年に数回しかないような巨額」という驚きをもたらしたという。
「1件あたり50億円を超える取引については超大口とされ取引所への報告は翌日でよい」。
超大口も含めれば総額は3000億円程度だったのではないか」と見られている。

それにしても50億円が「超大口」というのは情けない世界。
債券は最低単位が10億円。
所詮小さな世界でうごめいている印象。
 
ビッドコインは集蛾灯という指摘。
マネーには国境も色もない。
ただひたすらボラの高い場所へ流れるもの。
そのツールは株だろうと、債券だろうとFXだろうと何でも可。

だから・・・。
ビッドコインの急騰は日ばかりチックなせっかちなマネーを集めていた。
だから、株式市場は昼行燈のように安穏とした時間を過ごせてきたのかも知れない。
しかし、ビッドコインが急落すれば、そういうマネーがまた株式市場に戻ってくる懸念。
清浄な世界から混濁の世界への舞い戻しは避けたい。
そして、混濁の世界では株価は混とんとする。
それが昨日のボラの高さの背景かも知れない。 
 
イソップ童話からは「金のたまご」。
 
何か株の世界にもこんなことがあるような気がする。

ある日農夫は飼っているガチョウが黄金の卵を産んでいるのを見つけて驚く。
それからもガチョウは1日に1個ずつ黄金の卵を産んだ。
卵を売った農夫は金持ちになった。
しかし、農夫は1日1個しか卵を産まないガチョウに物足りなさを感じる。
きっと、ガチョウの腹の中には金塊が詰まっているに違いないと考えた。
欲を出した農夫はガチョウの腹を切り裂いた。
ところが腹の中に金塊などなく、その上、ガチョウまで死なせてしまった。

(櫻井)。