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163円安と3日続落 米ハイテク株安で
東証プライム市場(前引け)=163円安と3日続落 米ハイテク株安で
29日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比163円01銭(0.58%)安の2万7999円82銭だった。前日の米ハイテク株安が重荷となり、下げ幅は250円を超える場面があった。
28日の米株式市場でダウ平均は497.57ドル安(−1.44%)と大幅反落。中国政府の「ゼロコロナ」政策に対する市民の抗議行動の拡大を受けて、サプライチェーン混乱を懸念した売りが広がった。また、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やセントルイス連銀のブラード総裁らが来年の利上げ継続の可能性に言及するなど、タカ派な姿勢を見せたことで、さらなる売り圧力となった。ナスダック総合株価指数も下落した。
この流れが東京株式市場に波及し、半導体や電子部品関連が売られた。米アップルの「iPhoneの生産調整が伝わったことや、米連邦準備理事会(FRB)高官から金融引き締めに積極的なタカ派寄りの発言が相次いだことが重荷となった。
 
前日に大きく下げていた中国・香港や上海株が反発して始まったことが支えとなり、株価指数先物に短期筋の買いが入った。新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込める中国の「ゼロコロナ」政策への抗議運動に対する過度な懸念がやや後退した。
 
中国のデモについては、警備隊の派遣を通じてすでに沈静化しているようだ。今後の動向に注意は必要だが、むしろ、今回の一件で、中国政府がゼロコロナ政策の解除に向けてさらに前進する可能性も出てきたともいえる。直近の一連の報道を受けて、中国ゼロコロナ政策の緩和期待はいったん剥落していたため、ゼロコロナ政策緩和に向けた動きが今後再び出てくれば、株式市場にはポジティブに働きやすいだろう。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。午前終値は前日比12.08ポイント(0.60%)安の1992.23だった。
 

 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3603億円、売買高は5億6829万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1338。値上がりは433、変わらずは64銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では金属製品、輸送用機器、機械などが下落。保険業、銀行業、空運業などは上昇した。
 
 
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連が安く、村田製作所など電子部品株も下落した。新薬の安全性の懸念が伝わったエーザイは大幅安で値下がり率トップに。ソフトバンクグループ(SBG)、ダイキン、TDK、太陽誘電が下落した。SMCの下げも目立つ。ミスミグループ本社、ゼンショーホールディングスなども売られた。
 
半面、ファーストリテイリングが堅調、東京海上ホールディングスもしっかり。三菱重工業も上昇した。日医工が値上がり率トップに買われたほか、ベクトルも急伸。フィックスターズは商いを伴い大幅高。高島屋、三越伊勢丹、IHIが上げた。