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NYダウ603ドル高、経済活動再開への期待
【市況】NYダウ603ドル高、経済活動再開への期待

1日のNYダウ工業株30種平均は大幅反発した。前週末比603ドル14セント(1.9%)高の3万1535ドル51セントで終えた。上げ幅は2020年11月9日以来、4カ月ぶりの大きさ。
新型コロナウイルスのワクチン普及や米政府の追加経済政策の早期成立で経済活動の正常化が進むとの見方から、幅広い銘柄に買いが入った。ダウ平均の上げ幅は700ドルを超える場面もあった。
ここ最近の米長期金利の急上昇が前週末以降に一服し、株式市場では買い安心感が広がった。また、ダウ平均が前営業日までの2日間で計1000ドル超下落していたため、安値拾いの買いも入った。
 
米食品医薬品局(FDA)は2月27日、日用品・製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが開発した1回接種タイプのワクチンの緊急使用を承認した。早ければ2日にも接種が始まり、ワクチン普及が加速するとの期待が高まった。米下院は27日、1.9兆ドルの追加経済対策を可決した。上院では最低賃金引き上げなど一部を削除して1兆ドル台後半で3月中旬までに可決する見通しだ。
 
米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した2月の製造業景況感指数は60.8で前月から2.1ポイント上昇した。ほぼ横ばいだった市場予想を上回り、18年2月以来の高水準だった。米製造業の拡大が続いていることも投資家心理の改善につながった。
 
墜落事故を起こして運航停止していた主力小型機「737MAX」の受注が伝わった航空機のボーイングが6%高となり、ダウ平均を押し上げた。経済活動の正常化期待から、クレジットカードのビザや金融のゴールドマン・サックス、映画・娯楽のウォルト・ディズニー、化学のダウも買われた。
 
米長期金利は1.43%近辺と前週に付けた1年ぶり高水準(1.61%)から低下した。相対的な割高感から売られていたハイテク株も幅広く買われ、スマートフォンのアップルが5%と上昇が目立った。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比396.484ポイント(3.0%)高の1万3588.829で終えた。インテルやマイクロン・テクノロジーなど半導体株が上昇した。電気自動車のテスラも上げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,535.51+603.14
S&P500種
3,901.82+90.67
ナスダック
13,588.829+396.484
NY金(ドル/トロイオンス)
1,723.00−5.80
NY原油(ドル/バレル)
60.20−1.30
円・ドル
106.73 - 106.78+0.14


 

【シカゴ日本株先物概況】



1日のシカゴ日経平均先物は大幅に反発した。
3月物は前週末比615円高の2万9900円で引け、1日の大取終値を320円上回った。
先週に1年ぶりの高水準をつけた米長期金利の上昇が一服し、買い安心感が広がった。
製薬会社ジョンソン・エンド・ジョンソン開発ワクチンが当局により緊急使用が許可されワクチン接種ペースが加速するとの期待が強まったほか、1.9兆ドル規模の追加経済対策が速やかに成立する可能性が強まり回復期待から寄り付き後、大幅に上昇した。
1日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)の2月の製造業景況感指数は3年ぶりの高水準だった。
 
この日の3月物高値は2万9930円、安値は2万9285円。


 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29900 ( +320 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29905 ( +325 )
( )は大阪取引所終値比
 




【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6588.53(+105.10)
1日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末の終値に比べ105.10ポイント(1.6%)高の6588.53で引けた。構成銘柄の約9割が上昇した。
米長期金利の上昇が一服し、世界的に株高が進んだことで、英国株も買い戻された。前週後半の急落で値頃感も広がっていた。
 
新型コロナウイルスワクチンの普及や、米下院による追加のコロナ対策法案の可決で、世界景気回復への期待が強まった。アングロ・アメリカンなど鉱業株と石油株が買われ、株価指数を押し上げた。
スナク英財務相が3日発表予定の予算案で買い手を支援する住宅ローン関連計画を打ち出すと伝わり、住宅建設株が軒並み大幅高となった。
個別銘柄では、テイラー・ウィンピーは5%超上昇した。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも、複数のアナリストによる投資評価引き上げで大幅高だった。
 
半面、アナリストが株価目標を引き下げた情報・出版のインフォーマは売られた。銀行のHSBCホールディングスの下げも目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14012.82(+226.53)
1日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末と比べて226.53ポイント(1.6%)高の1万4012.82だった。
 
米長期金利の上昇に一服感が出たほか、米政府による追加経済対策の早期成立で景気が回復するとの見方から、欧州各国の株式市場は買いが優勢の展開だった。
 
個別では、航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズと医薬・農薬大手のバイエルの上昇が目立った。半面、半導体のインフィニオンテクノロジーズは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5792.79(+89.57)