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NYダウ3日続落345ドル安、長期金利急上昇が重し
【市況】NYダウ3日続落345ドル安、長期金利急上昇が重し
 
4日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比345ドル95セント安の3万0924ドル14セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこの日のイベントで、最近の金利急上昇をめぐり「市場の無秩序な動き」に懸念を表明。ただ、新型コロナウイルスワクチンの普及などを背景とするインフレ率上昇は「一時的」との見方を改めて示し、雇用と物価目標の達成まで金融緩和策を続ける姿勢を強調した。
金利上昇への対策など踏み込んだ発言がなかったことで、市場からは対応が不十分と受け止められ、米国債への売りが膨らんだ。長期金利は取引中盤、短時間で1.48%から1.55%付近まで上昇。主要株価指数もそろって急落した。
金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄を中心に売られた。
 
パウエル氏は4日午後のウォール・ストリート・ジャーナル紙の公開インタビューに応じた。長期金利上昇について「金融市場に持続的な逼迫がみられるようなら懸念する」と述べたが、具体的な抑制策に言及しなかった。発言後に長期金利が一時1.55%に上昇。ハイテク株への売りが強まり、スマートフォンのアップルなどが下げた。
 
米株の変動性指数(VIX)は一時、前日比2割程度高い31台に上昇した。20を上回ると市場の不安心理が高まった状態とされる。心理悪化で化学のダウや航空機のボーイングなど景気敏感株の一角にも売りが及んだ。ダウ平均の下げ幅は一時700ドルを超えた。
 
ダウ平均は引けにかけて下げ渋った。米国で新型コロナウイルスのワクチンの普及が加速し、追加経済対策が景気回復を後押しするとの見方が強まっている。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど経済活動の再開で恩恵を受ける銘柄は上昇。原油高を受けて石油のシェブロンも買われた。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落。前日比274.280ポイント安の1万2723.472で終え、年初来で小幅のマイナスに転じた。電気自動車のテスラが5%安。エヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体関連株の下げも目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,924.14−345.95
S&P500種
3,768.47−51.25
ナスダック
12,723.472−274.280
NY金(ドル/トロイオンス)
1,715.80−17.80
NY原油(ドル/バレル)
64.03+2.75
円・ドル
107.94 - 107.98+0.79


 

【シカゴ日本株先物概況】


4日のシカゴ日経平均先物は続落した。
3月物は前日比375円安の2万8900円で引け、4日の大取終値を80円下回った。米長期金利の上昇を受け、投資家心理が冷えた。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がインタビューで、市場で思惑が広がっていた長期金利の上昇を抑制する措置を講じる可能性を示唆しなかったため長期金利が再び急伸したことが警戒感につながり下落に転じた。引けにかけて下げ幅を拡大した。
 
この日の3月物安値は2万8710円、高値は2万9340円。


シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28900 ( -80 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28910 ( -70 )
( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6650.88(−24.59)
4日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ24.59ポイント安の6650.88で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
英スナク財務相が前日の予算演説で発表した法人税増税が国内で波紋を呼んでいるものの、この日の英株式はもみ合いとなった。銅相場の下落で鉱業株が軒並み大幅安となり、株価指数の下げに大きく影響した。ただ、原油高を背景に石油株は急伸した。
 
個別銘柄では、アナリストが株価目標を引き下げた鉱業のリオ・ティントは大幅に下げた。資産運用のシュローダーズは、2020年12月期の減益が嫌気され売られた。投資信託のスコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストの下げも目立った。
 
半面、自社株買い戻しプログラムを発表したソフトウエア開発のセージ・グループは上昇した。日用品のレキットベンキーザーは、アナリストが投資判断と株価目標をともに引き上げたことが好感され3%高と買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14056.34(−23.69)
4日のドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて23.69ポイント(0.2%)安の1万4056.34だった。米国株が上げて始まるとドイツ株も上昇に転じる場面もあった。世界的な金利上昇への警戒感から売りが優勢だった。
 
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズとアディダスの下げが目立った。電力のRWEは買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5830.65(+0.59)