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NYダウ大幅続落 473ドル安 消費関連や景気敏感株にも売り
【市況】NYダウ大幅続落 473ドル安 消費関連や景気敏感株にも売り

11日のNYダウ工業株30種平均は大幅続落し、前日比473ドル66セント安の3万4269ドル16セントで終えた。米景気回復によるインフレ加速や金利先高観から前日にハイテク株が売られた流れが、消費関連株や景気敏感株にも波及した。ダウ平均の下げ幅は一時667ドルに達した。
 
米国では経済活動の再開や大型財政出動、サプライチェーン(供給網)の制約などに伴うインフレ加速への懸念が根強い。ダウ平均が前日に初の3万5000ドル台に乗せるなど、高値警戒感が広がっていることも、売り材料となった。
 この日米労働省が発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)では、3月末時点の求人件数が812万3000件と、過去最高を記録。前週末7日に発表された4月の米雇用統計で、非農業部門就業者数が市場予想を大きく下回ったほか、一部企業は人材確保のために賃上げを表明しており、人手不足がインフレ加速につながるとの懸念がくすぶっている。
 
朝方は前日に続いてハイテク株への売りが先行した。中国の4月の卸売物価指数(PPI)が市場予想以上の伸びとなり、12日に発表予定の4月の米消費者物価指数(CPI)でもインフレ加速が確認されるとの見方が強まった。米長期金利上昇も重荷となり、高PER(株価収益率)銘柄の割高感が意識された。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが大きく下げる場面があった。
 
売り一巡感からハイテク株が下げ渋ると、消費関連や景気敏感株への売りが目立つ展開になった。ホームセンターのホーム・デポ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、石油のシェブロンがいずれも3%安で終えた。景気回復を見越して最近まで上昇が続いており、利益確定売りが出やすかった。
 
投資家心理を測る指標である変動性指数(VIX)は一時、前日終値を2割上回る23台後半に上昇した。終値は21.84と不安心理が高まった状態とされる20を上回った。インフレ加速や金利上昇を警戒し、投資家はリスク回避姿勢を強めているようだ。
 
ナスダック総合株価指数は小幅続落し、前日比12.432ポイント安の1万3389.426と3月末以来の安値で終えた。一時は2%あまり下げたが、午後には指数は小幅高に転じる場面もあった。ネット通販のアマゾン・ドット・コム、動画配信のネットフリックスが反発。エヌビディアなど半導体株の一角も買い直された。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,269.16−473.66
S&P500種
4,152.10−36.33
ナスダック
13,389.426−12.432
NY金(ドル/トロイオンス)
1,836.10−1.50
NY原油(ドル/バレル)
65.43+0.15
円・ドル
108.62 - 108.63−0.32
 

 

【シカゴ日本株先物概況】


11日のシカゴ日経平均先物は大幅に続落した。6月物は前日比655円安の2万8615円で引け、11日の大取終値を75円下回った。

サイバー攻撃により主要パイブラインの操業が停止されたことが響き、給油所ではガソリン不足が報告されており、価格の先高感がさらなるインフレ懸念につながった。さらに、中東の混乱が激化したため、売りが加速。しかし、引けにかけ、押し目からの買いにハイテク株が回復すると、ダウも下げ幅を縮小した。
経済の正常化に伴うインフレ加速への警戒感が広がり米株とともに日経平均先物は売られた。市場は12日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)に注目している。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
 28615 ( -75 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28625 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6947.99(−175.69)
11日のFTSE100種総合株価指数は大幅に続落した。前日の終値に比べ175.69ポイント(2.5%)安の6947.99となり、一日の下落幅としては2020年9月下旬以来の大きさとなった。
前日に米ナスダック総合指数の急落や日経平均株価の下落などの流れを引き継ぎ、英国株も大幅安となった。午後には米国株の安値寄り付きを眺めて一段安となった。
石油株と鉱業株が安かった。個別銘柄では航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)と精密計測器メーカーのレニショーが急落した。賭け屋大手フラッター・エンタテイメントは4.9%安、高級衣料バーバリーも4.6%安と軟調だった。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株(3.8%安)、B株(3.7%安)ともにさえず、同BPも3.5%安と売られた。
 
半面、ロンドン証券取引所(LSE)グループだけが小幅高で引けた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15119.75(−280.66)
11日のドイツ株式指数(DAX)は5営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて280.66ポイント(1.8%)安の1万5119.75だった。全銘柄が下落した。
米国やアジアの株安が欧州株にも波及した。前日まで上昇していたため、利益確定の売りも出やすかった。
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローやミュンヘン再保険が安かった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6267.39(−118.60)