兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

小反落、利益確定売り
東京株式(前引け)=小反落、利益確定売り
 
 
11日午前の日経平均株価は小幅に反落し、前日比35円26銭安の2万8923円30銭で前場を終えた。前日の米株高を受け朝方は買いが先行したが、上値は重かった。
 
日経平均株価は一進一退で方向感に欠ける展開。寄り付きは、値を上げてスタートしたが上値では売りに押され、買い一巡後はマイナス圏に転じた。ただ、エーザイなど医薬品株に買いが入ったことも支援材料となり、午前10時過ぎにかけ再度値を上げ、一時120円を超す上昇となる場面があったが、2万9000円を超える水準では再び売りが膨らんだ。主力株を中心に利益確定売りが出やすかった。下げ幅は一時100円を超えた。
 
市場が注目した5月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想以上に上昇したが、株式相場の方向感を決める材料にはなっていない。市場では「材料難が意識され、売買が交錯している」(SMBC日興証券の太田千尋投資情報部部長)との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆7721億円、売買高は7億3103万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1197。値上がりは881、変わらずは114銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は空運業、その他金融業、不動産業などが下落。上昇は海運業、医薬品、電気・ガス業。
 
個別銘柄では、レーザーテックやソフトバンクグループ、トヨタ自動車が安く、米長期金利の低下を背景に三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが値を下げた。ルネサスエレクトロニクスやファナックも値を下げた。半面、前日の米市場で製薬株が上昇したのが支えとなり、エーザイなどの医薬品株が買われた。任天堂が高く、ソニーグループやエムスリーが上昇。日本郵船や富士フイルムホールディングスが値を上げた。
東証2部株価指数は前日比12.19ポイント安の7576.72ポイントと11日ぶり反落した。
出来高9467万株。値上がり銘柄数は163、値下がり銘柄数は197となった。
 
個別では、ジー・スリーホールディングス、東京ソワール、コメ兵ホールディングス、ASTI、アドテック プラズマ テクノロジーが売られた。
 
一方、東洋刃物、栗林商船が一時ストップ高と値を飛ばした。KHC、パレモ・ホールディングス、自重堂、ウェルス・マネジメント、スーパーバッグなど10銘柄は年初来高値を更新。神島化学工業、土屋ホールディングス、アサヒ衛陶、梅の花、上村工業が買われた。