「働き」
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なんだろうなの木曜後場。
これなら今日も陽線期待。
紙面に踊っているのは「春季労使交渉」とか「働き方改革」の文字。
賃上げなど久しく恩恵に被っていないが、賃上げは悪くない。
デフレの中での賃上げは干天の慈雨みたいなもの。
7割の企業がベアを行ってくれるのなら多少は消費の拡大に役立とう。
育児や介護の優先進展も悪くはない方向だ。
問題は働き方改革、あるいは裁量労働性の方だろうか。
一番問うべきことは「残業代をアテにしているのかどうか」だろう。
残業代を生活費の一部として言う向きは多い。
である以上、残業が減っては困るのである。
裁量労働がどうとか言う前の大前提だろう。
ここに触れないで働き方改革とか裁量労働とか言っているから訳がわからなくなる。
「長時間労働は悪」と言う一方で「毎日定時では困る」。
自分の都合の良いように適度な残業をさせて欲しい。
そんなことを許す甘い企業は滅多にない。
「浮いた残業代」という課題も昨今は登場してきた。
スーパーのヤオコーは残業短縮で残業代が減少したのでベースアップ。
こういう方向が良いのだろう。
裁量労働になると長時間労働になるとかならないとかのデータがあったが、実際はどうなのだろう。
時間労働ではなくすべて成果で測る方式だったアリなのかも知れない。
もっとも製造現場と営業前線を同一に論じられないことも事実ではある。
その昔、証券マンだった頃に考えていたこと。
「どうして早く帰らないんだろう」。
「皆が当たり前のように残業するから残業」という妙な思考だった。
そもそも証券営業なんて予算数字が終われば、あとは自由の筈。
ところが、誰かが達成できず課や店の数字が足りないと全員責任みたいなもの。
仕事のデキない人に合わせるから大変なことになる。
あるいは、数字が達成できた人の残業代が少なく、デキない人の残業代の方が多い。
ボーナスで差がつくにしても、どう見ても理不尽だった。
「どうせ毎日遅くまで」なのでデキている数字は抱えておいて最後に「全部もらった」なんて美技もあった。
妙な平等主義に陥ったままだと社会は劣化するような気がする。
残念ながら今は昭和ではないのだ。
もっとも、今の証券会社と違って抱えている予算は並の働きではなかなか達成できないものだったのも事実だが・・・。
もう一つの課題の「休暇」というのも昔は取りにくかった。
土曜日の場が立っていた頃。
「スーツにネクタイでなければ出勤ではない」として「土曜の休みは私服で来い」なんてこともあった。
月に1回土曜は休みという決まりなどないも同然だった。
もっとも、今考えてみると、出社しようが休もうが企業は勝手に回るもの。
もっと休んでおけばよかったという気もする。
滅多にない休暇に感じたあの罪悪感は何だったのだろうか。
結論は「やることさえやっていれば叱られない」なのだろう。
ストボ「東京マーケットワイド」で先月から始まった「投資信託のコーナー」。
毎週水曜午後2時から放送している。
各社のファンドマネージャーに出演していただいてファンドの概要を伺う時間である。
昨日のHSBC投信の女性ファンドマネージャーさんの話は「インド株投信」。
インドの魅力についてたっぷり話していただいた。
終了後のコメントは「先輩ですよね」。
論理的で聡明な話し方だったので、かなりのキャリアの方と思っていたら大学同窓だとのこと。
学生数が多いからアチコチにOBはいるが海外投信のファンドマネージャーというのは滅多にいない。
そういう意味でインド株投信に妙に興味が湧いた。
「インドを知るにはインドに行ってイロイロ見るべきでしょうね」と最後に質問。
「そのとおりです」と。
そして「インドへは何回も行かれているんですか」と訪ねてみた。
「実はまだ行ったことないんです」。
明治OBらしさに何となく親近感を感じてしまった。
(櫻井)。