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NYダウ165ドル安、経済対策成立期待が後退
【市況】NYダウ165ドル安、経済対策成立期待が後退

14日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比165ドル81セント安の2万8514ドル00セントで終えた。
追加経済対策の早期合意は困難との見方が広がり、市場心理が悪化した。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、ハイテク株など足元で買われていた銘柄を中心に売りが優勢になった。
株価は序盤、まちまちな内容の企業決算を手掛かりに、前日終値を挟んでもみ合う展開となった。ダウ平均の上げ幅は100ドルを超える場面があった。欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測を受けた世界的な低金利政策の長期化の思惑が相場を支えた。
ゴールドマン・サックスは、7〜9月期の純利益が前年同期からほぼ倍増したことが好感され、おおむねプラス圏で推移。一方、大幅な減収減益決算を発表したバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やウェルズ・ファーゴには売りが膨らんだ。
 
追加の経済対策で野党・民主党と協議を続けるムニューシン米財務長官が「米選挙前に何らかの合意に至るのは難しい」との考えを示したと伝わった。米国では新型コロナウイルスの新規感染者や入院患者数が再び増加傾向にある。経済支援が一時的に打ち切られ、景気回復が遅れるとの見方が強まった。
 
顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフト、動画配信のネットフリックスが午後にかけて下げに転じた。決算期待で上昇が続いていたが、一旦利益を確定する売りが優勢になった。
 
市場では「早期の経済対策の成立が難しくなり、選挙で民主党が勝利すれば大規模な経済対策が実施されるとの観測がかえって強まった」との指摘があった。化学のダウ、建機のキャタピラーなど景気敏感株の買いを誘った。ハイテク株を売って景気敏感株に乗り換える動きが広がったようだ。
 
14日に市場予想を上回る2020年7〜9月期決算を発表した医療保険のユナイテッドヘルス・グループが、材料出尽くしの売りに押された。前日に大幅に上昇した映画・娯楽のウォルト・ディズニーも売られ、ダウ平均の重荷となった。
 
セクター別では資本財・運輸が上昇した一方で、銀行が大きく下げた。
 
ナスダック総合株価指数も続落し、前日比95.17ポイント(0.8%)安の1万1768.73で終えた。週初に9月に付けた過去最高値に迫ったが、目先の利益を確定する売りが優勢だった。
 
14日まで開催する有料会員向けセール「プライムデー」に伴う業績期待で上昇してきたネット通販のアマゾン・ドット・コムは2%安となった。SNS(交流サイト)のフェイスブックも安い。一方、アナリストの目標株価の引き上げが相次いだスマートフォンのアップルは小幅高で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
28,514.00−165.81
S&P500種
3,488.67−23.26
ナスダック
11,768.729−95.167
NY金(ドル/トロイオンス)
1,907.30+12.70
NY原油(ドル/バレル)
41.22+0.18
円・ドル
105.12 - 105.13−0.31


 

【シカゴ日本株先物概況】


14日のシカゴ日経平均先物は小幅反発した。
12月物は前日比35円高の2万3550円で引け、14日の大取終値を40円下回った。
 
米株とともに反発して始まった。大統領選前の追加経済対策成立が困難になったとの見方が強まりセンチメントが悪化した。
ムニューシン米財務長官が与野党間で協議する追加経済対策について「選挙前の合意は難しい」と述べたと伝わり、伸び悩んだ。
この日の12月物高値は2万3640円。安値は2万3500円。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23550 ( -40 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23570 ( -20 )
( )は大阪取引所終値比
 



【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5935.06(−34.65)
14日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日の終値に比べ34.65ポイント安の5935.06で引けた。
この日のFT指数は高寄りし、序盤で6000の大台を一時回復した。しかし、その後はジリ安に転じ、終盤には1週間余ぶり安値の5926.49を付けた。
 
英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る交渉にやや進展が見られたことでポンド買いが強まり、14日のポンド相場は上昇に転じた。ポンド高が収益の悪化要因となる多国籍企業銘柄が売られた。医薬品と銀行株の下げも株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、スタンダードチャータード銀行は4%超安。医薬品のアストラゼネカも大きく下げた。英金融大手HSBCホールディングスは2.8%安。英給食サービス大手コンパス・グループは2.3%安、英通信大手ボーダフォンは2.0%安だった。
一方、外食デリバリーサービスのジャスト・イートは6%超上げた。同社は新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン注文が急増し、2020年7〜9月期の業績が良好だと発表したことが好感された。鉱業のフレスニージョも買われた。アナリストが株価目標を引き上げたことが材料視された。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13028.06(+9.07)
14日のドイツ株式指数(DAX)は小反発だった。終値は前日比で9.07ポイント高の1万3028.06だった。日中を通して狭い範囲で小動きだった。
 
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローは4%超上げた。電力のRWEも買われた。一方、医薬・化学大手の独メルクとハイデルベルクセメントは下げた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4941.66(−5.95)