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NYダウ237ドル高と反発、金融やヘルスケア決算を好感
【市況】NYダウ237ドル高と反発、金融やヘルスケア決算を好感
 
15日のNYダウ工業株30種平均は前日比237ドル44セント高の2万7024ドル80セントと反発で終えた。ほぼ1カ月ぶりに2万7000ドルを回復した。
主要企業の先陣を切って2019年7〜9月期決算を発表したヘルスケアや金融大手の業績が市場予想を上回り、好感した買いが優勢だった。
 
米主要企業の2019年7〜9月期決算の発表シーズンが本格的に幕開けした。
ダウ平均は330ドルあまり上げる場面があった。医療保険のユナイテッドヘルス・グループは、7〜9月期決算が市場予想を上回ったうえ、業績予想を上方修正し大幅高となった。純営業収益や1株利益が市場予想以上に伸びたJPモルガン・チェースも一時、上場来高値を付けた。2銘柄でダウ平均を145ドル押し上げた。
 
両社の好決算を受け、他の医療保険や銀行株にも買いが広がった。15日発表した7〜9月期決算で1株利益が市場予想を下回ったゴールドマン・サックスは売り先行後、小幅高に転じて終えた。
 
調査会社リフィニティブによると、米主要企業500社の7〜9月期の純利益は前年同期比3%減となる見通し。ただ、市場では「エネルギー企業の減益幅が大きいため、それ以外の業種では業績予想を上方修正する企業も出てくる」との期待感が漂っている。
 
ダウ平均は引けにかけてやや伸び悩んだ。前週末の米中貿易交渉の部分的合意について、米中政府で認識に温度差があると伝わっている。15日は米ブルームバーグ通信が「米国産農産物を購入する前に、中国は米国による対中制裁関税を元に戻すことを望んでいる」と報じ、貿易問題を取り巻く不透明感を強めた。
 
S&P500種株価指数が節目の3000を一時上回り、上値が重くなった面もあった。
 
ナスダック総合株価指数も反発し、同100.056ポイント高の8148.706で終えた。アナリストが目標株価を引き上げた半導体のエヌビディアが大幅高となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,024.80+237.44
S&P500種
2,995.68+29.53
ナスダック
8,148.706+100.056
NY金(ドル/トロイオンス)
1,483.50−14.10
NY原油(ドル/バレル)
52.97+0.16
円・ドル
108.82 - 108.83+0.47


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
12月物は前日比530円高の2万2525円で引け、同限月物終値ベースで18年12月3日以来、約10カ月ぶりの高値をつけた。
15日大証終値を325円上回った。米企業の19年7〜9月期決算が好調な滑り出しをみせ、投資家心理が上向き米株とともに日経平均先物は買われた。
 
この日の12月物高値は2万2565円、高値は2万1995円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22525 ( +325 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22540 ( +340 )
( )は大阪取引所終値比
 


【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7211.64(-1.81)
FTSE100種総合株価指数は小幅に続落した。前日の終値に比べ1.81ポイント安の7211.64で引けた。ただ、構成銘柄の約6割は上昇した。
米中貿易摩擦の先行き不透明感や英通貨ポンドの急伸に圧迫された。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる楽観論は支援材料となった。
 
EUのバルニエ首席交渉官が15日午前に「今週合意にこぎつける可能性はまだある」と述べたと伝わったこともあり、ポンドは急伸した。通貨高を受けて、業績への悪影響が懸念される多国籍企業銘柄が売られ、株価指数を押し下げた。一方で、金融株の上昇が下値を支えた。
 
個別銘柄では、医薬品のグラクソ・スミスクラインの下げが目立った。石油と銅、金の相場下落を背景に、資源株も売られた。金関連のフレスニージョは3.8%安とロシアの鉄鋼大手エブラズは3.3%安と下落が大きくなった。
 
一方、不動産投資信託(REIT)のランド・セキュリティーズは6.1%高とブリティッシュ・ランドは5.5%高と大幅高となった。銀行株も買われた。アナリストが投資判断を引き上げたレジャー・外食のウィットブレッドも上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12629.79(+143.23)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて143.23ポイント(1.15%)高の12629.79と、終値ベースで7月上旬以来、約3カ月半ぶりの高値で引けた。
 
英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、15日午前にEUのバルニエ首席交渉官の発言が伝わり合意期待が強まったことで、欧州各国株式相場は上昇した。その後、15日のEU総務理事会の閣僚間の議論で合意に近づいているとの一部報道を受けて、午後には各国とも一段高となった。
 
個別では、ドイツ銀行と自動車のBMWの上昇が大きくなった。複数のアナリストが株価目標を引き上げた不動産のボノビアも買われた。
 
一方、下落したのは3銘柄だけだった。オンライン決済サービスのワイヤーカードは12%安。一時は23%まで下落した。英紙フィナンシャル・タイムズが15日、ワイヤーカードは売り上げと利益を水増ししている可能性があると指摘したことが手掛かりとなった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5702.05(+58.97)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1.05%上昇し、終値ベースで2007年12月以来、11年10カ月ぶりの高値で引けた。