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ダウ204ドルと大幅安、北朝鮮情勢への警戒続く
【市況】ダウ204ドルと大幅安、北朝鮮情勢への警戒続く
10日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続落した。前日比204ドル69セント安の2万1844ドル01セントで取引を終え、7営業日ぶりに2万2000ドルを割り込んだ。
 
北朝鮮によるグアム島沖へのミサイル発射計画が明らかとなり、アジア・欧州株がほぼ全面安となり、米国株も売りが先行した。地政学リスクの高まりを背景に投資家心理が悪化しており、金融株やハイテク株を中心に幅広い銘柄が売られ、終日軟調推移となった
 
7月生産者物価指数が予想を下振れ、長期金利が低下したことも嫌気され、金融セクターに売りが広がった。ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースの2銘柄でダウ平均を47ドル押し下げた。
7日までダウ平均は9日連続で過去最高値を更新した後とあって、利益確定売りも出やすい。北朝鮮情勢が米株相場に「小休止をもたらすきっかけとなった」との声もあった。
 
ナスダック総合株価指数は大幅に3日続落した。前日比135.460ポイント安の6216.872で終えた。アップル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アルファベット(グーグル)など主力株が大きく下げ、指数の重荷となった。
 
セクター別では公益事業を除いて全面安となり、特にテクノロジー・ハード・機器や半導体・半導体製造装置の下落が目立った。
 
個別銘柄では、小売のメーシーズ(M)やコールズ(KSS)は既存店売上高の減少傾向が続き、軟調推移した。食材宅配サービスのブルーエプロン(APRN)は、上場後初の決算で顧客数の減少が明らかとなったほか、下期の業績悪化を予想しており、大幅下落。株価はIPO価格の約50%減まで落ち込んでいる。
 
一方、業績見通しを引き上げたアイルランドの製薬のペリゴ(PRGO)が大幅高だった。
 
百貨店のノードストロームはマーケット終了後に5-7月期決算を発表、売上高、調整後一株利益ともに予想を上振れた。時間外取引で上昇して推移している。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
21,844.01−204.69
S&P500種2,438.21−35.81
ナスダック
6,216.872−135.460
 
米10年債利回り
2.203 ( -0.043 )
NY金(ドル/トロイオンス)
1,290.10+10.80
NY原油(ドル/バレル)  
48.65+0.06
円・ドル
109.01 - 109.02−0.20     

【シカゴ日本株先物概況】

 
シカゴ日経平均先物は3日続落した。9月物は前日比400円安の1万9355円で引け、同限月物の終値ベースで5月1日以来、約3カ月半ぶりの安値をつけた。
米国と北朝鮮の軍事衝突へのリスクが高まり、投資家心理を冷やした。米長期金利が下げて円高が進んだことも日本株には逆風となった。この日の9月物安値は1万9350円、高値は1万9810円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
19355 ( -355 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
19365 ( -345 )
( )は大阪取引所終値比
 
【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 FTSE100種総合株価指数は大幅続落。前日終値に比べ108.12ポイント安の7389.94で引けた。北朝鮮情勢を巡る警戒感から投資家のリスク回避姿勢が強まり、リスク資産を圧縮する動きが強まった。
 
アジア株、欧州株に続いて午後に米株も下落して始まり、下げ幅を広げた。構成銘柄の約8割が下げた中、配当落ちとなった銘柄の下げが目立った。
通信のBTグループが4%超の大幅安となったほか、鉱業株や銀行株、石油株、医薬品株にも配当の権利落ちとなった銘柄が多く出て、いずれも全面安で引けた。
 
半面、飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングが1割近く上昇した。6月とイースター休暇時期の好天候を受けた売り上げ増が寄与し、上期が増収増益となった。決算処理のワールドペイ・グループも高かった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は大幅続落した。終値は前日比139.70ポイント安の12014.30だった。北朝鮮情勢を巡る警戒感が投資家心理を冷やし、欧州株全体が下落した。DAXはほぼ全面安で引けた。
消費財のヘンケルが安かった。ドイツの長期金利低下などを受けてドイツ銀行、コメルツ銀行も下げた。一方、上昇したのは放送大手のプロジーベンザット1メディアと鉄鋼のティッセン・クルップの2銘柄だけだった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5145.70  -73.19