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NYダウ527ドル高、速やかな景気回復期待
【市況】NYダウ527ドル高、速やかな景気回復期待
 
3日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比527ドル24セント高の2万6269ドル89セントで終えた。2万6000ドル台回復は3カ月ぶり。
 
市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米景気が回復に向かっているとの見方が広がった。金融や資本財など景気敏感とされる銘柄を中心に幅広く買われた。
 
新型コロナで停滞していた経済活動を再開する動きが世界的に広がる中、この日も投資家のリスク選好姿勢が継続。ダウ平均は3日続伸し、終値での2万6000ドル台を3月上旬以来約3カ月ぶりに回復した。全米各地で起きている黒人男性暴行死への抗議デモに沈静化の兆しがみられることも、相場を支援した。
 
朝方発表された経済指標が市場予想を上回る内容だったことも、景気回復への期待を高めた。雇用サービス会社ADPが発表した5月の全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比276万人減と減少幅は市場予想(875万人減)を大きく下回った。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した5月の非製造業景況感指数は45.4と、市場予想(44)を上回った。
 
米国では経済活動の再開が段階的に進められている。米政府や米連邦準備理事会(FRB)による企業支援も追い風となり、景気回復が進んでいると受け止められた。
 
業績が景気の影響を受けやすい銘柄が買われ、銀行のJPモルガン・チェースとクレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)は6%高となった。感染拡大後に株価が急落した業種の上げが目立ち、航空機のボーイングは13%高と急伸した。
 
セクター別では、11セクター中ヘルスケア以外の10セクターが上昇。中でも資本財と金融の上げが目立った。資本財のうち、投資ファンドによる株式取得観測が広がったボーイングが急伸し、ダウ平均の上げを主導した。
 
S&P500種株価指数の先物の売り残高は、足元で8年半ぶりの高水準に膨らんでいる。「2番底」を当て込んだ売りだが、上昇基調が崩れないことに慌てた売り方の買い戻しも株高に拍車をかけたようだ。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比74.54ポイント高の9682.91で終えた。2月下旬以来の高値。マイクロチップ・テクノロジーやブロードコムなど半導体株の上げが目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,269.89+527.24
S&P500種
3,122.87+42.05
ナスダック
9,682.911+74.536
NY金(ドル/トロイオンス)
1,704.80−29.20
NY原油(ドル/バレル)
36.64−0.65
円・ドル
108.90 - 108.92+0.16
 

【シカゴ日本株先物概況】

3日のシカゴ日経平均先物は8営業日続伸した。6月物は前日比265円高の2万2915円で引け、期近物終値ベースで今年2月21日以来の高値を更新した。3日の大取終値を185円上回った。
米景気指標などを手掛かりに景気回復期待が広がり、買い進まれた。米雇用サービス会社ADPが3日発表した5月の全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数は前月比で減少したが、減少幅は市場予想を下回った。
同日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した5月の非製造業景況感指数は前月比で上昇し、市場予想を上回った。速やかな景気回復期待広がった。
米国政府が第4弾の経済支援策を検討中との報道も好感され、引けにかけてさらに上げ幅を拡大した。
 
この日の6月物高値は2万2955円、安値は2万2465円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22915 ( +185 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22925 ( +195 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6382.41(+162.27)
3日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ162.27ポイント高い6382.41で引けた。3月6日以降の高値を更新した。
指数構成銘柄全体の約9割が上昇した。上昇率上位を航空株が独占した。
 
経済活動の再開により景気が底入れするとの期待感から買いが入った。IHSマークイットが3日発表した英サービス業購買担当者景気指数(PMI)の確定値が速報値から上方修正されたのも買いを後押しした。銀行株や石油株など、業績動向が景気に左右されやすい銘柄の上昇が目立った。
 
個別銘柄では、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が11.4%の急伸。格安航空大手イージージェット(8.3%高)、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイス(9.2%高)もそろって大幅高となった。石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルはA株、B株ともに4%超高の堅調。金融大手HSBCホールディングスも4.4%高と買われた。
 
半面、金相場の急落を受け、産金・産銀大手ポリメタル・インターナショナル(6.6%安)や同業のフレスニーヨ(5.9%安)が大幅安となった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12487.36(+466.08)
3日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて466.08ポイント高の12487.36だった。2月下旬以来およそ3カ月ぶりの高値となる。
 
ドイツ株は買い優勢の展開。アジア株高の流れを引き継ぎ、リスクオンムードが続いている。あす予定のECB理事会で追加金融緩和期待が支えとなっているようだ。
3日発表の中国の非製造業の景況感指数が前月比で大幅に改善したほか、ユーロ圏の非製造業の景況感指数の確定値が速報値から上方修正された。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5022.38(+163.41)