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続落、一時600円安 米長期金利上昇で
東京株式(前引け)=続落、一時600円安 米長期金利上昇で

13日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比518円78銭(1.84%)安の2万7628円73銭だった。
きょう前場はリスクオフ相場が継続し、日経平均株価は一段と下値を探る展開となった。
前日までの2営業日で1500円近い下げをみせていたが、きょうも押し目買いの動きは限定的で一時600円を超える下落をみせた。
注目された4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を大幅に上回ったことを背景にインフレ懸念が強まり、前日の米国株市場ではNYダウが大幅続落基調となるなど市場のセンチメントが一段と悪化し、東京株式市場もこれに追随する形となっている。ただし、大手金融株や鉄鋼株などは押し目買い優勢の展開となり、個別ベースでも全体の4割近い銘柄が値を上げている。
 
10時すぎには日銀の黒田東彦総裁が参院財政金融委員会に出席し、上場投資信託(ETF)の買い入れについて「感染症収束後も継続」と強調。「市場の状況を見極めながら、必要に応じて行う」と述べた。内容に目新しさがないとして、取引の材料とする向きは乏しかった。
 
市場では「日経平均株価は大幅に3日続落し、下値を想定しづらい状況にあるが、昨年末にもみ合いとなった2万6900円台も想定される」との慎重な声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落。前引けは前日比11.38ポイント安の1866.57だった。JPX日経インデックス400も続落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4920億円、売買高は6億7956万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1243と、全体の6割弱を占めた。値上がりは841銘柄、変わらずは103銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は情報・通信業、精密機器、その他製品などが下落。上昇はその他金融業、銀行業、食料品など。
 
個別では、売買代金断トツのソフトバンクグループが大幅安、ファーストリテイリング、東京エレクトロンなども急落した。任天堂、エムスリーも安い。NECが値を下げ、ネクソンは商いを伴う下げで値下がり率トップとなった。日揮HDは10%超下げた。マネックスグループも下値を模索する展開となった。
 
半面、日本製鉄がしっかり、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも頑強。セブン&アイ・ホールディングスが買いを集めた。武蔵精密工業が値を飛ばし、アサヒやキリンHD、デンソー、アイフル、ワコムも上昇した。
 
 
東証2部株価指数は前日比66.79ポイント安の7289.77ポイントと3日続落した。
出来高9656万株。値上がり銘柄数は105、値下がり銘柄数は282となった。
 
個別では、野村マイクロ・サイエンスが一時ストップ安と急落した。技研ホールディングス、フルスピード、YE DIGITAL、ギグワークス、日本食品化工など45銘柄は年初来安値を更新。リスクモンスター、三井金属エンジニアリング、兼松エンジニアリング、日本伸銅、田岡化学工業が売られた。
 
 一方、エス・ディー・エス バイオテック、カーチスホールディングスが年初来高値を更新。土屋ホールディングス、ヒガシトゥエンティワン、アップルインターナショナル、堺商事、ヒラノテクシードが買われた。