ダウ続落し424ドル安、長期金利上昇も警戒
【市況】ダウ続落し424ドル安、長期金利上昇も警戒 |
朝方発表された米企業決算は、工業・事務用品大手スリーエム(3M)が業績見通しを下方修正する弱い内容となったものの、全体的にはまずまずの内容だった。さらに、3月の米新築住宅販売や4月の消費者信頼感指数が良好な内容で、この日のダウは小幅高で始まった。
しかし、キャタピラーは決算説明会で最高財務責任者(CFO)が1~3月期の1株利益が今年のピークだったとの見方を示し、先行き収益鈍化が警戒され、失望売りが加速した。3Mやキャタピラー、航空機のボーイングなど資本財銘柄に売りが集中する形でダウは下げ幅を拡大し、ダウ平均の下げ幅は600ドルを超える場面があった。
債券市場で米長期金利が14年1月以来およそ4年3カ月ぶりに節目の3%に上昇した。債券に比べた株式の相対的な割高感が意識され、企業業績への影響に警戒感が広がった。
前日夕に発表した四半期決算で売上高営業利益率が低下したのが嫌気され、アルファベット(グーグル)株が5%安で引けた。アマゾン・ドット・コムやネットフリックスなどハイテク株全般に売りが広がり、投資家心理を冷やした面もあった。
ナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比121.249ポイント低い7007.352で終えた。
セクター別では、電気通信サービスや公益事業が上昇する一方で資本財や素材が下落した。
個別では、航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)は1〜3月期決算とともに業績見通しを引き上げたが、次第にキャタピラーに連れ安し、下げて終えた。
長期金利上昇による業績懸念からソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)、ネット小売のアマゾン(AMZN)など主要ハイテク株にも売りが広がった。
保険のトラベラーズや飲料のコカ・コーラも決算を受けて売りが出た。
一方で、冷蔵庫部品事業を日本電産に売却すると発表した家電大手ワールプールは上昇。決算で利益が予想ほど落ち込まなかった大型バイクのハーレー・ダビッドソンも買われた。
VIX指数は18.02と上昇(前営業日16.34)。
米株は昨日に続き、反発して寄り付いたもののマイナスへ転じる展開に。ダウ平均が前日比で一時500ドルを超える大幅な下落となるなど米株が売りを強めるなか、VIX指数は19.66と12日以来の高水準へ上振れる場面もあった。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,024.13−424.56
S&P500種
2,634.56−35.73
ナスダック
7,007.352−121.249
米10年債利回り(%)
3.0014 +0.028
米2年債利回り(%)
2.4746 +0.001
NY金(ドル/トロイオンス)
1,333.00+9.00
NY原油(ドル/バレル)
67.82+0.12
円・ドル
108.84 - 108.85−0.04
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比115円安の2万2075円で引け、同日の大取終値を205円下回った。
米企業決算を手がかりに原材料高が企業業績を下押すとの懸念が広がり、米株とともに売られた。米長期金利が4年3カ月ぶりに3%に上昇したことも売り材料になった。
この日の6月物安値は2万1965円、高値は2万2350円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22075 ( -205 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22095 ( -185 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7425.40(+26.53)
FTSE100種総合株価指数は6日続伸した。前日23日の終値に比べ26.53ポイント高の7425.40で引けた。ただ、構成銘柄の6割近くが下落した。
日中を通して高値圏で推移した。原油相場が高値で推移するなか、時価総額の大きい石油株の上げが株価指数の上昇に大きく貢献した。医薬品株と鉱業株の上げも指数押し上げ要因となった。
個別では、医薬品のシャイアーは売買高も膨らみ、3%超上がった。一時は6%高を付ける場面もあった。同社買収に向け交渉を続ける武田薬品工業は24日に新たな条件を提示。これを受け、シャイアーの取締役会は立場を検討していると発表した。同業のグラクソ・スミスクラインも高くなった。
銅と金の価格上昇を背景に、鉱業株も上がった。四半期好決算を発表したロンドン証券取引所(LSE)グループも堅調だった。アナリストが投資判断を引き上げた航空・防衛のBAEシステムズも上昇した。
半面、ブックメーカーのパディパワー・ベットフェアは5%近く下がった。英政府が近くスロットマシンなどへの賭け金の上限を引き下げると報じられ、業績悪化が懸念された。
たばこ株と住宅建設株も下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12550.82(-21.57)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日23日と比べて21.57ポイント安の12550.82だった。
個別では、アディダスは3%超下落した。医療機器のフレゼニウスも大幅安だった。アナリストによる株価目標の引き下げなどが響いた。
一方で、ドイツ銀行は4%超買われた。同銀は26日の四半期決算の発表時に、投資銀行部門の戦略見直しを示す可能性があると伝わった。ITのSAPは3%超上昇。良好な四半期決算を発表したほか、売上高と利益の通期見通しをともに引き上げたことなどが好感された。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5444.16(+5.61)