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ダウ反落62ドル安、金融引き締めによる景気懸念
【市況】ダウ反落62ドル安、金融引き締めによる景気懸念
 
27日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比62ドル42セント(0.2%)安の3万1438ドル26セントで終えた。
 
ダウ平均は前週末、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げによる景気後退への過度な懸念が和らぎ、前日終値比800ドル超上昇した。この日は、利上げペース加速への警戒感が根強い中、相場上昇が一服し、もみ合う展開で取引開始。その後は、持ち高調整や利益確定の売りに押され、ダウ平均は、マイナス圏に沈んだ。
 
先週末に上昇した景気敏感株が下落。米長期金利が上昇し、割高感が意識されたハイテク株も売られ、相場を押し下げた。
 
長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が売られ、顧客情報管理のセールスフォースは3%下落。ソフトウエアのマイクロソフトも下げた。
 
世界の主要な中央銀行による利上げ加速を受け、景気後退の確率を引き上げる金融機関が相次いでいる。シティグループは27日、景気悪化を考慮し、年末時点の米株式相場の目標水準を引き下げた。景気敏感株である航空機のボーイングと化学のダウがともに2%安となった。スポーツ用品のナイキや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株も売られた。
 
一方、ダウ平均の下げ幅は限られた。今週は月末と四半期末が重なり、機関投資家の資産配分見直しに伴う買いが入る可能性が意識されている。米株式市場に300億ドル以上の資金流入を見込む金融機関もある。
 
製薬のメルクや医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株は総じて買われ、ダウ平均を下支えした。資源高が業績の追い風になるとの見方から建機のキャタピラーと石油のシェブロンも高い。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比83.069ポイント(0.7%)安の1万1524.551で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットが下げた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の一角も安い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,438.26−62.42
S&P500種
3,900.11−11.63
ナスダック
11,524.551−83.069
FTウィルシャー5000
39,574.61−98.41
NY金(ドル/トロイオンス)
1,824.80−5.50
NY原油(ドル/バレル)
110.02+0.45
円・ドル
135.36 - 135.38+0.30


 

【シカゴ日本株先物概況】

 
27日のシカゴ日経平均先物は反落した。9月物は前週末比165円安の2万6705円で引け、27日の大取終値を65円下回った。
米5月耐久財受注などは堅調だったが、米長期金利が上昇したことが警戒されハイテク株が軟調に推移した。全体相場は様子見気分が強く、NYダウは小幅な値動きとなった
日経平均先物は米株の反落を嫌気した。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26705 ( -65 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26755 ( -15 )
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7258.32(+49.51)
27日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末に比べ49.51ポイント(0.69%)高の7258.32で引けた。中国・上海市が新型コロナウイルスの新規感染者が24日時点でゼロとなったと発表した。コロナ対応の行動制限の緩和や中国当局の政策などが同国経済の需要を高めるとの期待から、エネルギー株や資源株、資本財株に買いが入った。
FTSEでは、指数構成銘柄の約8割が上昇。産銅大手アントファガスタが3.3%高と上昇率トップ。金融大手スタンダード・チャータード(2.8%高)や鉱業大手アングロ・アメリカン(2.2%高)、石油大手BP(1.3高)も堅調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13186.07(+67.94)
27日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前週末に比べ67.94ポイント(0.52%)高の1万3186.07で終えた。27日のアジア株高で投資家心理が上向いた。ヘルスケア株や工業株が買われた。DAXでは、食材宅配大手ハローフレッシュ(5.0%高)や医薬・農薬大手バイエル(2.8%高)が買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6047.31(−26.04)
フランスCAC40種指数は0.43%安だった。米国などでの積極的な利上げへの懸念が後退し、買いが先行した。その後は、持ち高調整や利益確定の売りに押された。