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NYダウ143ドル安、利益確定売りが優勢
【市況】NYダウ143ドル安、利益確定売りが優勢

2日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比143ドル99セント安の3万1391ドル52セントで終えた。
ダウ平均が前日に603ドルの大幅高で引けたことから、この日は利益確定売りが出て相場を下押した。主要ハイテク株が総じて下げ、投資家心理を冷やした。
前週に米長期金利が急上昇したが、今週に入りこの動きは落ち着いている。ただ、金利上昇への根強い警戒感を背景に、この日はハイテク株が大きく売られた。
新規の手掛かり材料にも乏しく、ダウは方向感なくプラス圏とマイナス圏を行き来した。
 
前日に米長期金利の上昇一服で買われたハイテク株が一転して売られ、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが安い。年明けからの上昇が大きかった建機のキャタピラーの下げも目立った。半導体製造の特許を巡る係争で、テキサス連邦地裁から21億ドルの支払いを命じられたとの報道を受け、半導体のインテルの下げも目立った。
 
追加経済対策や新型コロナワクチン普及による米経済正常化を織り込んで景気敏感株の一角が買われ、ダウ平均は上げる場面もあった。追加経済対策は来週にも成立し、金額もバイデン米大統領が掲げる1.9兆ドル規模を維持するとの見方が強まっている。
 
前週末に緊急使用が許可されたジョンソン・エンド・ジョンソンのコロナワクチンの生産を製薬のメルクが支援すると伝わった。経済対策とワクチン普及で米景気回復が勢いづくとの見方から、化学のダウや石油のシェブロンなどが買われた。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比230.042ポイント(1.7%)安の1万3358.787で終えた。電気自動車のテスラが4%を超える下げとなった。前日夕に市場予想を上回る四半期決算を発表したビデオ会議システムのズーム・コミュニケーションズも9%安と売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,391.52−143.99
S&P500種
3,870.29−31.53
ナスダック
13,358.787−230.042
NY金(ドル/トロイオンス)
1,723.00−5.80
NY原油(ドル/バレル)
59.47−1.172日 16:59
円・ドル
106.66 - 106.71−0.18
 


 

【シカゴ日本株先物概況】


2日のシカゴ日経平均先物は続落した。
3月物は前日比380円安の2万9520円で引け、2日の大取終値を30円上回った。
前日の相場急伸後、利益確定売りが優勢となったほか、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の主席が2日、国内の不動産バブルに加えて米欧の金融市場のバブルが弾ける可能性を懸念すると表明したことから、寄り付き後下落した。米株がハイテク株主導で下げ、日経平均先物にも売りが波及した。
2月に経済対策や新型コロナワクチンの普及による景気回復への期待から上げ進んだため、利益確定の売りが出やすかった。
 
この日の3月物安値は2万9315円、高値は3万0025円。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29520 ( +30 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29520 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6613.75(+25.22)
2日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ25.22ポイント高の6613.75で引けた。構成銘柄の7割が上昇した。3日に英政府が発表する2021年度の予算案を見極めたいとして売買は低調だった。
米長期金利の上昇が一服したことなどを背景に株式が買い戻された。新型コロナウイルスワクチンの普及、米追加経済対策の早期成立への楽観論が相場を押し上げている。
 
前日に大幅上昇した反動で売りが優勢で始まった。主力の鉱業株と石油株が売られ相場の重荷になっていたが、徐々に買い戻しが入った。銅相場が上昇したことも支援材料となった。
個別銘柄では、投資会社のパーシング・スクエアやスタンダードチャータード銀行など金融株も堅調だった。鉱業大手アングロ・アメリカン(2.1%高)や資源大手リオ・ティント(2.1%高)、同BHPビリトン(1.9%高)など資源株が総じて締まった。広告大手WPPが0.9%高、金融大手HSBCホールディングスも0.9%高と堅調だった。
 
半面、前日に上昇が目立った住宅建設株は売りに押された。不動産投資信託(REIT)のブリティッシュ・ランドとスポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションも値下がりした。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14039.80(+26.98)
2日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて26.98ポイント(0.2%)高の1万4039.80だった。1万4000台を付けたのは2週間ぶりで、取引時間中に一時、過去最高値(終値ベース)に迫る場面もあった。
下落して始まった後、上昇に転じた。米長期金利上昇が一服したことや米追加経済対策による経済正常化への期待が相場を支えた。欧州中央銀行(ECB)高官らが急速な金利上昇に対して警戒感を示したことも支援材料になった。
 
ダイムラーを筆頭に自動車株や金融株など景気敏感株への買いが目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローと電力のRWEが安かった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5809.73(+16.94)
欧州の主要株式市場では、フランスの株価指数CAC40が2020年2月以来約1年ぶりの高値水準で引けた。