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ジャクソンホール会議に注目

ジャクソンホール会議に注目
来週(22−26日)の東京株式市場では、米ワイオミング州の避暑地ジャクソンホールで行われる経済会議「ジャクソンホール会議」(25−27日)へ向けて警戒感が高まる可能性がある。注目されるパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演は26日に予定され、金融政策の中期的な方向性に言及することが想定されている。
 
ジャクソンホール会議は過去にも相場に大きな影響を与えてきた。今回も、インフレを背景にタカ派色が強いスピーチとなれば、マーケットを取り巻く楽観の瓦解につながりかねない。一方でパウエル議長の発言が、積極的にリスクを取る買い方にとって想定線の内容に終始した場合、いわゆる「パウエル・プット」がさく裂するだろう。
現段階でジャクソンホール会議を正確にプレビューすることは困難だが、警戒ムードが先行する可能性は否定できない。特に直近大きく上昇した銘柄が多いグロース(成長)株は、パウエル議長の講演が近づくにつれて波乱含みとなる展開にも備えたい。
来週の日経平均株価の予想レンジは2万8500円〜2万9300円を想定。
 
日経平均のテクニカル面では、上向き基調が続く5日線(2万8967円 8/19)を意識した展開が続く。1/6の急落で形成したマド埋めを達成し、終値ベースで2万9000円台を回復する場面があった。
目先的には年初来高値(2万9388円)更新につながるかが焦点となる。25日線(27974円 同)からの上方かい離率は3.4%程度で過熱感は若干解消された。
一方、3月安値から同月高値までの上昇値幅分を、6/20安値からの上昇でほぼクリアした。日柄面では、6/20から一目均衡表の基本数値「42」日が8/18に経過したことで、その前後では目先の相場基調に変化が生じやすい。
ただし、「42」は「33」に続く時間論の中で独自に決められた数値である。「42」を経過したあとも基本数値は「51」「65」「76」と続く。足元、短期テクニカル指標に売りサインが点灯したわけでもなく、来週も上述した基本数値の日柄までは継続してトレンドフォローのスタンスを確認する必要があるだろう。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(19日現在)
 
30165.18  ボリンジャー:+3σ(13週)
29900.90  ボリンジャー:+3σ(25日)
29691.61  ボリンジャー:+3σ(26週)
29258.84  ボリンジャー:+2σ(25日)
29223.79  ボリンジャー:+2σ(13週)
 
28930.33  ★日経平均株価19日終値
 
28897.15  6日移動平均線
28818.81  ボリンジャー:+2σ(26週)
28616.79  ボリンジャー:+1σ(25日)
28476.12  均衡表転換線(日足)
28285.71  均衡表雲上限(週足)
28282.41  ボリンジャー:+1σ(13週)
28249.24   新値三本足陰転値
27974.73  25日移動平均線
27946.01  ボリンジャー:+1σ(26週)
27933.81  均衡表雲下限(週足)
27767.78  均衡表基準線(日足)
27549.31  200日移動平均線
27371.50  均衡表転換線(週足)
27341.02  13週移動平均線
27332.68  ボリンジャー:-1σ(25日)
27148.41  75日移動平均線
 
 
終値は5日移動平均線(28967.19円)を下回った。ローソク足は陰線を引いて足元の売り圧力の強さを窺わせている。しかし、25日線や13週線は上向きをキープし、一目均衡表も三役好転の強気形状を保ち、買い手優位を示唆している。25日線との上方乖離率が3.42%と縮小して過熱感後退を示す一方、NT倍率は現物14.50倍、先物14.49倍と高止まりしており、来週も大勢強気ながら短期的には調整圧力が残る点に留意したい。