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NYダウ10ドル高、香港情勢悪化を嫌気
【市況】NYダウ10ドル高、香港情勢悪化を嫌気
11日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸した。前週末比10ドル25セント高の2万7691ドル49セントで終え、連日で過去最高値を更新した。
 
前週は米中貿易協議の進展期待の高まりが米株高を演出したが、11日は膨らんだ期待がしぼんで、ダウは一時160ドル超下落した。
ロイター通信によるとトランプ米大統領は9日、対中制裁関税の撤廃に関して誤った報道があるとし「撤廃の水準は正しくない」と発言した。米中貿易協議の不透明感が高まり、工業製品・事務用品のスリーエムなど中国関連銘柄には売りが出た。
 
また、11日朝に香港で警察が「逃亡犯条例」の改正案をきっかけとする抗議活動を展開するデモ隊に対して実弾を発砲したと伝わった。香港中心部などで抗議活動が拡大し、香港情勢の悪化を嫌気した売りが出た。
 
今週開催予定のパウエルFRB議長の議会証言や米中協議の行方を見極めたいとの思惑から下げ幅を縮小したものの、小動きとなった。
航空機のボーイングなど個別に材料が出た銘柄が買われ、指数を押し上げた。
ボーイングとドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスの2銘柄でダウ平均を大きく押し上げた。ボーイングは2度の墜落事故を起こした主力小型機「737MAX」の出荷を12月にも再開する見込みと発表し、業績が一段と悪化することへの懸念がやや後退した。
 
ウォルグリーンズについては、ブルームバーグ通信が11日に「投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が正式にバイアウト(買収)を提案した」と報じた。協議の進展を材料視した買いが入った。アップルは過去最高値を更新した。
 
11日はベテランズ・デーの祝日で債券・為替市場は休場だった。株式市場の参加者も通常に比べて少なかったとみられる。
 
セクター別では、耐久消費財・アパレルやテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で公益事業やヘルスケア機器・サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前週末比11.035ポイント安の8464.277で終えた。香港情勢の悪化を受け、前週まで上昇が目立っていた銘柄には売りが出た。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,691.49+10.25
S&P500種
3,087.01−6.07
ナスダック
8,464.277−11.035
NY金(ドル/トロイオンス)
1,462.90−3.50
NY原油(ドル/バレル)
56.90−0.34
円・ドル
109.03 - 109.04+0.08
 

【シカゴ日本株先物概況】


シカゴ日経平均先物は続落した。
12月物は前週末比100円安の2万3370円で引けた。この日は経済統計の発表や、米中貿易協議など手掛かりとなる材料にかけたほか、ベテランズ・デーの3連休で市場参加者が少なく様子見気分が支配的だった。
 
この日の高値は2万3480円、安値は2万3225円だった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23370 ( +70 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23380 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比
 


【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7328.54(-30.84)
DAX 13198.37(-30.19)
11日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は続落した。前週末の終値に比べ30.84ポイント安の7328.54で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
日中を通して香港情勢の悪化懸念を警戒した売りが優勢だった。米中貿易協議の不透明感も引き続き相場の重荷になった。
金属と原油相場の下落を受けて鉱業株と石油株はともに全銘柄が下落した。外国為替相場でポンドが急伸したことで、ポンド高が業績を圧迫するとの見方から医薬品株や食品・日用品のユニリーバなどに売りが出た。
 
個別銘柄では、英オンライン食品販売オカド・グループが7.4%安。ロシア鉄鋼大手エブラズは5.3%安、英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは4.8%安、保険会社ヒスコックスは4.4%安と下げが目立った。
 
半面、午前は全銘柄が下落していた銀行株の一角が買い戻された。なかでもロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)とロイズ・バンキング・グループが大幅高で引けた。住宅建設株も上げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前週末と比べて30.19ポイント安の13198.37だった。
午後に入り下げ幅をやや縮小したものの、香港情勢の悪化を警戒したアジア市場の株安の流れが波及し売りが優勢だった。
 
個別銘柄では、半導体のインフィニオンテクノロジーズや透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアなどが安かった。
一方でオンライン決済サービスのワイヤーカードは高かった。位置情報サービス会社ヒア・モビリティとプロジェクト立ち上げで提携するとの報道を材料に買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5893.82(+4.12)
フランスの株価指数CAC40が小幅上昇。