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ダウ反発し187ドル高、ウォルマートがけん引
【市況】ダウ反発し187ドル高、ウォルマートがけん引
16日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比187ドル08セント高の2万3458ドル36セントで取引を終えた。上げ幅は9月11日以来およそ2カ月ぶりの大きさだった。ダウ平均は前日までの5日間で300ドル近く下げており、押し目とみた買いが入りやすかった。
複数の主要企業決算が好感され、買いが先行した。長期金利の上昇が好感されたほか、米議会下院で税制改革法案が可決されたことで投資家心理が改善し、終日堅調推移となった。
 
ウォルマートは11%上げ、上場来高値を更新した。1銘柄でダウ平均を70ドル近く押し上げた。2017年8〜10月期決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った。さらに18年1月期通期の利益見通しを上方修正し、好感した買いが広がった。
前日に大きく下げたアップルや建機のキャタピラーなどの上昇が目立った。
 
米下院共和党が午後、今月初旬に公表した税制改革案を可決した。今後は内容が大きく異なる上院案との調整が必要になるが、税制改革の実現に向けて一歩前進したとの見方も相場を支えた。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比87.083ポイント高の6793.291で終えた。8日以来およそ1週間ぶりに最高値を更新した。
 
アップルやアルファベット(グーグル)など主力株が総じて上昇した。前日夕に発表した四半期決算を手掛かりに、IT機器のシスコシステムズが急伸した。売掛債権の売却を発表した決済大手のペイパルも大幅高となり指数上昇に寄与した。
 
セクター別では、食品・生活必需品小売やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で保険やエネルギーが下落した。
 
個別では、出版大手のタイム(TIME)は、メディアのメレディスによる買収交渉を大富豪のコーク兄弟が支援することが報じられ、急騰。食品のJMスマッカーは朝方発表の四半期決算を手掛かりに急伸。ストレージ大手のネットアップも前日夕発表の四半期決算が市場予想を上回り、好感した買いが入った。
 
エクソンモービルやシェブロンなど石油株が下げた。世界最大級の政府系ファンド(SWF)であるノルウェー政府年金基金が16日、石油とガス関連の株式への投資を停止する方針を発表し、売り材料視された。
家電量販店のベストバイ(BBY)やメディアのバイアコム(VIAB)は決算内容が嫌気され、下落した。1株利益が市場予想に届かなかった米メディア大手のバイアコムも売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,458.36+187.08
S&P500種
2,585.64+21.02
ナスダック
6,793.291+87.083
 
米10年債利回り(%)
2.3771 +0.042
米2年債利回り(%)
1.7164 +0.029
 
NY原油(ドル/バレル)  
55.26−0.07
円・ドル
113.04 - 113.05   −0.20
 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は大幅に上昇した。12月物は前日比485円高の2万2585円で引け、大阪取引所の終値を175円上回った。米ダウ工業株30種平均の上昇と為替相場の円安が好感され、日経平均先物は買われた。好調な米企業決算や、米下院共和党が税制改革案を可決したことが投資家心理の改善につながった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22585 ( +175 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22595 ( +185 )
( )は大阪取引所終値比


【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7386.94(+14.33)
FTSE100種総合株価指数は6営業日ぶり反発。前日終値に比べ14.33ポイント高の7386.94で引けた。
午前は自動車部品のGKNの急落を背景に前日終値付近でもみ合っていたものの、午後に入りGKNが下げ幅を縮小したほか、欧米株の上昇に連動して買いが優勢になった。医薬品株を中心に構成銘柄の8割近くが上昇した。
シャイアーを筆頭に医薬品株は全面高となった。アナリストが2018年に向けた欧州の同業界見通しについて前向きな姿勢を示したことが好感された。
午後にソフトウエア開発のマイクロフォーカスに買いが入り上昇した。航空株も上げた。保険株は軒並み上昇した。
 
半面、GKNが大幅安。朝方に一時1割近く下落する局面もあった。評価損がさらに膨らむとの見通しを示し、次期最高経営責任者(CEO)に任命されていた幹部が退任すると伝わったことで、経営の先行き不透明感が警戒された。
上期が減益となった医療のメディクリニック・インターナショナルの下げも目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13047.22(+70.85)
ドイツ株式指数(DAX)は6営業日ぶりに反発。終値は前日比70.85ポイント高の13047.22だった。下落基調が続いていたことなどで割安感などから構成銘柄の約8割が上昇した。
半導体のインフィニオンテクノロジーズとハイデルベルクセメントが高かった。欧州の新車販売数が好調でフォルクスワーゲンなど自動車も堅調だった。
一方で石炭事業の先行き不透明感がくすぶり、電力のRWEには売りが続いている。保険のアリアンツとミュンヘン再保険も下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5336.39(+35.14)