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NYダウ240ドル高、良好な小売決算を好感、景気懸念和らぐ
【市況】NYダウ240ドル高、良好な小売決算を好感、景気懸念和らぐ
 
21日のNYダウ工業株30種平均は前日比240ドル29セント高の2万6202ドル73セントと反発で終えた。
 
小売業で市場予想を上回る四半期決算の発表が相次ぎ、米個人消費が堅調さを保っているとの見方から景気敏感株を中心に買いが優勢になった。政局混迷への懸念がくすぶるイタリアなど、欧州株が軒並み上げたのも投資家心理を上向けた。
 
朝方発表された米小売り大手ターゲットと米住宅改装用品小売り大手ロウズの2019年5〜7月期決算は、ともに1株当たり利益が市場予想を上回る良好な結果。両社株は急伸して相場上昇をけん引した。
ターゲットはインターネット通販の強化戦略が成果を挙げており、20年1月通期の利益見通しを上方修正。一方、ロウズは米国の既存店売上高が前年同期比3.2%増と好調。通期利益見通しは据え置いたものの「懸念される米中貿易摩擦の影響は表れていないことが好感された」という。
スポーツ用品のナイキなど小売関連株に買いが広がった。
 
さらに、航空機のボーイングのほか、アップルなど主力のハイテク株、シェブロンなど石油株が買われた。ダウ平均の上げ幅は一時305ドルまで広がった。ダウ平均を構成する30銘柄では、ウォルマートを除く29銘柄が上昇。業種別S&P500種株価指数は全11種が上げた。
 
米連邦準備理事会(FRB)が午後に公表した前回7月分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、同会合で決めた10年半ぶりの利下げについて「サイクル半ばの調整」と改めて指摘した。発表後に米債券市場で長短金利差が縮小すると米株相場は伸び悩む場面があったが、米政権が中国への制裁関税「第4弾」発動を表明する前の会合の議事要旨とあって取引終了にかけて値を戻した。
 
セクター別では全面高となり、特に小売や耐久消費財・アパレルの上昇が目立った。
 
ナスダック総合株価指数は同71.648ポイント高の8020.208で終えた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,202.73+240.29
S&P500種2,924.43+23.92
ナスダック
8,020.208+71.648
NY金(ドル/トロイオンス)
1,515.70±0.00   
NY原油(ドル/バレル)
55.90+0.22
円・ドル
106.58 - 106.59+0.04
 

【シカゴ日本株先物概況】


 
シカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比205円高の2万0685円で終え、大阪取引所の終値を115円上回った。
欧州株高に加え、小売り大手で好調な決算が相次ぎ米株式相場も上昇し景気減速への過度の警戒感が後退した。円相場の反落も支援材料だった。
21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月開催分)発表後に米長短期金利差が縮まり、景気後退への思惑から米株が上げ幅を縮める場面があったが、日経平均先物の反応は鈍かった。
議事要旨では複数が0.5%の大幅利下げを求めた一方、数人が金利据え置きを求めるなど意見が分かれた。
市場関係者は23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に注目している。
高値は2万0725円、安値は2万0445円だった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
20685 ( +115 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
20685 ( +115 )
( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7203.97(+78.97)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ78.97ポイント高の7203.97と、約1週間ぶりに7200台を付けて引けた。
 
主要国の景気刺激策への期待感が広がる中、朝高で始まり、他の欧州株や米国株の寄り付きの反発を眺めて一段高となった。原油高を追い風に石油株が高くなり、相場をけん引した。指数構成銘柄全体の約8割が上昇した。
イタリアのコンテ首相が前日に辞意を表明したが、欧州株は堅調を維持。21日のイタリアの株式市場は約1.8%の大幅高で引けた。
 
個別銘柄では、高級衣料バーバリーが4.5%高と堅調。賭け屋大手フラッター・エンタテイメントも3.9%高と締まった。航空・防衛大手BAEシステムズは2.6%高、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスも2.0%高、製薬大手アストラゼネカも2.0%高と買われた。
 
半面、保険のリーガル・アンド・ゼネラルと鉱業のBHPビリトンが下落した。ともにアナリストが目標株価などを引き下げたことが売り材料視された。英保険大手のフェニックス・グループ・ホールディングスも安かった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11802.85(+151.67)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に反発した。終値は前日と比べて151.67ポイント高の11802.85だった。
イタリアの株式市場で株価が上昇し、投資家心理の改善につながったほか、欧州中央銀行(ECB)が大規模な緩和策に動くとの観測も相場を押し上げた。幅広い銘柄が買われ、下落したのは3銘柄だけだった。
 
個別銘柄では、IT(情報技術)のSAP、タイヤのコンチネンタル、オンライン決済サービスのワイヤーカード、重電のシーメンスが高かった。
一方でアナリストが目標株価を引き下げた透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアが安くなったほか、ドイツテレコムと電力のエーオンが小幅安で引けた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5435.48(+90.84)
フランスの株価指数CAC40は、前日比で1%前後上昇した。