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151ドル高と続伸、インフレ懸念和らぐ
【市況】151ドル高と続伸、インフレ懸念和らぐ


15日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比151ドル39セント(0.4%)高の3万3912ドル44セントで終えた。

ダウ平均は、新型コロナウイルス感染拡大を徹底的に抑える「ゼロコロナ」政策などによる中国経済の減速懸念から下落して取引が始まった。しかし、市場では、インフレ鈍化を示す先週の米経済指標を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が拡大。徐々に買いが優勢となり、プラス圏に浮上した。

インフレがピークアウトし、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が相場を支えた。米原油先物相場が大幅に下げたのもインフレ懸念を和らげた。半面、中国景気の先行き不安は相場の重荷となった。

インフレが弱まれば消費拡大につながるとの見方から、クレジットカードのビザなど消費関連株の一角が高い。「物言う株主」として知られる米投資ファンド、サード・ポイントが株式を取得したと伝わった映画・娯楽のウォルト・ディズニーの上げも目立った。米長期金利の低下で相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)株も買われ、スマートフォンのアップルなどハイテク株が上昇した。

ダウ平均は午前中は下げる場面もあった。15日発表の中国の7月の工業生産高や小売売上高などの主要経済指標が市場予想を下回り、中国景気への警戒感が高まった。8月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が大幅に低下したのも投資家心理の重荷となった。

原油安を受けて石油のシェブロンが安い。資源安が業績の重荷になる化学のダウと建機のキャタピラーも売られた。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比80.867ポイント(0.6%)高の1万3128.053で終えた。電気自動車のテスラや半導体のエヌビディアが上昇した。ギリアド・サイエンシズなどバイオ製薬株の一角の上げも目立った。




【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前週末比170円高の2万8880円で引け、15日の大取終値を20円上回った。
NYダウ平均は、インフレの鈍化による利上げペース減速観測を背景にした買いが続き、4営業日続伸した。
米株とともに買われた。中国の低調な経済指標を背景に米長期金利が低下し、米株を支えた。一方で世界的な景気悪化への警戒感も強まり、上値を抑えた。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28880 ( +20 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
28890 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7509.15(+8.26)

15日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前週末に比べ8.26ポイント(0.11%)高の7509.15で引けた。同日発表の中国の経済指標が市場予想を下回り、世界的な景気への不透明感が広がるなか、医薬品や食品・飲料など景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株に買いが入った。
FTSEでは、指数構成銘柄の約7割が上昇。買収可能性が報じられたRSグループが5.1%高と上昇率トップだった。銅や原油など商品相場の下落を嫌気して、リオ・ティント(2.2%安)やシェル(1.5%安)など資源エネルギー関連株は売られた。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13816.61(+20.76)

15日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に続伸した。前週末に比べ20.76ポイント(0.15%)高の1万3816.61で終えた。米国でのインフレがピークアウトし、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が投資家心理を支えた。資本財株や消費関連株が買われた。


■フランス・パリ株価指数
CAC40 6569.95(+16.09)

フランスCAC40種指数は0.25%高だった。
中国経済の減速懸念から下落して始まったものの、取引終盤にかけて値を戻した。