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NYダウ続落121ドル安 長期金利上昇
【市況】NYダウ続落121ドル安 長期金利上昇

3日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比121ドル43セント安の3万1270ドル09セントで終えた。
 
長期金利の指標である10年物米国債利回りが上昇する中、低金利を背景に買われてきたハイテク銘柄の割高感が再び強まり、これらの株が売り込まれた。
この日のダウ平均は取引終盤に下げ足を速めた。ただ、米追加経済対策の早期成立期待や新型コロナウイルスワクチン普及による経済正常化時期が早まるとの見方が広がり、景気敏感株が買われ、ほぼ終日底堅い値動きだった。
 
午前に発表された米サプライ管理協会(ISM)の2月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)と、米民間雇用サービス会社ADPの2月の全米雇用報告で非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)の伸びがそれぞれ市場予想(ロイター通信調べ)を下回ったことは、弱材料だった。
 
米長期金利は一時1.49%と前日終値から0.1%上昇した。米市場では「長期金利が再び急ピッチで上昇する可能性がある」と警戒され、高PER(株価収益率)銘柄の相対的な割高感が意識された。ハイテク株は総崩れとなり、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが4%安、ソフトウエアのマイクロソフトが3%安、スマートフォンのアップルは2%安となった。
 
ダウ平均の構成銘柄以外ではネット通販のアマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックス、電気自動車のテスラもが大幅安となった。半導体のエヌビディアやAMDも売られた。
 
一方、ワクチン普及で経済活動の正常化が進むとの期待は根強い。バイデン米大統領は2日、「5月末までに米国の成人全員分のワクチンを確保できる」と述べた。恩恵を受ける旅行・レジャー関連銘柄が買われ、航空機のボーイングが高い。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスも上昇した。原油高を背景に石油のシェブロンが上げ、長期金利上昇による利ざや拡大の思惑からJPモルガン・チェースなど金融株も買われた。
 
ナスダック総合株価指数は大幅に続落し、前日比361.035ポイント(2.7%)安の1万2997.752と約2カ月ぶりの安値で終えた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,270.09−121.43
S&P500種
3,819.72−50.57
ナスダック
12,997.752−361.035
NY金(ドル/トロイオンス)1,715.80−17.80
NY原油(ドル/バレル)
61.06+1.31
円・ドル
106.96 - 107.01+0.15

 

【シカゴ日本株先物概況】


 
3日のシカゴ日経平均先物は続落した。
3月物は前日比245円安の2万9275円で引け、3日の大取終値を315円下回った。
 
2月ADP雇用統計や2月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったほか、特に金利の上昇に敏感なハイテク株の売りに一段と拍車がかかると引けにかけかけ下落に転じた。日経平均先物にも売りが波及した。
市場には米長期金利が再び上昇するとの警戒感が強い。市場関係者は4日に公開インタビューを予定する米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言に注目している。
 
この日の3月物安値は2万9270円、高値は2万9765円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
29275 ( -315 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29275 ( -315 )
( )は大阪取引所終値比
 




【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6675.47(+61.72)
3日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ61.72ポイント高の6675.47で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
英政府は4月末が期限だった雇用維持制度を9月まで延長することなどを柱とする予算案を公表。新型コロナウイルスのワクチン普及や海外株高なども背景に、株価指数は終日プラス圏で推移した。
スナク英財務相が3日に予算案を発表し、景気回復への期待感から買いが広がった。景気に敏感な銀行株と石油株が買われ、株価指数の上昇に大きく影響した。
 
個別銘柄では、銀行のバークレイズの上げが目立った。住宅建設のパーシモンは、2020年12月期の業績は低調だったが、22年について新型コロナウイルスの感染拡大前の水準まで回復するとの見通しを示し7%近く上がった。同業のバラット・ディベロップメンツとテイラー・ウィンピーも大幅高だった。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループの上げも目立った。
 
半面、20年12月期決算を発表したセキュリティー対策ソフト大手のアバストは下げた。アナリストが株価目標を引き下げた水道のセバーン・トレントも売られた
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14080.03(+40.23)
3日のドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて40.23ポイント高の1万4080.03だった。
ドイツで新型コロナウイルスの感染防止のための行動規制が徐々に緩和され、景気回復への期待感から買いが優勢となった。
 
個別では、タイヤのコンチネンタルは5%超上げた。計画中のパワートレーン部門のスピンオフ(分離・独立)によって同社への投資妙味が高まるとして、アナリストが投資評価を引き上げたことが好感された。自動車のBMWの上げも目立った。半面、料理宅配大手のデリバリーヒーローは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5830.06(+20.33)