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小幅反落、10円安 利益確定売り
東証プライム市場(前引け)=小幅反落、10円安 利益確定売り

 
16日午前の日経平均株価は小幅反落し、前引けは前日比10円02銭(0.03%)安の2万8861円76銭だった。
 
前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数など主要株価指数が続伸したものの、日経平均は前日までの2営業日で1000円超上昇し、心理的な節目の2万9000円が視野に入っていた。テクニカル指標面などから短期的な過熱感を指摘する声もあり、利益確定や戻り待ちの売りが相場の重荷になった。
 
しかし下値は堅く、その後は内需株を中心に買いが入りプラス圏に切り返すなど頑強な値動きをみせた。ただ、空売り筋の買い戻しが一巡したことから上値も重く、前引けは小幅ながらマイナス圏で着地している。
下げ幅は一時100円を超えたが、その後は下げ渋って上昇する場面も多かった。前日の米株式市場で主要3指数が上昇しており、投資家心理を支えた。米国ではインフレがピークアウトするとの見方を背景に、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるという期待が続いており、東京市場ではグロース(成長)株を中心に買い戻しがみられた。
 
市場では「3月9日に付けた年初来安値(2万4717円)から6カ月後の信用期日が近づいており、売り方は買い戻しを進めなければいけない局面になっている」との声も聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。午前終値は前日比3.77ポイント(0.19%)安の1981.19だった。
 
 
全体としてはやはり買い疲れ感が出てきている様子。昨日は日経平均が300円を超す上昇で、29000円を窺う強い動きだったが、東証プライム市場の銘柄では半数以上が下落していた。本日も同様に半数以上が下落している。東証プライム市場の売買代金からも、指数の値幅程には売買が活発していない様子が窺える。8月物オプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出が絡んだ先週末12日は3兆円台後半と見かけ上の売買代金は膨らんだ。一方、昨日15日は2兆5000億円台にとどまり、先週末の決算発表が500件近くもあった割には、物色は低調だったように見受けられる。本日も前引け時点で1兆2800億円台とさほど膨らんでいない。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2852億円、売買高は5億1656万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は937、値上がりは788、変わらずは112銘柄だった。
 
個別では、ダブル・スコープが大商いで株価を急伸させたほか、バンナムHD、コナミGも高い。エムスリー、ZHD、サイバー、レノバも買いを集めた。エムスリーも高い。メルカリも堅調な値動き。レアジョブがストップ高に買われたほか、リブセンスも大幅続伸。日機装も値を飛ばした。
 
半面、ソフトバンクグループが上昇一服、郵船や商船三井の海運株に売りが目立った。マツダ、いすゞ、第一三共も売りに押された。ペッパーフードサービスが続急落、テスホールディングスも大幅安。ユー・エム・シー・エレクトロニクスも大きく下げた。出光興産やINPEX、三井松島ホールディングスも安い。