兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

「布陣」
「布陣」
NY株式市場は下落。
中国のインターネットサービス大手テンセント発表した四半期決算が約13年ぶりの減益。
ハイテクセクターを圧迫し中国がNY株を邪魔した構図。
もっとも百貨店のメーシーズ15.9%急落したことで小売セクターも下落した。
トルコのエルドアン大統領が一部の米国製品に対する関税を2倍に引き上げたことも悪材料。
中国が太陽光発電製品への関税を巡り米国をWTOに提訴したことも懸念されキャタピラーやボーイングが下落。
S&P500は6月以来の大幅な下落率となった。
「新興国株式市場の指標であるMSCI新興国株指数の1月からの下落率は20%。
弱気相場入りだ」という声もある。
気になるのは売買高の急増。
3市場合計の売買高は78.6億株と直近20日間平均の65.3億株を上回った。
救いはダウ輸送株指数の落ち着きだろうか。
7月の小売売上高は前月比0.5%増と市場予想の0.1%増を上回って着地。
第2四半期の非農業部門労働生産性速報値は季節調整済みの年率で前期比2.9%上昇。
3年ぶりの高水準となった。
これを受けて債券利回りは一時上昇したが10年債は結局2.84%台まで低下した。

ただ「小売売上高が好調でインフレ圧力も増加。
FRBは新興国市場のボラティリティーに惑わされず利上げを継続するだろう」という見方もある。
ドル円は110円台後半で推移。
カタールがトルコに150億ドルの投資を約束したとの報道は好感された。


寄り付き付近は売買交錯でプラス展開もあったが上海株安を背景に売り一色の展開。
前日の500円高の反動に加え夏季休暇の影響での売買薄も後場の下落に拍車をかけた印象。
ニクソンショック47周年という指摘もあった。
「日経平均は151円安だから常識的な反動安の範囲内。
日経平均が0.68%安、TOPIXが0.76%安とTOPIXの方が弱いのは相変わらず」という見方。
「東証1部の売買代金は2兆402億円。
8月に入って最低水準となった。
株価は乱高下して騒々しいが、商いだけ見ればお盆休みシーズンらしい風景」という声も聞こえる。
23日が米国の対中追加制裁関税の発動日。

そしてジャクソンホールの開催。
トルコは21日から24日まで大型連休というスケジュールはややこしい。
値上がり銘柄数は422(前日1795)、値下がり銘柄数は1618(前日264)。
新高値銘柄数38(前日23)、新安値銘柄数189(前日148)。
騰落レシオは96.40まで低下した。
25日線からは1.3%のマイナスかい離。
200日線からは0.8%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.618%。
買い方▲12.834%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲2.00%(前日▲4.73%)。
あと一息でプラスだから底打ち間近とみたいところ。
買い方▲22.09%(前日▲21.34%)。

Quick調査の8月10日時点の信用評価損率はマイナス11.93%と2週連続の悪化。
同時点の裁定買い残は87億円減の1兆5311億円(2週連続減)。
同裁定売り残は97億円減少の6714億円(4週連続減)。
空売り比率は45.4%で13日連続40%超。
日経VIは17.11と上昇。
日経平均採用銘柄のPERは13.01倍でEPSは1706億円
シカゴ225先物終値は大証日中比180円安の22000円。
ドル円の110円台が効いての下落。
25日線(22500円)、75日線(22481円)、200日線(22393円)。

ともに上向きながら下向きそうな気配。
200日線の1年9ヶ月ぶりの下向きを前にココは上回って起きたいところだ。
52週線(22033円)は死守したいし26週線(22163円)も重要だ。
一目均衡の雲の上限は22256円、下限は22067円。

ボリンジャーのマイナス2σが22022円。
マイナス3σは21783円だ。
気学では「前場高いと後場へかけて下押すこと多し」。
これは該当せず。
むしろ明日の「安値にある時は急伸することあり」に思いを馳せたい日。
日経朝刊では「上場企業、2年連続最高益」の見出し。
4〜6月期の純利益は8.9兆円。
前値同期比28%増と米国の24%増よりも見かけ上は良い。
「上場企業の純利益は4〜6月期で通期予想の3割相当を稼いでおり通期プラスの可能性」。
どこかで日本株の「業績と株価のアンバランスの見直し」が入ることに期待したい晩夏だ。

日経朝刊「愉楽にて」はつまらない別荘談義。
軽井沢は暑いとか、葉山ではつまらないとかの話題では相場感覚には結びつかない。
豪奢だったのは昨夜の安倍首相の鳴沢での宴。
場所は日本財団の笹川会長の別荘。
時間は18時から22時まで。
出席者は森元首相、小泉元首相、麻生財務相、加藤労相、茂木経財相、岸田幹事長、
西村官房副長官、萩生田幹事長代行、そして久々にフジテレビの日枝相談役。

どうせ集まるのなら話題は総裁選ではなく日本再興にでもして欲しかったところ。
20日までは鳴沢でゴルフというから秋への布陣になるのだろうか
人の気配の失せた兜町から眺めると、羨望を感じる。

化学工業日報では
米科学雑誌C&ANの2017年度のグローバルトップ50に日本企業8社がランキング。
9位:三菱ケミカル(4188)、 
13位:東レ(3402)、
15位:住友化(4005)
23位:信越化(4063)
25位:三井化(4183)
31位:旭化成(3407)
47位:東ソー(4042)
48位:DIC(4631)
電気・機械と並んで化学の時代がやってきた。

NYダウは137ドル安の25162ドルと反落。
NASDAQは96ポイント安の7774ポイント。
S&P500は21ポイント安の2818ポイント。
ダウ輸送株指数は0.67ポイント高の11115ポイント。
一応プラスなのは救いだ。
3市場の売買高は78.6億株と急増。
CME円建ては大証比180ポイント安の22000円。
ドル建ては大証比170ポイント安の22010ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比190円安の21990円。
ドル円は110.73円。
10年国債利回りは2.864%。

(兜町カタリスト櫻井)