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NYダウ327ドル高、大型M&Aやワクチン開発前進を好感
【市況】NYダウ327ドル高、大型M&Aやワクチン開発前進を好感

14日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前週末比327ドル69セント高の2万7993ドル33セントで終えた。大型M&A(合併・買収)のニュースが相次ぎ、市場心理の改善につながった。コロナワクチンの開発を巡る好材料も相場上昇を支えた。
 
英製薬大手アストラゼネカは12日、英オックスフォード大と共同開発中の新型コロナワクチンをめぐり、英国で臨床試験(治験)を再開したと公表した。治験参加者の原因不明の症状を理由に治験を中断したが、安全性が確認されたという。この発表は早期のワクチン開発への期待感を高める要因となった。
 
画像処理半導体のエヌビディアは13日、ソフトバンクグループ(SBG)から英半導体設計のアームを買収すると発表。IT(情報技術)のオラクルはスマートフォンの動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を引き受けるとの観測が強まった。これを受け、エヌビディアは6%高、オラクルは4%高となった。
 
バイオ製薬のギリアド・サイエンシズは13日に米同業を、通信のベライゾン・コミュニケーションズは14日にプリペイド式携帯通信大手をそれぞれ買収すると発表した。コロナ禍が続く中でも大型M&Aが続出し、米企業の成長投資への意欲の強さが意識された。
 
投資家心理の改善につながり、先週まで調整していた主力ハイテク株に買いが入った。ダウ平均銘柄ではスマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフト、顧客情報管理(CRM)のセールスフォース・ドットコムが上昇した。電気自動車のテスラは13%近く上げた。
 
コロナワクチンの開発では米製薬のファイザーの経営トップが13日、米メディアのインタビューで「開発中のワクチンが有効かは10月末までに判明する」と述べた。臨床試験を中断していた英製薬のアストラゼネカは12日に再開したと発表した。ワクチンの早期実用化への期待を誘い、景気敏感株も買われた。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前週末比203.11ポイント高の1万1056.65で終えた。下値のメドとされる50日移動平均を上回った。
 
アナリストが投資判断を引き上げた半導体のマイクロン・テクノロジーが6%高となるなど、半導体関連株への買いが目立った。バイオ製薬関連も高い。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックスなどは下げた。
 
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,993.33+327.69
S&P500種
3,383.54+42.57
ナスダック
11,056.651+203.106
NY金(ドル/トロイオンス)
1,963.70+15.80
NY原油(ドル/バレル)
37.26−0.07
円・ドル
105.70 - 105.71−0.27
 
 

【シカゴ日本株先物概況】


14日のシカゴ日経平均先物は続伸した。12月物は前週末比115円高の2万3305円で引け、14日の大取終値を115円下回った。
NYダウは、英国の製薬会社アストラゼネカが一時中断していた新型コロナウイルスのワクチン最終治験を再開したことが好感され、上昇して寄り付いた。先週大きく売られた主要ハイテク株にも買い戻しが広がり、終日堅調推移となった。
大型M&A(合併・買収)報道やコロナワクチンの開発期待を手掛かりに、日経平均先物は米株とともに買われた。
この日の9月物高値は2万3450円、安値は2万3220円。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23305 ( -115 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23360 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比
 


【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6026.25(−5.84)
14日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前週末の終値に比べ5.84ポイント安の6026.25で引けた。構成銘柄の5割強が上昇した。
 
英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る交渉の先行き懸念が払拭されず、売りが優勢だった。英中銀イングランド銀行の金融政策委員会を17日に控え、様子見姿勢から値動きは限られた。原油相場の下落を背景に石油株が売られ、株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、鉱業のフレスニージョと金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルがともに大幅安だった。
一方、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4.4%高。アナリストが株価目標を引き上げたネット専業スーパーのオカド・グループは買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13193.66(−9.18)
14日のドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前週末と比べて9.18ポイント安の1万3193.66だった。上がって始まった後に伸び悩み、その後は小動きで推移した。
 
個別銘柄では、不動産サービスのドイチェ・ボーネンと電力のRWEが売られた。半導体業界の再編が進むなか、半導体のインフィニオンテクノロジーズは大幅高だった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5051.88(+17.74)