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小幅反発、半導体関連が支え
東証プライム市場(前引け)=小幅反発、半導体関連が支え
19日午前の日経平均株価は小幅に反発し、前日比25円80銭(0.09%)高の2万8967円94銭で終えた。
 
前日の米株式市場では主要株価指数がともに小幅ながら上昇して終了。セントルイス連銀のブラード総裁が9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ポイントの利上げ支持に傾くなど、タカ派寄りの発言が相次いだ中でも、米10年債利回りは小幅に低下し、落ち着いた動きだったことで、ハイテク・グロース株も底堅い動きだった。
 
値がさの半導体関連を中心に買いが入り、日経平均を押し上げた。朝方には上げ幅が200円を超える場面があったが、2万9000円を上回る水準では戻り待ちや利益確定の売りが目立ち、日経平均は下げに転じる場面もあるなど急速に伸び悩んだ。
 
前日の米株式市場では主要な指数が上昇した。主力の半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%超上昇し、東京株式市場でも半導体関連や電子部品関連の買いに波及した。
 
外国為替市場では円安・ドル高が進み、自動車など輸出関連銘柄の一部の支えとなった。これまでに発表した決算が好評価の銘柄にも断続的な買いが入っているとの見方があった。ただ、米株価指数先物が日本時間19日午前の取引で軟調に推移したため、日経平均先物にも売りが出て相場全体の伸び悩みにつながった。
 
日経平均は年初来高値(2万9332円)が目前に迫っているが、足元で上値の重さが目立ち始めている。
来週はカンザスシティー連銀が主催する年に一度の経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開かれる。また、半導体大手エヌビディアの決算もある。注目イベントを前に買いの手が限られてくるとも考えられ、ここからの押し目買いは慎重になるべきだろう。後場の日経平均は2万9000円を回復できるかが焦点となるだろう。このまま回復できないようであれば、来週以降の基調の転換にはより注意した方がよいだろう。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。午前終値は前日比5.38ポイント(0.27%)高の1995.88だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2927億円、売買高は5億3530万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1167と、全体の6割強を占めた。値下がりは576、変わらずは94だった。
 
業種別株価指数(33業種)では石油・石炭製品、鉱業、パルプ・紙などが上昇。医薬品、倉庫・運輸関連業、その他製品などは下落。
 
個別銘柄では、東京エレクトロンやソニーグループ、京セラ、フェローテックホールディングスが高く、商船三井や川崎汽船など海運株もしっかり。ホンダ、デンソー、メルカリ、アイスタイルが買われた。フジクラや日揮HDも高かった。
 
半面、レーザーテックやソフトバンクグループ、ファーストリテイリングが値を下げた。トレンドや中部電も安かった。任天堂、第一三共、武田薬品工業も軟調だった。