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NYダウは14ドル安、長期金利上昇を警戒
【市況】NYダウは14ドル安、長期金利上昇を警戒

23日のNYダウ工業株30種平均が小幅ながら4日続落し、前週末比14ドル25セント安の2万4448ドル69セントで終えた。
 
長期金利上昇への警戒感や、今週に予定される複数の主要ハイテク企業決算を見極めたいとの思惑が交錯し小動き。引けにかけて下落する展開となった。
 
米長期金利の指標である10年債利回りが2.99%まで上昇し、4年3カ月ぶりに節目の3%に迫る場面があった。金利上昇が企業のコスト増や株式の割高感につながるとの警戒感が売りを誘った。ダウ平均は134ドル安まで下げ幅を広げる場面があった。
 
決算期待が相場を支え、取引終了にかけて急速に下げ幅を縮小した。23日夕にアルファベット(グーグル)が決算を発表。今週はフェイスブックやアマゾン・ドット・コムなどのIT大手、建機のキャタピラーなどが相次いで決算を発表する。好内容が相次げば相場を押し上げる可能性もある。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、同17.525ポイント安の7128.601で終えた。
 
セクター別では、耐久消費財・アパレルや電気通信サービスが上昇する一方で半導体・半導体製造装置や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
個別では、金属大手のアルコア(AA)は、ロシアの同業UCルサールが米政府に制裁解除を申請し、財務省が条件付きによる制裁措置の緩和を表明したことから大幅下落。ジェネリック医薬品のエイコーン(AKRX)は、独の医療機器大手フレゼニウスが43億ドルでの買収合意を撤回したことが明らかになり、30%超の急落。同社からスピンオフしたアルミ応用製品のアルコニック(ARNC)も軟調推移した。
 
一方で、アナリストが投資判断を引き上げた製薬のメルクが上昇。通信のベライゾン・コミュニケーションズやスポーツ用品のナイキも上げた。
製薬のメルク(MRK)は、ゴールドマンサックスによる投資判断引き上げを受け上昇した。
 
VIX指数は16.34と低下(前営業日16.88)。
米株は反発して寄り付いた後、マイナスへ転じた。VIX指数は一時17.56と、先週末のレンジをわずかながら上回り、1週間ぶりの高水準をつけた。
ただ、一時134ドル安だったダウ平均が下落幅をほぼ帳消しにするなど米株が底堅さを示すと、VIX指数は上昇幅を徐々に縮小し、低下へ転じた。
  
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,448.69−14.25
S&P500種
2,670.29+0.15
ナスダック
7,128.601−17.525
 
米10年債利回り(%)
2.977 +0.026
米2年債利回り(%)
2.4785 +0.022
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,324.00−14.30
NY原油(ドル/バレル)
68.89+0.25
円・ドル
108.72 - 108.73+0.82

 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前週末比115円高の2万2190円で引け、同日の大取終値を90円上回った。
円安を好感する買いが入った。この日の米長期金利は約4年3カ月ぶりに3%に迫った。日米金利差の拡大から円安が進み、日本株は買われた。
この日の6月物高値は2万2210円、安値は2万2025円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22190 ( +90 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22210 ( +110 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7398.87(+30.70)
FTSE100種総合株価指数は5日続伸した。前週末20日の終値に比べ30.70ポイント高の7398.87で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
午前に小動きが続いた後、午後に上昇に転じ、徐々に上げ幅を広げた。石油株の上げに加え、米長期金利の上昇で恩恵が期待される金融株の上げが株価指数を押し上げた。
 
保険のセント・ジェームズ・プレイスとオールド・ミューチュアルの上げが大きかった。アナリストが投資判断と株価目標をともに引き上げた信用調査のエクスペリアンの上げも目立った。たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコと、医薬品のグラクソ・スミスクライン、アストラゼネカが高くなった。住宅建設株と航空株も上昇した。
 
半面、銅価格が下落に転じたことに伴い、リオ・ティントなど鉱業株も売りに転じた。金相場は日中下落が続き、関連のフレスニージョとランドゴールド・リソーシズも軟調だった。新株予約権付社債を発行すると発表した総合ヘルスケアのNMCヘルスは3%超下がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12572.39(+31.89)
ドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末20日と比べて31.89ポイント高の12572.39だった。欧州各国株式相場は朝方に下落していたが、その後それぞれ上昇に転じた。
 
個別では、コメルツ銀行とミュンヘン再保険、半導体のインフィニオンテクノロジーズが高くなった。
一方で、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは、22日に通期売上高目標を引き下げたほか、この日のアナリストによる株価目標引き下げなどが響いて4%超下落した。自動車のフォルクスワーゲンと電力のエーオンの下げも目立った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5438.55(+25.72)