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中途半端なコツンの懸崖
「中途半端なコツンの懸崖」
NY株式は週末を挟んで3日続伸。
NYダウの高値は24705ドル、安値は24421ドル、終値は24640ドル。
日中値幅は約284ドルと落ち着いてきた。
もっとも市場は材料薄。
明日発表予定のCPIと小売売上高の動向に興味が移った格好。
「景気が良ければ金利上昇→インフレと株安」という逆スタグフレーションのような展開だ。
「マイナス圏で寄り付いた後にプラス圏に戻したことは良い兆候。
しかし市場が再び安定すると見込むには時期尚早」という曖昧な声が聞こえる。
個別ではアマゾン、アップルが上昇。
冬季五輪の季節だけにアンダーアーマーが上昇したのは東京市場同様に洒落た投資家がいるのだろう。
トランプ米大統領は「鉄鋼やアルミニウム輸入品問題に対応するため、関税や数量制限の導入などを検討」とコメント。
鉄鋼・アルミなどのセクターが堅調だった。
債券利回りは低下。
ただ債券利回りの見通しを引き上げる動きが継続している。
「向こう1年間で米10年債利回りは3.3%に、独10年債利回りは1.2%に上昇する」という見方だ。
ドル円は一時107.40円まで上昇。
リスク選好に戻りつつあるのにドル安/円高の流れは継続。
背景は「日銀が早期の緩和解除に踏み切るのではないか」との憶測の拡大。
日本のFXの規制は強化の方向。
レバレッジ引き下げが義務付けられた場合「投資家は残高のドル売り/円買いを迫られる」という観測だ。
もっとも実態が先で観測は後講釈に聞こえる。
VIX〈恐怖〉指数は24.71。
スキュー指数は昨日149まで上昇したが146と低下。
 
 
典型的な火曜の後場の暗転。
NYダウ2日で740ドルの上昇。
しかし3連休明けの日経平均は前場の大幅高を維持できず3ケタの下落。
「下向きの圧力が厳然として存在していることを意味する。
整理未了のポジションがまだ残っているということ」との声がある。
「米株にとってはドル安はサポート材料。
米株高でも円高なら日本株は敬遠という展開」というところだ。
25日線(23221円)からの乖離はマイナス8.51%。
200日線(21017円)からの乖離はプラス1.1%と懸崖水準。
9ヶ月移動平均21311円は下回った。
騰落レシオは76.49%と10ヶ月ぶりの80%割れ。
底値圏に近づいてきた。
サイコロは3勝9敗で25.0%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲13.504%(前日▲14.567%)と怪訝な悪化。
買い方は▲10.083%(前日▲9.113%)と売り方と逆転間近に迫った。
空売り比率は45.8%(前日46.1%)と中途半端な頂点。
日経VIは引けに33.75まで上昇。
日経平均採用銘柄のEPSは1644.33円と過去最高記録。
PERは12.92倍まで低下したからこれは「コツン」と来た印象。
シカゴ225先物終値は大証日中比35円高の21205円。
高値は21705円、安値は20905円とSQ値21190円を一時下回った。
13日に黒くねじれてた勝手雲は黒いまま。
ボリンジャーのマイナス2σの21444円に挑戦するか。
マイナス3σの20556円までなだれ込むかの分水嶺。
SQ値(21190円)と200日線(21077円)の攻防戦でもある。
バレンタインデーは株高の特異日だが、「さて」というところ。
2月15日は米国債の利払い日。
ドル買いの一助にでもなって欲しいものだ。
 
2016年安値は6月24日の安値14864円。
同年2月12日の14865円とほぼ近似値。
終値ベースは14952円.02円と14952.61円。
円単位では奇しくもまったく同じ水準だった。
2月の悪材料は原油安と中国景気不安。
6月の悪材料は英国のEU離脱国民投票。
株価に本質的に関係ある事柄ではなかったにもかかわらずNYダウは2日で870ドルの下落。
覚えておきたい数字は2月12日の日経平均14952円の世界での各種指標。
日経平均の25日移動平均線からの乖離:マイナス11.9%。
200日移動平均からのかい離率:マイナス22%。
騰落レシオ:57.72%。
松井証券信用評価損益率速報:売り方はプラス1.843%。
買い方はマイナス25.018%。
日経平均採用銘柄のPBR:1.21倍(東証1部も1.62倍)。
日経平均のPERは12.97倍(EPSは1152円)。
配当利回り:1.95%(東証1部全銘柄2.05%)。
昨年来安値更新銘柄:1023(2011年3月15日1048銘柄)。
今回ではどうだろうか。
200日移動平均からのかい離率:プラス1.1%。
騰落レシオ:76.49%。
松井証券信用評価損益率速報:売り方はプマイナス13.504%。
買い方はマイナス10.083%。
日経平均採用銘柄のPBR:1.21倍(東証1部1.30倍)。
日経平均のPERは12.92倍(EPSは1644円)。
配当利回り:1.80%(東証1部全銘柄1.97%)。
昨年来安値更新銘柄:105(2011年3月15日1048銘柄)。
PER意外はまだ中途半端ということになってしまう。
2016年6月9日の空売り比率が47%。
これはあと少しだかが、やはり中途半端。
予想株式益回りは6.70%(前期基準5.75%)。
債券利回りの0.65%と比較して欲しいものだ。
 
 
4〜12月期決算集計状況(全体の94.7%が通過)。
第3四半期売上高9.4%増、同経常利益19.5%増、同純利益31.5%増。
通期売上高7.5%増、同経常利益13.8%増、同純利益21.0%増。
 
 
月曜夜にNHKで放送された仮想通貨の話題
興味深いのは「儲からない通過」と言う発想だった。
登場したのはブロックチェーン推進協会の平野洋一郎理事(インフォテリア社長)。

仮想通貨関連の業界団体で、IT企業などおよそ200社でつくる「ブロックチェーン推進協会」。
去年7月から独自の仮想通貨「Zen」を発行して会員の企業が会費などを送金する際に使う実証実験を行っている。
「Zen」は、ビットコインなどほかの仮想通貨と同じ「ブロックチェーン」という基幹技術を使っている。
インターネット上で手軽に素早く送金できるのが特徴。
協会では「今ある多くの仮想通貨は投機の対象となるなどして価格の変動が激しい。
利便性は高いものの企業が扱うにはリスクが大きすぎる」との見解。
協会は「1Zenを常に1円で買い入れる」実証実験を行っている。
その結果、Zenの価格をほぼ固定させることができたという。
Zenを扱っている取引所は今は1社だけ。
協会では今後増やしていく方向。
法定通貨のように安定的に使える仮想通貨に育てていきたいという。
平野洋一郎代表理事のコメント。
「コインチェックの巨額流出は仮想通貨の技術そのものに欠陥があって起きたわけではなく、
技術の価値は変わらない。
仮想通貨は『もうかる』という側面で注目されたが、激しい値動きがあると支払いや企業の会計には使いづらい。
『もうからない通貨』を作ることで、仮想通貨の本来の価値を健全な形で普及させたい」。
 
 
NYダウは39ドル高の24640ドルと3日続伸。
NASDAQは31ポイント高の7013ポイント。
S&P500は6ポイント高の2662ポイント。
ダウ輸送株指数は79ポイント高の10330ポイント。
3市場の売買高は105億株。
CME円建ては大証比35円高の21205円。
ドル建ては大証比65ポイント高の21235ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比20円高の21190円。
ドル円は107.82円。
10年国債利回りは2.840%。
 
 
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アバント(3836)・・・動兆。
 
アバントに注目する。
同社は連結経営・会計システムのパッケージソフトが中核。
働き方改革がアウトソーシングに追い風との声。
3月7日に東証1部指定。
売り出し発表からのリバウンド期待。 


(兜町カタリスト櫻井)